本釣亭日乗2

2022.7.22にt-cupブログの閉鎖に伴い2011.4月からの記事をこちらに引っ越してきました。

幸田文「流れる」ゆかりの柳橋を散策。(追記あり)

2018-06-05 01:16:00 | お散歩



2018.6.2(土)




前回の馬込文士村散策に続いて新潮講座オカタケ散歩に参加してきました。

本日は幸田文「流れる」ミニ読書会~柳橋散策、と題した催しです。




13:30 新潮講座神楽坂教室に集合。
    (神楽坂にある新潮社のすぐ横にある新潮社神楽坂教室にてまずは読書会。)

今回は現在も根強い人気を誇る「幸田文 こうだあや」の代表作にして処女小説である「流れる」を題材にしています。
「流れる」のあらすじは柳橋の芸者置屋に住み込みの女中として雇われた主人公の目を通して、時代の変遷に翻弄される花柳界とその人間模様を瑞々しい感性で書き上げた作品、ということができると思いますが、何と、かなりの部分は幸田文が実際に芸者置屋の女中として働いた実体験に基づいたもののようです。

言わずと知れた文豪・幸田露伴の娘にして着物の女流作家として一時代を築いた方でありますが、私も数年前から幸田文の随筆の虜になりまして・・・特に「木」(新潮文庫)に収められた「藤」などは名作!余りにも大きな父との葛藤が父の死後に幾星霜過ぎて氷解する様を描き、涙なしには読めませんでした。

因みに父・露伴は釣り好きとしても有名で「幻談」など釣り絡みの名作を多数残しました。




読書会には26名と多数の参加者が。

オカタケ氏曰く読書会は本当は「6名程度で議論を交わすのがベスト。」と仰っていますが、今回は人気の講座となりまして多数の方にお断りをした由・・・

参加に当たり「『流れる』を読んだうえ持参」という宿題がありまして、頑張って2回読み込みました。(本は線引きやらでボロボロ)

http://d.hatena.ne.jp/okatake/  ←オカタケ氏の日記。


成瀬 巳喜男 監督の「流れる」のDVDを視聴し、オカタケ氏主導での読書会。

指名制ですが色々な年代の方の考え方も聞けて面白かったです。

因みに映画の方も高峰秀子、山田五十鈴、岡田茉莉子、栗島澄子、杉村春子、田中絹代と超絶キャスト。ピックアップでの視聴でしたが、通しでぜひ観てみたいですね。




さて、第二部は電車で浅草橋へ。

柳橋の芸者置屋が多数あった地域に映画「流れる」の痕跡を見つけに・・・





昭和と平成が入り混じる。





映画に出てくるお店が今も健在。










丁度お祭りをやっていました。








往時を偲ばせる建物も残っていますが、実際に営業している店は一部のようです。

(置屋はもう無いのかな・・・)











芸者さんたちの心の拠り所だった「篠塚稲荷」。




粋な黒塀。






神田川沿いのこの道を、映画では宮口精二扮する「鋸山」が歩いてきます。

今でも船宿が点在しますが、現代の舟遊びは専ら「屋形船」。

ジーパンの方が岡崎武志氏。












これが「柳橋」。

往時には川縁に柳の木が並んでいたのでしょうか・・・






当地随一の料亭「亀清楼」建て替え工事中でした。




欄干にはかんざしのモニュメント。




両国橋を渡り振り返りざまに柳橋を見る。

ここが井之頭公園の井の頭池に端を発した神田川の終点。

ここで隅田川に合流します。





映画の冒頭で料亭が軒を連ねていた辺りも今はすっかりビル群になってしまいました。



因みに、映画の舞台になった「つたの屋」は信じられないつくりの「セット」だそうで、どこを探してもありません・・・







両国駅。




駅併設の実物大「土俵」。

相撲の町ですね。



この後駅前にて解散。


有志によるホルモン屋。

天気も良かったしビールが最高!
(ここでは非常に楽しい文学?談義が白熱。)



そして



お約束の大昭和歌謡大会。。



次回の散歩は9月「落合文士村~早稲田古本街を歩く」で、お題は岩波文庫「林芙美子随筆集」だそうです。








翌日、岡本綺堂「半七捕物帳・四」(光文社文庫)を読んでいたら偶然にも江戸時代の両国橋が登場。綺堂が書いてからも百年ほどの月日が流れています。
シンクロですね~。






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