なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性腎盂腎炎で入院

2013年05月25日 | Weblog

 一人暮らしの81歳女性が昨夜発熱・体動困難で救急外来を受診した。昨日はデイサービスに行く日だった。いつもは自宅前で施設の送迎車をまっているのに、その日はいなかったそうだ。施設職員が自宅に入ってみると、倒れていたらしい。話はできたので、そのままデイサービスに連れて行った。施設で様子をみていたが、発熱・体動困難は変わらず、午後8時前に病院に連れてきた。

 当直の整形外科医から電話がきたのは午前0時前だった。内科で入院させたいという。肺炎はなく、頭部CTは異常ないという報告だった。白血球増加11000でCRPが30と炎症反応が上昇していた。血圧は問題なかった。尿路感染症が疑われるので、尿培養の提出と点滴・抗菌薬(セフトリアキソン)の投与を依頼した。

 朝病棟に電話すると、解熱して食事もとれるという。今日の点滴指示を出した。当直なので、午後早目の時間に病院に来た。尿所見はあまり混濁を認めなかった。胸腹部CTを見ると、右腎臓が左に比べて腫脹して、辺縁が毛羽立っている。腎周囲脂肪織にdirty fat signがある。右肋骨脊椎角に叩打痛があった。急性腎盂腎炎でよいと判断した。尿路閉塞をきたす病変はなかった。セフトリアキソンを継続することにした。

 内科クリニックに高血圧症などで通院しているが、今回血糖が高く、HbA1cが7.6%と糖尿病があった。ますはヒューマリンR (スライディンングスケール)で経過をみて、週明けからはDPPⅣ阻害剤で投与を開始することにした。

 それにしても、連れて行ってそのまま様子をみていた施設はどうするつもりだったのだろう。普通はすぐに病院に連れてくるものだが。

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