前回(→こちら)の続き。
「先輩、今度オレとひとりカラオケにつきあってくだいよ」。
などという、論理学の試験なら一発不合格を食らうであろう、不可思議なお誘いをしてきたのは後輩ナミマツ君であった。
それには深いわけがあり、歌いたいのが古いアニソン特ソンの彼にとって「ひとり」なのはいろいろと都合がいいものの、ギャラリーがいないのもそれはそれでさみしい。
そこで、「飲み食いさすから、だまってオレの歌を聞いておいてくれ」とのお願いなのであった。
なるほど、たしかに「ひとりカラオケ」だが、これだと「誘う」必要もあろう。それに、そんなもん会社の忘年会や女子との飲み会でやった日には、どっちらけになることが目に見えてます。
みながモテようとスキマスイッチの「奏」を歌い上げる(東京03情報)中、ひとり『行け!行け!メガロマン』とか『宇宙鉄人キョーダイン』を熱唱してたら、そらいけません。まわりにも迷惑です。
あー、そういわれると、その「ひとりディナーショー」につきあえるのは、オレだけかもなあ。
不肖この私も、今はそうでもないが、子供のころはテレビっ子で、アニメや特撮は大好きだった。
ヒーローものは『バイオマン』、アニメは『牧場の少女カトリ』で止まってるけど、それ以前なら全然大丈夫。
古いのなら、生まれる前に放映してた『ファイヤーマン』とか、『科学忍者隊ガッチャマン』でもいける。昔はアニメの再放送とかよくやってたし、それよりなにより「教養」として知ってるものだ。
これは、若者や女子には無理だろう。まあ、そこまで「オレでなきゃ」という条件がそろってたら、これはもう先輩としては行ってあげるしかあるまい。私も妙なところで人がいい。
善は急げと、駅前のカラオケボックスに行きライブ開始。部屋に入るなり、ドリンクの注文もそこそこに、もう1秒でも惜しいとナミマツ君歌う歌う。その生き生きとしていること。
そうだよなあ。女の子がいる場で『ハカイダーのテーマ』とか歌えないよなあ。『戦闘メカ ザブングル』とか。カッコイイんだけどね。
それにしても、フライドポテト食いながら、後輩のヒーローソングを聴いてる私ってなに? 先輩の威厳は?
って気がしないでもないが、そこはもう「酔狂エンジン」全開で声援を送る。少なくとも、聞いたこともないJポップよりは、こっちも反応しやすい。
それにしても、あらためて古いアニメソングや特撮ソングを聴いていると、「わかりやすいなあ」と思う。
歌詞は五七調。メロディーはド軍歌でド演歌。「飛ばせ鉄拳、ロケットパンチ!」「友よ見てくれ、うなる鞭」とか、プロパガンダと浪花節。
なるほど、歌って楽しいというのはよくわかるの。
「見たか電磁の必殺技を、怒りをこめて嵐を呼ぶぜ」
「涙で渡る血の大河、夢見て走る死の荒野」
「すっくと立った星雲仮面 心に星を持つ男」
「逆巻くたてがみ怒りに燃えて、きっと地球を守るのだメガロンファイヤー!」
なんて熱い。暑苦しい。こんな歌、今の日本の曲には存在しないよなあ。少なくとも、スキマスイッチは歌わないだろう(聴いたことないけど、たぶん)。「今日もどこかでデビルマン」ってのは、見事な日本語だよなあ。
もちろん、合の手を入れることも大事な仕事だ。なんたって、払ってもらってるものね。
『バトルフィーバーJ』では、「バトル・フランス」「ウイ!」。『鋼鉄ジーグ』では「おーれがやめたら」に「バンババン!」。『忍者キャプター』ではデュエットも披露。完全に「いい客」かバックバンド。
若さってなにか? 振り向かないことらしい。愛ってなんだ? ためらわないことなんだってさ。君の青春は輝いているか? よけいなお世話や。ダガディダディ・ダガディダディ・ダダダー・ヤ・ダダ・ ギャバン! 間違いなく、天才の仕事です。ありがとうございました。
なんて感心してる中、ナミマツ君は3時間フルで歌いまくり、ここまで歌が好きなら、いっそ「流しのヒーロソング歌手」を目指すのはどうかと真剣にアドバイスしそうになった。
駅前で弾き語りするなら、サクラのお客ぐらいにはなってあげてもいいぞ、ナミマツ君。
「先輩、今度オレとひとりカラオケにつきあってくだいよ」。
などという、論理学の試験なら一発不合格を食らうであろう、不可思議なお誘いをしてきたのは後輩ナミマツ君であった。
それには深いわけがあり、歌いたいのが古いアニソン特ソンの彼にとって「ひとり」なのはいろいろと都合がいいものの、ギャラリーがいないのもそれはそれでさみしい。
そこで、「飲み食いさすから、だまってオレの歌を聞いておいてくれ」とのお願いなのであった。
なるほど、たしかに「ひとりカラオケ」だが、これだと「誘う」必要もあろう。それに、そんなもん会社の忘年会や女子との飲み会でやった日には、どっちらけになることが目に見えてます。
みながモテようとスキマスイッチの「奏」を歌い上げる(東京03情報)中、ひとり『行け!行け!メガロマン』とか『宇宙鉄人キョーダイン』を熱唱してたら、そらいけません。まわりにも迷惑です。
あー、そういわれると、その「ひとりディナーショー」につきあえるのは、オレだけかもなあ。
不肖この私も、今はそうでもないが、子供のころはテレビっ子で、アニメや特撮は大好きだった。
ヒーローものは『バイオマン』、アニメは『牧場の少女カトリ』で止まってるけど、それ以前なら全然大丈夫。
古いのなら、生まれる前に放映してた『ファイヤーマン』とか、『科学忍者隊ガッチャマン』でもいける。昔はアニメの再放送とかよくやってたし、それよりなにより「教養」として知ってるものだ。
これは、若者や女子には無理だろう。まあ、そこまで「オレでなきゃ」という条件がそろってたら、これはもう先輩としては行ってあげるしかあるまい。私も妙なところで人がいい。
善は急げと、駅前のカラオケボックスに行きライブ開始。部屋に入るなり、ドリンクの注文もそこそこに、もう1秒でも惜しいとナミマツ君歌う歌う。その生き生きとしていること。
そうだよなあ。女の子がいる場で『ハカイダーのテーマ』とか歌えないよなあ。『戦闘メカ ザブングル』とか。カッコイイんだけどね。
それにしても、フライドポテト食いながら、後輩のヒーローソングを聴いてる私ってなに? 先輩の威厳は?
って気がしないでもないが、そこはもう「酔狂エンジン」全開で声援を送る。少なくとも、聞いたこともないJポップよりは、こっちも反応しやすい。
それにしても、あらためて古いアニメソングや特撮ソングを聴いていると、「わかりやすいなあ」と思う。
歌詞は五七調。メロディーはド軍歌でド演歌。「飛ばせ鉄拳、ロケットパンチ!」「友よ見てくれ、うなる鞭」とか、プロパガンダと浪花節。
なるほど、歌って楽しいというのはよくわかるの。
「見たか電磁の必殺技を、怒りをこめて嵐を呼ぶぜ」
「涙で渡る血の大河、夢見て走る死の荒野」
「すっくと立った星雲仮面 心に星を持つ男」
「逆巻くたてがみ怒りに燃えて、きっと地球を守るのだメガロンファイヤー!」
なんて熱い。暑苦しい。こんな歌、今の日本の曲には存在しないよなあ。少なくとも、スキマスイッチは歌わないだろう(聴いたことないけど、たぶん)。「今日もどこかでデビルマン」ってのは、見事な日本語だよなあ。
もちろん、合の手を入れることも大事な仕事だ。なんたって、払ってもらってるものね。
『バトルフィーバーJ』では、「バトル・フランス」「ウイ!」。『鋼鉄ジーグ』では「おーれがやめたら」に「バンババン!」。『忍者キャプター』ではデュエットも披露。完全に「いい客」かバックバンド。
若さってなにか? 振り向かないことらしい。愛ってなんだ? ためらわないことなんだってさ。君の青春は輝いているか? よけいなお世話や。ダガディダディ・ダガディダディ・ダダダー・ヤ・ダダ・ ギャバン! 間違いなく、天才の仕事です。ありがとうございました。
なんて感心してる中、ナミマツ君は3時間フルで歌いまくり、ここまで歌が好きなら、いっそ「流しのヒーロソング歌手」を目指すのはどうかと真剣にアドバイスしそうになった。
駅前で弾き語りするなら、サクラのお客ぐらいにはなってあげてもいいぞ、ナミマツ君。