なぜかこのところ伊豆・箱根方面に引っ張られています。箱根、下田と続き今度はちょっと西側に行きたくなりました。
そこで目をつけたのが伊豆半島の北西に位置する沼津市の大瀬崎というところです。(大瀬の読みは「おせ」・最寄バス停は「大瀬岬」)地図を見ると伊豆半島の「肩」のように出っ張った形が何となくそそられます。さらに沼津駅~大瀬岬間にはバス、沼津港~大瀬崎間には渡船があり往復で違う経路をとることができるので行ってみることにしました。
(沼津港~大瀬間の航路は7月中旬から8月までの季節運航なので乗る前に運航日・時刻の確認が必須。運航する千鳥観光汽船公式サイトはこちら。)
同じ方面が続くといっても毎回日帰りなのでまた都内にある自宅から出直しです。沼津まで東海道線や新幹線ではつまらないし、小田急の特急「あさぎり」は御殿場止まりになっちゃったし、ということで高速バスにしてみました。
沼津行きの高速バスが出るのは新宿・渋谷・東京(駅)ですが、そうしたターミナル駅から乗るのも芸がないと東名高速上にある江田バス停からにしたらこれが失敗です。最寄駅の東急田園都市線あざみ野から江田バス停まではせいぜい10分くらいとは言え炎天下歩くと結構うんざりしました。江田駅のすぐ近くに作るとかもう少し高速バスと鉄道の連携を進められないものかと思ってしまいます。
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着いた江田バス停は住宅地から取り付いた路肩にある地味なものですが、近くは神奈川・静岡方面、遠くは名古屋・大阪まで行くバスが停まりますからなめてはいけません。
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名古屋や大阪といった行き先を見ると思わず乗りたくなってしまいますけれどさすがに衝動乗りには踏み切れません。この心境はどことなく地味な駅で長距離列車を見るときと似ています。そんな「大物」バスをやり過ごしたあとに富士急シティバスの沼津行きがやってきました。
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空気が悪く暑い高速道路の脇から涼しい車内に入るとホッとします。乗ってしまえばごくお馴染みの東名高速を1時間くらい下って裾野ICに達し、そこから一般道に入って約30分で沼津駅北口に着きました。
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とりあえずありがちなショッピングモールが目立つロータリーに降り立つと見慣れぬバスが見えます。あれこんな色のバスあったっけ、とよく見たら伊豆箱根バスでした。2008年にバス事業80周年を記念して昔の塗装のバスを登場させたとのことです。そのことに気づかなかったくらいこの辺りに来ることがなかったのがバレますが。
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沼津港行きのバスはこの北口からではなく南口発着です。なので南に行こうと思ったらなんと自由通路がありません。沼津駅では何度か降りているものの南北を「駅の外側から」行き来するということがなかったため初めて気づきました。通り抜けのために入場券買うのもくやしいので道を聞き、駅の西側にある「あまねガード(西周にちなむのだとか)」まで遠回りします。台湾の嘉義とか宜蘭みたいにタダで通す工夫があってもいいのになあと思ってしまいました。
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沼津駅は高架計画があるとかで、壁面に描かれた高架工事完成後の予想図を見ると今は沼津まで来なくなった特急「あさぎり」の小田急RSEらしき姿がありびっくりです。実現しない図になってしまいましたね。
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南口に出るとバスはいよいよ色とりどりです。箱根登山バスが東海バスとくっついてできた沼津登山東海バスは塗装がそれを表すようなデザインなので遊び心というか判じ物っぽいので面白く感じます。伊豆箱根バスのライオンズカラーを改めてみると北口で見た旧塗装車より野暮ったい気がしてきました。
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富士急バスターミナル前の交差点に立つと渋い富士急はもちろん「青い箱根登山バス色の」沼津登山東海バスに「東海バス色の」沼津登山東海バスに、と色々やって来るややこしくも面白い過渡期らしい状況です。
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そんなバス見物を挟みつつ沼津港行きの沼津登山東海バスに乗って10分ちょっとで沼津港に到着しました。
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まず乗る船の状況をチェックします。降りた停留所の向かいにある「ひものセンター」内に大瀬崎行き(千鳥観光汽船)の券売所があり、ひものセンターを抜けた側の港の一角が乗船所です。
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沼津港には食堂や海産物の売店が多数集まり観光地になっていますが、今回はそちらよりも乗り物がらみのものを見物します。
東京方面と沼津港の間には直通する高速バスもあるのですがこのときは1日1往復で時間が合わせられず使えませんでした。
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その貴重な(?)京王バスが曲がっている角(千本港町交差点)を見るとかつて沼津駅から伸びていた貨物線「蛇松線」を記念する説明板が設置され歩道にレールが埋め込まれています。
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近くには沼津駅の駅弁でお馴染み「桃中軒」の工場がありました。これも一応鉄道関係つまり乗り物がらみと言えそうです。
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という具合に時間をつぶしていたら大瀬から船がやって来ました。ちゃんと行先表示もあります。旅客定員は椅子席24名・立席32名・合計56名とのことです。
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出航するとまず「びゅうお」という名の水門をくぐります。ここには展望台が併設され観光施設になっているほか、津波のときの避難場所でもあるそうです。港のお店の方が「いざというときあそこまで走って階段登り終わるまでに間に合うのかなあ」なんて笑っていましたが、万一のときはとにかく急ぐしかありませんね。
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水門を出て東を見ると伊豆半島の西海岸が結構遠くに見えます。帰りはその海岸線を走るバスに乗る予定なのですが、あんなに遠回りするのかとびっくりしました。この洋上をショートカットする航路が30分強の所要時間なのに対しバスは(沼津側は港ではなく駅ですが)81分かかるのもむべなるかなです。
この航路は晴れていれば北側に富士山がよく見えるはずなのですが曇っていて見えませんでした。ただ曇った方が日差しが弱まるので助かる面もありますが。少々の水しぶきを浴びつつ短い船旅を楽しみます。
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大瀬崎に到着しました。逆光の沼津港であわてて乗ったため船の姿がよく見えませんでしたが、改めて見るとなかなか浮かれた柄の船体です。
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乗り物目当てで来ていて復路は乗りバスになりますが、せっかく来たので少々大瀬を見物することにしました。
(後編に続きます。)
そこで目をつけたのが伊豆半島の北西に位置する沼津市の大瀬崎というところです。(大瀬の読みは「おせ」・最寄バス停は「大瀬岬」)地図を見ると伊豆半島の「肩」のように出っ張った形が何となくそそられます。さらに沼津駅~大瀬岬間にはバス、沼津港~大瀬崎間には渡船があり往復で違う経路をとることができるので行ってみることにしました。
(沼津港~大瀬間の航路は7月中旬から8月までの季節運航なので乗る前に運航日・時刻の確認が必須。運航する千鳥観光汽船公式サイトはこちら。)
同じ方面が続くといっても毎回日帰りなのでまた都内にある自宅から出直しです。沼津まで東海道線や新幹線ではつまらないし、小田急の特急「あさぎり」は御殿場止まりになっちゃったし、ということで高速バスにしてみました。
沼津行きの高速バスが出るのは新宿・渋谷・東京(駅)ですが、そうしたターミナル駅から乗るのも芸がないと東名高速上にある江田バス停からにしたらこれが失敗です。最寄駅の東急田園都市線あざみ野から江田バス停まではせいぜい10分くらいとは言え炎天下歩くと結構うんざりしました。江田駅のすぐ近くに作るとかもう少し高速バスと鉄道の連携を進められないものかと思ってしまいます。
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着いた江田バス停は住宅地から取り付いた路肩にある地味なものですが、近くは神奈川・静岡方面、遠くは名古屋・大阪まで行くバスが停まりますからなめてはいけません。
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名古屋や大阪といった行き先を見ると思わず乗りたくなってしまいますけれどさすがに衝動乗りには踏み切れません。この心境はどことなく地味な駅で長距離列車を見るときと似ています。そんな「大物」バスをやり過ごしたあとに富士急シティバスの沼津行きがやってきました。
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空気が悪く暑い高速道路の脇から涼しい車内に入るとホッとします。乗ってしまえばごくお馴染みの東名高速を1時間くらい下って裾野ICに達し、そこから一般道に入って約30分で沼津駅北口に着きました。
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とりあえずありがちなショッピングモールが目立つロータリーに降り立つと見慣れぬバスが見えます。あれこんな色のバスあったっけ、とよく見たら伊豆箱根バスでした。2008年にバス事業80周年を記念して昔の塗装のバスを登場させたとのことです。そのことに気づかなかったくらいこの辺りに来ることがなかったのがバレますが。
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沼津港行きのバスはこの北口からではなく南口発着です。なので南に行こうと思ったらなんと自由通路がありません。沼津駅では何度か降りているものの南北を「駅の外側から」行き来するということがなかったため初めて気づきました。通り抜けのために入場券買うのもくやしいので道を聞き、駅の西側にある「あまねガード(西周にちなむのだとか)」まで遠回りします。台湾の嘉義とか宜蘭みたいにタダで通す工夫があってもいいのになあと思ってしまいました。
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沼津駅は高架計画があるとかで、壁面に描かれた高架工事完成後の予想図を見ると今は沼津まで来なくなった特急「あさぎり」の小田急RSEらしき姿がありびっくりです。実現しない図になってしまいましたね。
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南口に出るとバスはいよいよ色とりどりです。箱根登山バスが東海バスとくっついてできた沼津登山東海バスは塗装がそれを表すようなデザインなので遊び心というか判じ物っぽいので面白く感じます。伊豆箱根バスのライオンズカラーを改めてみると北口で見た旧塗装車より野暮ったい気がしてきました。
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富士急バスターミナル前の交差点に立つと渋い富士急はもちろん「青い箱根登山バス色の」沼津登山東海バスに「東海バス色の」沼津登山東海バスに、と色々やって来るややこしくも面白い過渡期らしい状況です。
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そんなバス見物を挟みつつ沼津港行きの沼津登山東海バスに乗って10分ちょっとで沼津港に到着しました。
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まず乗る船の状況をチェックします。降りた停留所の向かいにある「ひものセンター」内に大瀬崎行き(千鳥観光汽船)の券売所があり、ひものセンターを抜けた側の港の一角が乗船所です。
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沼津港には食堂や海産物の売店が多数集まり観光地になっていますが、今回はそちらよりも乗り物がらみのものを見物します。
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その貴重な(?)京王バスが曲がっている角(千本港町交差点)を見るとかつて沼津駅から伸びていた貨物線「蛇松線」を記念する説明板が設置され歩道にレールが埋め込まれています。
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この航路は晴れていれば北側に富士山がよく見えるはずなのですが曇っていて見えませんでした。ただ曇った方が日差しが弱まるので助かる面もありますが。少々の水しぶきを浴びつつ短い船旅を楽しみます。
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大瀬崎に到着しました。逆光の沼津港であわてて乗ったため船の姿がよく見えませんでしたが、改めて見るとなかなか浮かれた柄の船体です。
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乗り物目当てで来ていて復路は乗りバスになりますが、せっかく来たので少々大瀬を見物することにしました。
(後編に続きます。)