火曜日にCOVID-19の51歳女性が保健所に依頼で入院した。前日から高熱があり、その日は酸素飽和度が90%未満になっていた。
地域の基幹病院は感染病棟が満床だったので、はたして当院で対応できるのかと思ったが、受けることにした。知的障害があるが、身体的な問題はそれほどないらしい。
てんかん専門病院から抗てんかん薬3種類と抗精神薬3種類が処方されている。施設に問い合わせると、最近特にけいれん発作はないそうだ。
胸部CTで両側肺野に淡いすりガラス陰影が広がっていた。放射線科の読影レポートではconsistnet withとなっていた。あのいかにもコロナのという陰影ではない。
血液検査で、白血球12200・CRP12.6とCOVID-19としては上昇していた。重症化指標の血清フェリチンが1372と上昇している。酸素吸入2L/分として、レムデシビル点滴静注を開始した。
咽頭痛など自覚症状を伝えられない可能性がある。客観的に把握できる発熱の発症からは2日目になる。病状の進行が危惧された。
夜間に酸素吸入量が増加して、水曜日の朝には4L/分になっていた。午前11時ごろに感染病棟に入ったが、酸素飽和度は92%と下がっている。5L/分で96%となった。
そのまま当院で診るのは無理と判断した。基幹病院ではその日の午前中に3名退院して、感染病棟に少し余裕ができる。保健所に連絡して、高次医療機関への転院が必要と伝えた。午後に基幹病院へ転院が決まった。
抗てんかん薬の内服ができなくなると、点滴静注薬へ切り替えなければならなくなる。てんかん専門医もいらっしゃるので、何とかするのだろう。
同じく火曜日に入院したCOVID-19の42歳男性も、胸部X線で両下肺野に肺炎像(すりガラス陰影)があった。若いが脳出血後遺症で左半身麻痺がある。発熱と呼吸苦を訴えて、入院となった。
こちらは咽頭痛がひどく、食事摂取ができないくらいだったが、酸素飽和度は正常域だった。レムデシビルを点滴静注して、水曜日には咽頭痛が軽減して少し食べられるようになった。呼吸苦があったので、酸素吸入1~2L/分にしていたが、それも中止できた。
この患者さんのすりガラス陰影も、胸膜直下ではなく、下肺野のもやもやした陰影だった。放射線科の読影レポート(同じ先生)ではやはり、consistent withだった。