■ 身の丈という視点
萩生田文科相「身の丈」発言。問題視され、撤回・謝罪となった。機会均等な選考を前提とする受験機会では、配慮を欠いたものであった。
しかし、仕事では身の丈という視点も欠かせない。私は、逆にこれでたくさん失敗したので、チャレンジにノリノリで突っ走るが、成果を出せず、失敗したりする部下がいる場合は参考にして欲しい。
普段の範囲を大きく超えた内容で仕事の話が舞い込んできて、売上を上げたいという思いだけで飛びつく。確かに、一時的に売上は上がるが案の定失敗。リピーターとはならず、評価は悪くなる一方。
関わっている周囲をみると、選びさえしなければ仕事につながる案件はある。関係が広く、交流が多ければ、いろいろな案件を紹介してくれる人もいるだろう。
■ 身の丈の見極め
ただ、その案件を見極めなければならない。
「自分の今の力量で、相手の求める期待を超えられるか?」
自分の今の力量とは、既存の能力だけではなく、新規のものを獲得するというプラスαの努力も含めた能力。
ただ、努力するということは簡単にイメージできる。今の仕事に関係している案件であれば、できそうな気がする。だが、やってみると薄っぺらな内容で、評価・満足度は低い。
薄っぺらな原因は、自分の力量を過大評価していること、相手の求める期待を正確に把握できていないこと。
この2つを客観的に把握して、イメージと努力をきちんと結びつけることが必要だ。
できそうな気がするのであって、できるのではない。これを見誤ると努力足ずの状態か、違った方向で努力することになる。
■ 助言指導は「絞らせる」こと
そのことを助言指導する機会、フィードバック面談を何度かもつことをお勧めする。 そのときは、
⇒質問を重ねながらポイントを絞らせていくこと
⇒イメージやアイデアが拡散しやすいので、範囲を絞らせること大きなチャレンジをやってはいけないということではない。飛躍するには挑戦をすべき。しかし、それには実力が伴っていることが前提。 身の丈をわきまえ、自分の今の力量で、相手の求める期待を超えられなければ断る、ということも普段から学ばせておく。
せっかく相手が、話をもってきてくれているのに断るなんて申し訳ないと思うが、「やります。出来ます」という気持ちだけで期待を上回れるようなことはないし、失敗して相手に迷惑をかければ関係を壊してしまうことにもつながりかねない。