土曜日の当直は紹介器科の若い先生だった。60歳台男性が下腹部痛で翌朝、つまり日曜日の早朝に受診した。腹部X線で遊離ガスを横隔膜下に認めた。消化管穿孔だった。腹部CTで遊離ガスが確認されたが、消化管のどこに穿孔が起きているかは指摘できなかった。S状結腸に多発性に憩室があり、腹痛の部位からはその憩室のどれかが穿孔したと推定された。外科の当直医は初めて当院に来た大学病院の大学院生だったが、消化器科で経過をみるようにという意見だったそうだ。赴任したばかりの消化器科医は外科常勤に直接連絡するのもためらわれて、消化器科に入院となった。入院させた後、当直疲れで、いったん寝てしまった。
その間に、たまたま別の患者さんを見に病棟にきた外科のトップの先生に看護師さん(以前外科病棟にいた若い男性看護師)から、こんな患者さんが入院しましたと報告された。さっそく診察して、S状結大腸穿孔の腹膜炎として緊急手術になった。よかったよかったというか、危なかった。