乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

小湊鉄道の里見駅

2014-07-15 | 千葉県
 有楽町近辺でお昼を食べたあとふとどこかのんびりしたところで乗り鉄したくなりました。しかしいくら日が長い時期とは言え午後からではそう遠くには行けません。どうしようかな、と考えて京葉線の東京駅が歩いて行ける近さなのを思い出しました。じゃ蘇我経由で五井に出て小湊鉄道に乗って来よう、と衝動乗りが決定します。


 京葉線の地下コンコースに下りて見上げるとなんだか懐かしい面々が描かれているのが見えます。いつまで残るでしょうか。


 食後なのでつまむものは買わずビールだけ下げ外房線の特急「わかしお」に乗り込みました。行くのは五井なので本当は内房線の「さざなみ」に乗りたいところですが、アクアラインと高速バスに押され今や東京を出るさざなみは朝晩だけになってしまい昼間は走っていません。


 発車すると京葉線はずーっと埋立地を走るので飽きがきます。だからビールを買ったわけです。ただ30分ちょっとという乗車時間ではやや短すぎ、食後のビールで眠くなった頃蘇我に着き降りるのがおっくうになってしまいました。このまま気持ちよく鴨川まで寝てバスにでも乗って帰ろうか、などとかなり本気で思ったりもしつつなんとか降りることにします。
 そういえば内房線の鈍行って今はこんなヤツなんだよなあ、とわかしおの外房線経由より遠回りで安房鴨川までの長丁場をこなす通勤電車の209系を見ているうちに目が覚めてきました。これで館山や千倉まで乗って行くなんて考えただけで気が遠くなります。ただ一応申し訳程度にはボックスシートと飲み物を置くテーブルがくっついてはいるのでもし駅弁買って乗るなら何としてもここを取りにいかなければなりません。千葉に行ってガチャガチャ揺れる113系で駅弁食べるというごく当たり前にあった身近な幸せも気がつけば過去になってしまいました。


 長丁場の列車にちょっとだけ乗って五井の小湊鉄道ホームに立つと単行の気動車と貨車が見え正調ローカル私鉄ムードにホッとします。


 窓を開けたいと思う一方ものものしい冷房機と扇風機の二刀流がありがたく感じるのも否定できない季節です。のんびりイイ風情の駅名票を見ながら進み上総牛久からは票券閉塞になるため「輪っか」が登場しました。


 昨年交換設備が復活した里見に到着し、ここから末端の上総中野まではスタフ閉塞になります。


 上下線のホームははす向かいなので行き違う列車の先頭がえらく離れることになり限られた停車時間で通票や通券を運ぶのは大変そうです。大忙しで走り回る駅員さんの「危ないよー!」という声が聞こえたので目を向けると「撮り鉄」な人が線路端でカメラを構えてました。何せいまどき珍しいアナログな交換風景ですから人気スポットなのでしょうね。


 小湊鉄道の終点上総中野まで乗って行くとそのままとんぼ返りするかいすみ鉄道に抜けることになりそれもちとつまらないので駅前で発車を待つ路線バスに乗ることにします。渋い交換風景に「ちっこいコミュニティバス」ではない路線バスに、といまどきゼイタクな要素が揃いうれしくなりました。


 乗ったバスは市原鶴舞バスターミナル行きです。途中高滝ダムの周りを走るので結構眺望がききます。「山口屋商店」というバス停近くにはその名の通りのよろず屋が見えました。


 圏央道を走る高速バスが発着する市原鶴舞バスターミナルに着くと周りにゴルフしている人形がいくつも置かれていて不思議なムードです。昨年来たときはなかったので一過性のものなのかずっと置く予定なのかわかりませんが、ともあれこの辺りはゴルフ場が多い地域なので何らかのPRをしたいのでしょう。


 あとは東京に向かうバスに乗るだけです。その前に隣接するコンビニに寄ったらフィッシュ&チップスがあったのでビールにも手が出てしまいました。つまんでいるとアクアラインを通って東京駅までの1時間ちょっとはあっという間です。


 東京駅八重洲口に降り立つとまだ明るく、昼食後に出発しアナログな交換風景を見てローカルバスに乗って来たのがウソのような気がしました。遠足ならぬ中足くらいの距離感というのか、半日あれば楽しめる近さもありがたいものです。
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市原鶴舞バスターミナル

2013-07-30 | 千葉県
 さる4月「圏央道」の延長開業にあわせ房総半島の市原市に「市原鶴舞バスターミナル」なるものができ、近辺を走る高速バスの経路がそこ経由に変更されました。地図を見ると駅や集落の近くではない立地でちょっと興味がわきます。とりあえず見物に行ってみることにしました。

 今回はアクアライン経由のバスがすっかり定着した横浜駅東口バスターミナルで市原鶴舞バスターミナル経由の茂原駅行きに乗ります。圏央道はおろかアクアライン以前の感覚がいまだに抜けないのでずいぶんと妙な経路に感じてしまいました。例えば石勝線開業直後に札幌から道東に向かう人はこんな気分だったのかな、などと脈絡なく考えてみたりもします。


 中国語・韓国語の案内を見てるといよいよどこに連れて行かれるんだろうという気分になってきました。


 発車するとこのバスは途中羽田空港に寄るのでいったん多摩川をくぐって羽田空港、また多摩川をくぐって、と大変忙しいことになります。2度の多摩川越えを終えて川崎の浮島でアクアラインのトンネルを見るとただ乗ってるだけなのにやれやれという気分になりました。神奈川県→東京都→神奈川県ときてさらに千葉県に向かうわけです。


 アクアラインのあとに続く圏央道は対面通行区間もあるのでローカル線に入った感じがします。市原鶴舞ICで降りすぐ近くにある市原鶴舞バスターミナルに到着しました。

 ターミナルは「駅前のバス広場」という感じのバス乗降スペースと待合所の建物、駐車場からなります。

 待合所は切符の販売がないのであまり「ターミナルっぽさ」はないのですが、まだ新しいだけに大変キレイで観光パンフレットが置かれトイレがありと落ち着ける雰囲気です。またターミナル外になりますが「ミニストップ」が隣接しているのでそこでちょっとした買い物ができます。という具合にひと通りの設備は揃っているので着いて即困るという感じはありませんでした。
(ターミナル公式サイト)


 さてここで改めてこのターミナルの位置についてですが、大多喜街道(国道297号線)沿いで、鉄道で言うと小湊鉄道の上総鶴舞駅といすみ鉄道の城見ヶ丘駅(大多喜町)をショートカットする途中にあたります。
 経由する高速バスは上記の茂原・羽田・横浜線のほか、茂原・東京線、木更津・君津・成田(空港)線、安房小湊・御宿・勝浦・東京線の計4路線です。このうち特筆すべきことに安房小湊・御宿・勝浦・東京線は市原鶴舞バスターミナルから東京側だけでなく安房小湊・御宿・勝浦側への利用もできるという点があります。これにより安房小湊・御宿・勝浦側と横浜の行き来にこのバスターミナルで乗り換えることが可能になるわけです。(他の路線は市原鶴舞バスターミナル乗降の場合アクアラインの対岸側もしくは成田空港側との利用のみ可)
 一般路線バスは上総牛久駅と大多喜車庫または里見駅を結ぶ小湊鉄道バスがここを経由します。(ここ折返しの牛久便もあり)正直便数が少なくランダムなダイヤであまり使いやすいとは言いにくいもののクルマ社会では仕方ないのでしょう。

 ところで一般路線バスの停留所は高速バス停や待合所から離れたところにあり、雨だと乗るまでに濡れてしまう上屋がない動線なのでちょっと不親切な気がしました。どの路線も便数はそう多くなくあまり停留所を広く散らす必要もない気がしましたが余裕を優先したのでしょうか。


 ターミナルを見物して納得したら一般路線バスと小湊鉄道(の鉄道)に乗りたくなり上総牛久駅に出ました。小さな駅舎のまん前にバスが停まる、というのはやっぱりいいものです。実用上も乗り換えが楽ですしこれもまたよき姿の「ターミナル」だと思います。


 ちなみに上総牛久から上総中野までは長らく列車の交換はなくタブレット代用のスタフを持って、だったのですが、今年になって里見駅に交換設備ができ牛久~里見間はなんと票券閉塞になりました。まさか2013年にこういう方式が「実用で」採用されるとは驚きで、こういうのが「仕掛けたレトロ演出」ではないのだから小湊鉄道恐るべしです。
(※その後里見駅に見物に行きこちらをご覧下さい。)
 五井も相変わらず浮世離れした美しさを見せ文句のつけようがありません。


 その五井駅の掲示類はゴルフ場に放射線量測定会に、バブル期にその後になんだかなあな時代の流れをよく表すものを見るといよいよマイペースの小湊鉄道がステキに感じられます。


 そういえば小湊鉄道の気動車キハ200形は最終増備が1977年、爆発した福島第一原発の1号機は1971年運転開始だそうですから懐かしいイメージのキハ200(の一部)より未来っぽいイメージを前面に出してPRされる原発の方が古いわけで意外だと勝手に感心しました。してみるとイメージというのはいい加減なものですね。

 五井から都内への帰りは新宿行き高速バスにしました。現金だと1500円のところスイカやパスモ利用だと1200円となぜか大幅に割引されます。このバスはアクアライン経由ではなく東関道・湾岸経由です。出発が横浜からアクアライン経由だったのでこれで東京湾奥部を一周したことになります。


 というわけで乗りに行って来て圏央道にターミナルにと房総半島の中距離バスの勢いに改めて感心しました。反面「房総夏ダイヤ」が時刻表に載った時代も遠くなり鉄道の沈滞ムードを感じますし一般路線バスも厳しいでしょうから5年、10年後がどうなっているか想像がつきません。まずは市原鶴舞バスターミナル周辺が例えばバスが盛んな韓国辺りのバスターミナル周辺のように発展していたらいいのになどと想像してみたりです。
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平和交通の成田空港バス

2012-10-05 | 千葉県
 先月東京駅→成田空港800円というキャンペーン運賃で京成グループのバス(東京シャトル)に乗りました。
(その時の話はこちらをご覧下さい。)
 このキャンペーン運賃は今月から東京側発900円・成田側発1000円と若干値上げされています。東京駅~成田空港間には「平和交通」の路線「THEアクセス成田」もあり、こちらは(正規)運賃が1000円ですから成田空港→東京駅は同額ということになりました。

 今月も成田空港を使う機会があり、それなら今度は平和交通に乗ってみよう、という単純な発想にももちろんなるのですが、改めて両者を考えてみると京成グループの正規運賃が「1ヶ月前までに予約1000円→前日までに予約1500円→当日2000円」という段階別である点が引っかかります。まずは両者共存共栄で「いつでも1000円」状態が続いて欲しいからやっぱ両方に乗らねば、と平和交通を使った話が以下です。

 今回は成田空港第1ターミナルから乗りました。ここでは京成グループ・平和交通どちらも同じ停留所(31番)に停車します。オレンジのおなじみリムジンバスをはじめとする各社の乗り場からはちょっと離れた一番端にあり、やや場末感というか隅に追いやられた感があって新参路線らしい雰囲気(?)です。それはともかくあいにく雨天で、大き目の荷物を持って待っていると屋根が小さく風が吹くと雨が吹き込んでくるのには閉口しました。


 第2ターミナルを先に経由してから到着したバスはまだ新しく、トイレつきで一般席42+補助席8=全50席です。トイレが無く一般席45+補助席10=全55席の京成グループ側にくらべるとゆとりがあります。


 出発すると先月乗った東京発の京成グループ側が京葉道路経由だったのに対しこちらは東関東自動車道経由と経路が違いました。渋滞もなく順調に東京駅、さらに終点の銀座駅(数寄屋橋)に到着し、これで1000円はやっぱりおトクだとしみじみ思います。


 ちなみにこの平和交通側は10月10日から増便され予約も可能になるとあり、対する京成グループも来年の3月末までキャンペーン運賃続行とのことです。
 というわけなのでとりあえずは結構な流れですが、どうせなら共同運行化あるいは東京駅の停留所の統一だけでも行うとかして「東京駅~成田空港間の1000円バス:30分毎」をうたえる状況にできないものかと欲が出てきてしまいます。
 そんなことを考えてしまうのは例えば上で画像を貼った同じ停留所を使う第1ターミナル発の時刻がほぼそうなっているからで、ちょっと並べてみます。
★THEアクセス成田(10月10日改正後)
7:10 8:10 9:10 10:10 10:30 11:10 12:10 13:10 14:10 14:30 15:10 16:10 17:10 18:10 18:50 19:10 20:10 21:10 21:30 22:10 22:50 23:10 23:25
★東京シャトル
7:40 8:40 9:40 10:40 11:40 12:40 13:40 14:40 15:40 16:40 17:40 18:40 19:40 20:40 21:40 22:40

 こんな具合に競争の構図にありながら既に成田空港側では「バス停に行けば30分毎に1000円バスが出ている」状況になっているというわけです。だったら東京駅側も統一されれば「成田空港に行くときはとりあえず東京駅の『あそこ』に行く」みたいな感覚もできてきそうですし、あるいは不慣れな一見さんの外国人旅行者でも使いやすくなるでしょうからなんだかもったいない気がします。

(※2014年6月追記)その後両者は共に増便され、日中はそれぞれ東京側の発車便が毎時2本程度・成田空港発の便が20分毎と大幅に増えました。
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成田空港行き格安バス「東京シャトル」

2012-09-11 | 千葉県
 成田空港から国内・海外両方に複数のLCC(ローコストキャリア・格安航空会社)が飛ぶようになりました。飛行機が安くなると都内からの移動費用が高く感じるものですが、そこはうまくしたものでこのLCCの流れにあわせ格安のバスが走り始めています。今回はその格安バスの話です。

 成田空港行きの格安バスでまず出て来てびっくりしたのがツアーバス形式の「スーパーシャトル」で、2010年12月に上野・浅草~成田空港間1000円で登場しました。

 翌年2月には早くも撤退し乗る機会はなく見るだけに終わり1度くらいは乗っておけばよかったと思ったものです。便数が1日4往復と少なく上野なら京成の一般特急もあるので仕方ない感じではありますけれども。


 それから1年以上空いた今年の7月3日に今度は路線バスの格安バスが(東雲車庫~)東京駅~成田空港間を走り始めました。京成グループの京成バス成田空港交通京成バスシステムが共同運行する「東京シャトル」という愛称の路線です。先日国内線LCCを利用する機会があったのでそれにあわせて乗ってみました。

 この東京シャトルの運賃は複雑で、以下のように乗る時間が近づくにつれ3段階に運賃が上がっていきます。
(1)乗車1ヶ月前までに予約購入1000円→(2)乗車前日までに予約購入1500円→(3)当日購入2000円
 こんなところはLCCというか飛行機のキップみたいですね。ただし今月までは「デビュープライス」と銘打った登場記念割引をしていて予約の有無に関係なく800円です。さらに10月から来年3月末までは「粋割」と称し東京側乗車900円・成田側乗車1000円(これも予約の有無に関わらず適用)の割引運賃というので当分は「飛び乗り」でも安い価格で乗れることになります。

 東京駅のバス停は八重洲口側にある京成3番乗り場で、八重洲地下街の16番出口を出て少々直進するとすぐです。大きめの看板には「LCC」の文字があり狙いをはっきりアピールしています。千葉県の各方面に向かう他のバスと共用なのでそちらを待つ乗客も並びやや手狭な感じです。

 バス停にはちゃんと係員の方が1人いて荷物に札をつけたり列の整理と大忙しでした。このバスは座席指定はなく、まず予約をしている乗客が先着順に乗り終わってから飛び込みの乗客が先着順で乗り込むという順番なので列の整理が必要というわけです。バス停前にタクシーで乗り付ける人が何度か来たりとなかなかの盛況ぶりでした。

 発車時刻(14:00)の5分前にLCCの文字が見える新しいバスがやって来ます。


 東京側の起点は東京駅ではなく一つ手前の東雲車庫なのですがそこからの乗客の姿はありませんでした。


 数えてみると予約24人飛び込み17人となかなかの盛況ぶりです。車両は一般席45+補助席10=全55席ですから補助席を使う手前までかなり埋まったことになります。発車すると宝町から首都高に入って京葉道路→宮野木JCT→東関東自動車道という経路です。成田空港の入口で乗客の身分証明書チェックがあるのでこれに2、3分かかったのち第2ターミナル北に到着します。幸い渋滞につかまらずほぼ定時の15:02着(時刻表上は15:00)で、ここで下車しました。このあと第2ターミナル南を経由し終点の第1ターミナルに向かうバスを見送ります。

 車内にトイレはないものの1時間程度の乗車では特に問題もなくまずはごく普通の中距離高速バスという感じですが、このバスで「夜行便」があるのでその場合はちょっときつそうです。(夜行便は東京駅深夜1:30発第2ターミナル北4:30着・途中PAで時間調整)とは言えそんな便を出す積極的な姿勢は大したものですね。

 ついでと言ってはなんですが東京駅~成田空港間では平和交通も8月10日から格安バス「THEアクセス成田」を運行しているのでふれておきます。こちらは銀座を起点に東京駅八重洲口を経由し成田空港に向かうもので事前予約制度はないとのことです。京成側が割引運賃を続けているのはひょっとしてこの平和交通参入のせいではないかと勘ぐってみたりもしますが、とすると平和交通の方にも乗って応援した方がいいのかもと思ったりもします。
 またやはり東京駅~成田空港間に路線を持つ古株のリムジンバス(東京空港交通・同区間3000円)は何か対抗策を打ってくるのか棲み分けに徹するのか、各社の今後が気になるところです。
※その後平和交通のバスにも乗りました。その話はこちらです。

(おまけ)
 成田空港内に掲示されたバス案内リストは東京駅行きが複数あるのに運行会社名が書いてないのでちょっとわかりにくい感じでした。
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