乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

千葉県最北端

2018-10-20 | 千葉県
 サンキュー千葉フリーパスを使って2日続きで千葉県の鉄道・バスに乗ったらふと千葉県の東西南北端が気になりました。
 思い出して見ると東の犬吠埼・西の洲崎・南の野島崎には行ったことがあるのに北端の関宿(野田市)だけ未踏です。東西南端は別に端を目指して行ったわけではなく観光で寄ったのが長年積み重なった結果ですが、北端は内陸で地味なので特に行く機会がないままでした。北端だけ内陸とはさすが半島の県らしいなあと改めて思ったりです。ともあれ関宿は東京から大して遠くないので思い立ったが吉日で行ってみることにしました。

 千葉県最北端に行く朝日自動車のバスは東武野田線の川間駅から出ています。かつて千葉県最北端は鉄道が通っていない関宿町だったのがいつの間にか合併で野田市内になっていて東京の近郊っぽさが増した感じですが、アーバンパークライナーができたとはいえ料金払わないと東京から直接行けない東武野田線の駅からさらにバスに乗り換えて行ったらそれなりに最果て感っぽいものが出てきました。川間駅から30分ちょっとで着いた関宿城博物館停留所は城っぽくした建物の関宿城博物館の真ん前にあります。


 関宿城博物館停留所には朝日自動車の他に野田市のコミュニティバスも来ているので2本標柱が立っていて、朝日自動車の方には親切にも「千葉県最北端のバス停です。」とあり「北緯36度6分0秒東経139度46分57秒」と緯度経度まで貼ってありました。おかげで気分が盛り上がってきます。


 単に千葉県最北端目当てで着いたので関宿城博物館におカネ払って入るのはもったいないからやめとこうかなどとも迷ったのですがせっかくだからという気持ちが勝ち見物してみたところ水運と治水の展示がなかなか面白くケチってはいけないなあと反省しました。天守に登って北を見ると利根川の先の茨城県が見えます。西には利根川から分かれた江戸川が流れ東西南北広々とした眺めです。
 関宿城博物館の敷地には千葉と茨城の県境がはしり裏手の千葉県最北端へと続いているのですが県境の目印になるものがなかなか見当たりません。せっかく最北端に観光名所があるのならもっと最北端を強調すればよさそうに思うのですが。裏手に行くと遊歩道に大きく千葉県茨城県と書かれた県境の表示があったのでとりあえずほっとします。


 遊歩道の表示からあたりをつけてこの辺に県境がのびているはずと利根川の河川敷を見るのですがどうもよく判りません。もっとも県境の最北端は利根川のどこかなので船でもないと行けませんからたぶんあの辺が千葉県最北端だろうと川面を見て思ったところでよしとします。


 千葉県最北端という目的を一応果たしたら西の江戸川側を見物することにしました。まず気になったのが関宿町長名入りの「三県鶏鳴之地」なる碑です。千葉県最北端で接するのは茨城県だけで3県境ではないのですが旧関宿町は茨城・埼玉との3県境の一角を占めていて3県境の位置はここからそう遠くないのでこういうものが作られたのでしょう。関宿町がなくなった今見るとちょっと関宿町の墓標のようにも見えたりです。この辺りから茨城県五霞町側の中の島公園に橋で渡れるので足をのばすことにします。

(※その後千葉・茨城・埼玉の3県境を見に行きました。そのときの話はこちらです。)

 中の島公園内には元総武鉄道の江戸川橋梁がありました。さらに横浜の生糸検査所引込線大岡川橋梁を経たものとかで今は江戸川に縁がある地とはいえ鉄道から遠いここで保存されているのですからなかなかすごい経歴ですね。公園の西側には利根川から分かれたばかりの江戸川の水を調整する関宿水門があり東京湾へと向かう水がざばざば流れています。


 公園内には利根川治水に使われた工事用トロッコのレールで作られたという藤棚も目につき、だいぶ大きさが違う断面のレールが組み合わされているのが気になるところです。関宿あたりは鉄道から遠い元水運の地だと思っていたら鉄道関係のモノが見られ意外でした。


 ひと回りして気が済んだら関宿城博物館停留所でまた朝日自動車のバスに乗り茨城県境町へと利根川を渡ります。終点の境町停留所は利根川の堤防のすぐ下にある折返場です。元は車庫だった場所なのでそこそこ広く結構存在感があります。辺りは寂れた雰囲気ではあるものの商店街があり境町は鉄道がないのでなんだか境町の中央駅のような感じがしました。
 境町駅と言えば東武伊勢崎線にありそこも利根川に近く最近渡船に乗りに行きましたが、駅名の由来の群馬県境町は伊勢崎市になってしまったので、茨城県の境町には駅がなく群馬県の境町駅には町がないということになります。


 境町停留所の前には船町というおそば屋さんが見えなんだか飯田線を思い出しました。ちょっと駅前食堂っぽく見えうれしいものを感じたのでここでもりそばを食べて行きます。


 利根川の堤防に上がると千葉県最北端が見え境の渡しの跡があり、ここから「高瀬舟さかい丸」という遊覧船が運行されているとのことです。ただ利根川の水位が低く運休中で堤防に上げられていましたが。水運が盛んな時代は渡船に高瀬舟に汽船と多くの船が行き来しそれこそ駅みたいなものだったでしょうが今は静かでなんだか想像もつきません。

(こちらにつづきます。)

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