しらの風景

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映画『ホテル・ルワンダ』79点。(6/2*木)

2006-06-02 | 映画大好き!
久しぶりの映画です。今日は前々から見たいと思っていた映画『ホテル・ルワンダ』を予定を合わせて友人と観てきました。この映画は公開を求めて署名運動が起こり日本での上映が決まった映画です。アフリカのルワンダという国の民族紛争を事実に基づいて作られたもので二つの対立する民族争いの大量虐殺が背景にあります。1994年に起こったこの惨劇では100日間で100万人の人が殺されてしまったそうです。遠いアフリカの地で起こったこの出来事は、当時日本でも新聞をにぎわし民族間の争いということで伝わってきましたがこうして映画で見るとこの紛争の流れや背景がわかってきます。主人公のホテルマンのポールは民族の違う奥さんを持つのでこの争いでは危険と隣り合わせ。でも家族への愛情は変わりません。その中で1200人もの人をかくまい命を救います。

この映画では白人側の黒人に対する人種差別の問題も出てきますが、日本に暮らしているとピンと来ないテーマかもしれません。しかし、日本もアイヌ民族や琉球民族の迫害の歴史をしっかりと持っています。政治的に仕組まれた罠が戦いにはいつもあるようです。そして、このルワンダの紛争は大虐殺が世界にニュースとして流れたにも関わらずそれを止める動きが国際社会では起こらなかったようです。それは介入しても儲けにならない国だったからだとか・・。世界はお金のために戦争を仕掛け、お金のためなら救うこともする。国々の動きは全部そろばんではじかれた動きだということがみえてきます。それは今日本の中でも蔓延している空気とどこか無縁ではないように思います。

正義は立場や見方、時代で簡単にひるがえってしまいます。奪い合う世界から助け合う社会へ。『この地球には多種多様なものがあるからこそ素晴らしい!』生物や民族や文化、全てに対して日頃から私はそう思っているのですがそれは甘ったるい考えなのでしょうか?人としてどう生きるのか、遠い日本に暮らす私たちですがこの映画は、遠い地の“自分たちとは関係がない人たち”の話では済まされないような映画だと思いました。