ひとりカラオケで、心ゆくまでアニメソング特撮ソングを歌いたい! その2

2017年02月12日 | 音楽
 前回(→こちら)の続き。

 「先輩、今度オレとひとりカラオケにつきあってくだいよ」。

 などという、論理学の試験なら一発不合格を食らうであろう、不可思議なお誘いをしてきたのは後輩ナミマツ君であった。

 それには深いわけがあり、歌いたいのが古いアニソン特ソンの彼にとって「ひとり」なのはいろいろと都合がいいものの、ギャラリーがいないのもそれはそれでさみしい。

 そこで、「飲み食いさすから、だまってオレの歌を聞いておいてくれ」とのお願いなのであった。

 なるほど、たしかに「ひとりカラオケ」だが、これだと「誘う」必要もあろう。それに、そんなもん会社の忘年会や女子との飲み会でやった日には、どっちらけになることが目に見えてます。

 みながモテようとスキマスイッチの「奏」を歌い上げる(東京03情報)中、ひとり『行け!行け!メガロマン』とか『宇宙鉄人キョーダイン』を熱唱してたら、そらいけません。まわりにも迷惑です。

 あー、そういわれると、その「ひとりディナーショー」につきあえるのは、オレだけかもなあ。

 不肖この私も、今はそうでもないが、子供のころはテレビっ子で、アニメや特撮は大好きだった。

 ヒーローものは『バイオマン』、アニメは『牧場の少女カトリ』で止まってるけど、それ以前なら全然大丈夫。

 古いのなら、生まれる前に放映してた『ファイヤーマン』とか、『科学忍者隊ガッチャマン』でもいける。昔はアニメの再放送とかよくやってたし、それよりなにより「教養」として知ってるものだ。

 これは、若者や女子には無理だろう。まあ、そこまで「オレでなきゃ」という条件がそろってたら、これはもう先輩としては行ってあげるしかあるまい。私も妙なところで人がいい。

 善は急げと、駅前のカラオケボックスに行きライブ開始。部屋に入るなり、ドリンクの注文もそこそこに、もう1秒でも惜しいとナミマツ君歌う歌う。その生き生きとしていること。

 そうだよなあ。女の子がいる場で『ハカイダーのテーマ』とか歌えないよなあ。『戦闘メカ ザブングル』とか。カッコイイんだけどね。

 それにしても、フライドポテト食いながら、後輩のヒーローソングを聴いてる私ってなに? 先輩の威厳は?

 って気がしないでもないが、そこはもう「酔狂エンジン」全開で声援を送る。少なくとも、聞いたこともないJポップよりは、こっちも反応しやすい。
 
 それにしても、あらためて古いアニメソングや特撮ソングを聴いていると、「わかりやすいなあ」と思う。

 歌詞は五七調。メロディーはド軍歌でド演歌。「飛ばせ鉄拳、ロケットパンチ!」「友よ見てくれ、うなる鞭」とか、プロパガンダと浪花節。

 なるほど、歌って楽しいというのはよくわかるの。


 「見たか電磁の必殺技を、怒りをこめて嵐を呼ぶぜ」

 「涙で渡る血の大河、夢見て走る死の荒野」

 「すっくと立った星雲仮面 心に星を持つ男」

 「逆巻くたてがみ怒りに燃えて、きっと地球を守るのだメガロンファイヤー!」



 なんて熱い。暑苦しい。こんな歌、今の日本の曲には存在しないよなあ。少なくとも、スキマスイッチは歌わないだろう(聴いたことないけど、たぶん)。「今日もどこかでデビルマン」ってのは、見事な日本語だよなあ。

 もちろん、合の手を入れることも大事な仕事だ。なんたって、払ってもらってるものね。

 『バトルフィーバーJ』では、「バトル・フランス」「ウイ!」。『鋼鉄ジーグ』では「おーれがやめたら」に「バンババン!」。『忍者キャプター』ではデュエットも披露。完全に「いい客」かバックバンド。

 若さってなにか? 振り向かないことらしい。愛ってなんだ? ためらわないことなんだってさ。君の青春は輝いているか? よけいなお世話や。ダガディダディ・ダガディダディ・ダダダー・ヤ・ダダ・ ギャバン! 間違いなく、天才の仕事です。ありがとうございました。

 なんて感心してる中、ナミマツ君は3時間フルで歌いまくり、ここまで歌が好きなら、いっそ「流しのヒーロソング歌手」を目指すのはどうかと真剣にアドバイスしそうになった。

 駅前で弾き語りするなら、サクラのお客ぐらいにはなってあげてもいいぞ、ナミマツ君。



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