上海蟹
空になった便は床へ
過去の画像から
前世紀に作品撮影で上海に通い始めた頃に驚いた事のひとつは、ローカルの店での食事のマナーだ。今もローカルの飲食店で飯を食っていると、自分の皿の横のテーブルの上が骨や殻の残飯置き場になる。これは、口から出した物は、皿に置くなという意味だ。こんなマナーなので、上海蟹を食う時は想像出来るよね。このマナーは日本人から見ると信じられないと思うが、これが当たり前だったので私もそれに従ってきた。でも、最近は若者を中心にマナーに変化が見られるようだ。
日本では箸は横置きだが、こちらでは縦置きが基本で箸を横に置く時は食べ終えたという証になる。大皿料理を取り分ける場合、自分の使っている箸で取るのが基本だが、最近は取り箸やレンゲが付いてくる店も増えた。酒はビールや紹興酒や白酒が多いが、ワインをあえて選ぶ人も増えた。ビールはあえて冷えたビールと言わなければ常温のビールが出てくる。乾杯は一度だけでなく、食事中に何度もあると思った方が良いので注意が必要。そして、呑み干した酒の空き瓶は床に放置するのだが、最近は店のスタッフに言えば空便を回収してくれる店が多い。酒の呑めない人は、その事を告げれば強要はしないが、最近の都会の若い人達は酒もタバコも飲まない人が相当増えた。
出された大皿料理は残すのが基本と言われているが、それは結婚式などに招待された場合なので、親しい人達との食事では関係ない。まぁ、細かいルールはさらにあるが、ルールなんて地域と時代に沿って変化しているので周りを見て真似すれば良い。最後に、店で食った時の勘定は誘った人か年長者が支払うので、割り勘なんて文化は中国にない。なので、次回の食事でお返しすればそれで良いのだ。
私は昔の上海料理が嫌いだった。老上海料理は、醤油ベースで甘く濃い味の料理が多かった。だが、10年以上前から上海も徐々に変化し、他都市の料理の味付けが加わり洗練されてきた。私が好きな中国料理は今も広東料理やが四川料理が好きだが、四川の激辛料理だけは気をつけた方が良いね。下手したら、次の日にケツから噴火が起きるからね。でも、食いたくなるんだよね。
☆ここで書いた事は、地元の普通の料理屋での話。