乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

成田空港行き格安バス「東京シャトル」

2012-09-11 | 千葉県
 成田空港から国内・海外両方に複数のLCC(ローコストキャリア・格安航空会社)が飛ぶようになりました。飛行機が安くなると都内からの移動費用が高く感じるものですが、そこはうまくしたものでこのLCCの流れにあわせ格安のバスが走り始めています。今回はその格安バスの話です。

 成田空港行きの格安バスでまず出て来てびっくりしたのがツアーバス形式の「スーパーシャトル」で、2010年12月に上野・浅草~成田空港間1000円で登場しました。

 翌年2月には早くも撤退し乗る機会はなく見るだけに終わり1度くらいは乗っておけばよかったと思ったものです。便数が1日4往復と少なく上野なら京成の一般特急もあるので仕方ない感じではありますけれども。


 それから1年以上空いた今年の7月3日に今度は路線バスの格安バスが(東雲車庫~)東京駅~成田空港間を走り始めました。京成グループの京成バス成田空港交通京成バスシステムが共同運行する「東京シャトル」という愛称の路線です。先日国内線LCCを利用する機会があったのでそれにあわせて乗ってみました。

 この東京シャトルの運賃は複雑で、以下のように乗る時間が近づくにつれ3段階に運賃が上がっていきます。
(1)乗車1ヶ月前までに予約購入1000円→(2)乗車前日までに予約購入1500円→(3)当日購入2000円
 こんなところはLCCというか飛行機のキップみたいですね。ただし今月までは「デビュープライス」と銘打った登場記念割引をしていて予約の有無に関係なく800円です。さらに10月から来年3月末までは「粋割」と称し東京側乗車900円・成田側乗車1000円(これも予約の有無に関わらず適用)の割引運賃というので当分は「飛び乗り」でも安い価格で乗れることになります。

 東京駅のバス停は八重洲口側にある京成3番乗り場で、八重洲地下街の16番出口を出て少々直進するとすぐです。大きめの看板には「LCC」の文字があり狙いをはっきりアピールしています。千葉県の各方面に向かう他のバスと共用なのでそちらを待つ乗客も並びやや手狭な感じです。

 バス停にはちゃんと係員の方が1人いて荷物に札をつけたり列の整理と大忙しでした。このバスは座席指定はなく、まず予約をしている乗客が先着順に乗り終わってから飛び込みの乗客が先着順で乗り込むという順番なので列の整理が必要というわけです。バス停前にタクシーで乗り付ける人が何度か来たりとなかなかの盛況ぶりでした。

 発車時刻(14:00)の5分前にLCCの文字が見える新しいバスがやって来ます。


 東京側の起点は東京駅ではなく一つ手前の東雲車庫なのですがそこからの乗客の姿はありませんでした。


 数えてみると予約24人飛び込み17人となかなかの盛況ぶりです。車両は一般席45+補助席10=全55席ですから補助席を使う手前までかなり埋まったことになります。発車すると宝町から首都高に入って京葉道路→宮野木JCT→東関東自動車道という経路です。成田空港の入口で乗客の身分証明書チェックがあるのでこれに2、3分かかったのち第2ターミナル北に到着します。幸い渋滞につかまらずほぼ定時の15:02着(時刻表上は15:00)で、ここで下車しました。このあと第2ターミナル南を経由し終点の第1ターミナルに向かうバスを見送ります。

 車内にトイレはないものの1時間程度の乗車では特に問題もなくまずはごく普通の中距離高速バスという感じですが、このバスで「夜行便」があるのでその場合はちょっときつそうです。(夜行便は東京駅深夜1:30発第2ターミナル北4:30着・途中PAで時間調整)とは言えそんな便を出す積極的な姿勢は大したものですね。

 ついでと言ってはなんですが東京駅~成田空港間では平和交通も8月10日から格安バス「THEアクセス成田」を運行しているのでふれておきます。こちらは銀座を起点に東京駅八重洲口を経由し成田空港に向かうもので事前予約制度はないとのことです。京成側が割引運賃を続けているのはひょっとしてこの平和交通参入のせいではないかと勘ぐってみたりもしますが、とすると平和交通の方にも乗って応援した方がいいのかもと思ったりもします。
 またやはり東京駅~成田空港間に路線を持つ古株のリムジンバス(東京空港交通・同区間3000円)は何か対抗策を打ってくるのか棲み分けに徹するのか、各社の今後が気になるところです。
※その後平和交通のバスにも乗りました。その話はこちらです。

(おまけ)
 成田空港内に掲示されたバス案内リストは東京駅行きが複数あるのに運行会社名が書いてないのでちょっとわかりにくい感じでした。