応援医師が3月いっぱいで来れなくなって、交代で金曜日の新患外来をやっている。今日は連休前のためか、いつもより受診数が多かった。
70歳台前半の女性。後頸部重苦感があり、両側の前額部も圧迫感があるという。2か月前に夫がくも膜下出血で急死したそうだ。寝ていると思って、しばらく様子をみていたのが、悔やまれると言う。話をしているうちに涙ぐんでしまう。ふだんは発作性心房細動と高血圧症で循環器科の外来に通院している。以前からパキシル少量が処方されていて、もともと心気症傾向がある人らしい。1か月前から睡眠薬(マイスリー)も追加になっている。希望で頭部CT検査をしたが、異常はなかった。異常がないと伝えると、喜んでいた。頭部CT検査自体が、安定剤のように働いたことになる。まだ気持ちが落ち着かないのは当然なので、時間が経つのを待つようにと話した。
やはり70歳台前半の女性。1~2か月前からかぜ症状が出たり治ったり繰り返しているという。かぜとはいえないような、さまざまな症状を訴える。とりとめのない話だなと思って聞いていると、認知症が心配という。近く息子夫婦と同居することになっていて、認知症になると迷惑をかけるので、認知症があるかどうか検査して、認知症なら治療したいという。物忘れがあるというが、生理的な範囲内のようだ。この方も希望で頭部MRIを予約した。認知症の診断は画像も参考にはするが、認知力の評価で診断すると伝えたところ、認知症のテストも希望した。やるまでもなく大丈夫だと思うが。