乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

トッカルビと光州事件ゆかりのバス

2018-07-01 | 韓国
(前回のつづきです。)
 映画「タクシー運転手」で全羅南道順天のバスターミナルとして撮影された慶尚北道星州のバスターミナル、から金泉・大田を経由して光州松汀駅に出ました。この駅の近くにはトッカルビ(挽き肉に味をつけて焼いたハンバーグに似たもの)の店が集まる通りがあり観光名所になっているのでまず食べていくことにします。


 名所になるだけあってトッカルビ店はたくさんありどこに入るか悩みつつとりあえず看板に1978年創業とあったファジョントッカルビに入ってみました。席につくとまずおかずと豚の骨が入ったスープが出されるので骨の周りの肉を手づかみで食べスープを飲みながらトッカルビが焼けるのを待ちます。頼んだトッカルビは牛肉と豚肉を混ぜたもので葉に巻いて食べると甘めの味付けのせいかなんだかホッとしました。


 この旅行の前からずっとトッカルビ食べたくなっていたのでここではハシゴをすることにし、続けて1976年創業と看板にあった松汀トッカルビに入ります。ここはファジョントッカルビの1人前12000wより少し高い13000wだからかおかずの品数が多く、味付けは全般にいくらかあっさりめあるいは上品めという印象です。2回食べたらさすがに満腹で3軒目は無理でしたが多くの店が並んでいるのを見たら別の店も味見したくなりました。2軒だけでも味付けが違い値段も横並びでなかったところをみると他の店もそれぞれに特徴がありそうです。


 さて光州旅行を考えたそもそもの動機は映画「タクシー運転手」を見たからなのでトッカルビのあとは光州松汀駅~光州駅を結ぶ「シャトル列車」(乗った時の話はこちら)に乗って光州駅を経由し、光州事件(5.18民主化運動)の主要な場所旧全羅南道庁前の5.18民主広場に行きました。これはシャトル列車に乗るための遠回りで、光州松汀駅から5.18民主広場へは地下鉄に乗って文化殿堂駅で降りる方が便利です。


 広場の周りの民主の鐘閣前や旧全羅南道庁別館内の展示に映画「タクシー運転手」に出てくるタクシーのパネルが置かれているのを見ると光州にやって来たという実感が改めてわきました。近くには5.18民主化運動記録館があるので併せて観覧しておきます。


 光州というと気になっていたのが518番の市内バスです。この系統番号は光州事件を記念したもので、国立5.18民主墓地、光州駅、国立アジア文化殿堂(5.18民主広場・5.18民主化運動記録館最寄)、光州ターミナル(光州総合バスターミナル)、5.18自由公園など多くの光州事件関係の施設を経由しています。全線乗る時間はないのでちょっと乗っただけですが観光路線ではない一般路線が歴史を刻まれていることに感心しました。


 光州には民主化運動にちなんだ系統番号を持つ市内バスがもうひとつあります。1960年の4.19革命からとった419番でこれもちょっとだけ乗ってみました。こういう系統番号がついているだけあり光州での4.19革命発生地光州高校(最寄停留所名は光州高)を経由していますが、4.19革命を記録する4.19革命記念館最寄の4.19革命記念館停留所は通らないので注意が必要です。419番で4.19革命記念館に行く場合は光州高の隣の鶏林サゴリ停留所が最寄でここから歩いてもそう遠くはありません。


 という具合に光州で民主化運動を記録する施設に行ったり518、419番バスに乗るきっかけになったので改めて映画「タクシー運転手」が日本で公開されたことがありがたくなりました。
(こちらにつづきます。)