しらの風景

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映画『武士の一分』76点。(1/6*土)

2007-01-06 | 映画大好き!
お正月に観に行った映画は「武士の一分」。
「武士の一分」とは、侍が命をかけて
守らなければならない名誉や面目の意味だという。
映画「たそがれ清兵衛」がすごく好きだったので
同じ監督のシリーズなのでストーリーに期待して観に行った。

藩主のお毒味役が仕事の下級侍がキムタク演じる主人公・三村新之丞。
キムタクが演じているというので話題になっていたが
カツラ姿が似合わな~い!と最初の出だしから私は役者に入り込めず。
中盤でこの三村新之丞の目が見えなくなってから、
やっと役者として観ることができた。
この映画は夫婦役二人の演技がほとんどだったので
二人の配役でかなり良し悪しが左右すると思う。
そういう意味では、私としては今いちの感触だった。

その中で面白かったのは、この時代の生活背景やお毒味役の背景。
質素な家の中、ものを持たない生活。
もののない生活の中でこそ、精神は生きるのかもしれない。
今の社会では、ニュースを見ていても公益の立場にありながら
私利私欲に走る人が多いと感じるので
日本人の持っていたこの誇りはどこに行ってしまった?
と問いかけるような映画だったかもしれない。

孤独な主人公のそばで、ひたすら仕え生きようとする
妻の姿は,男性にとっては理想の奥さん像だろうな。
ただ、その主人公の魅力がもう少し描かれていたらよかったのに
主人公に注がれる愛情の根本が何なのかは
描ききれていなかったように思う。
主人公たちに仕える脇役・徳平役の笹野高史の演技が絶品だった。