読書日和

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山中伸弥教授のノーベル賞受賞と、3年前の事業仕分けについて

2012-10-10 20:18:32 | ウェブ日記
一昨日、京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。
さまざまな組織の細胞になる能力がある「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を開発したことが高く評価されての受賞でした。
山中教授は2006年、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を組み込む方法でiPS細胞を作ることに成功し、2007年には人間の皮膚細胞からのiPS細胞作製に成功しています。
iPS細胞を育てて作った体の細胞は、再生医療のほか、病気の仕組みの解明や新薬の安全性試験などに使える素材として期待され、世界中で研究が盛んになっています。
開発から6年でのノーベル賞受賞は異例の早さとのことで、いかに山中教授の研究成果が素晴らしいかを物語っています。
また日本人によるノーベル医学生理学賞の受賞は25年ぶり2人目で、日本人のノーベル賞受賞はアメリカ国籍の南部陽一郎氏を含むと19人目となります。

山中教授は記者会見で
「日本という国に支えていただいて、日の丸の教えがなければ、この素晴らしい受賞はなかったと心の底から思った。まさに日本という国が受賞した賞だと感じている」
と素晴らしいことを述べられていました。
また「喜びも非常に大きいが、同時に大きな責任を感じる。研究を続け、一日も早く応用、社会貢献を実現したい」と研究成果を一日も早く病気に苦しむ患者さんのもとへ届けるための意気込みも語られていました。
ぜひ今後も頑張って研究を進めていってほしいと思います

ところで、今から3年前の2009年秋、民主党政府の行政刷新会議による「事業仕分け」というものがありました。
この事業仕分けでなんと、山中教授をはじめとする京都大学iPS細胞研究チームの予算が自民党の麻生政権時代の150億円から50億円に、100億円も削減されていたのです
これに対し当時山中教授は記者会見を開き、「ありえないことだ。そもそも日本は科学研究費の割合が低く、海外より10年、20年遅れた劣悪な環境で研究をしている。その中で予算を削減するのは想像を絶する事態で、今後の日本がどうなるのか深く憂慮している」と事業仕分けを厳しく批判していました。




しかしあの当時はマスコミが事業仕分けを大絶賛していた時代。
山中教授のこの怒りの声はあまり多くの国民には届いていなかったと思います。
当時の事業仕分けといえば蓮舫行政刷新担当相の「2位じゃだめなんでしょうか」が印象的ですが、一番を目指して毎日頑張って研究に取り組むからこそ、山中教授のような素晴らしい研究成果が出るのだと思います。
たしかに無駄な予算を削減するのは大事ですが、こういった科学の分野の研究費を削ってしまっては日本の未来の可能性を潰えさせてしまうことに直結しますし、あってはならないことだと思います。
あの当時片っ端から見境なく予算を削減していた民主党も、それを大絶賛していたマスコミも、これは反省すべきことだと思います。
それでなくとも世界初の快挙を成し遂げた人工衛星の「はやぶさ」や蓮舫氏の「2位じゃだめなんでしょうか」に鉄槌を下すかのように見事世界1位となったスーパーコンピュータの「京」のように、確実に日本の科学分野の研究成果は出ています。
今回の山中伸弥教授のノーベル医学生理学賞の受賞で改めてこういった分野の重要性が認識されたことですし、事業仕分けで予算を削減するのではなく、日本の未来のためにも国としてどんどん援助していってほしいですね。
政権交代後、民主党によって京都大学iPS細胞研究チームの予算が100億円も削減されていたというのは本当に怒り心頭です。

それと、今まで何度も触れてきていますが、マスコミの報道姿勢。
あの当時マスコミは事業仕分けを大絶賛していましたが、結局その事業仕分けのせいで科学分野の予算が削減され、衰退の危機に直面しています。
上記の動画のように当時山中教授が事業仕分けに怒っていたということを、マスコミはきちんと報道すべきなのではと思います。
今も研究資金の調達に苦労しているのです。
民主党に都合が悪いからなのか何なのか、あの当時のことを全くなかったことのようにしているのには違和感がありますね。