8月28日日曜日の日直の時に、咳が続いて食欲低下した95歳男性が受診した。8月18日に施設にデイサービスに行ったが、施設内でCOVID-19の発症者が出て、濃厚接触者として自宅待機していたそうだ。
自宅待機は8月23日に解除になり、25日というのが正確ならば7日目の症状となる。自宅内でCOVID-19罹患者はいない。
体温は36℃台だったが、発熱外来扱いとして規定の時刻に病院に来てもらって、コロナの抗原定性試験を行った(発熱外来は受診者が多いのでPCRはしていない)。結果は陽性だった。
酸素飽和度は96%で、車の後部座席に座っていたが、特に呼吸困難もない。当院のCOVID-19の入院は、何か特別なことがなければ平日に限定している(人手の問題。地域の基幹病院が対応してくれる。)。ラゲブリオ内服を処方した。保健所に発生届けを提出して、指示待ちとした。
翌日の月曜日に保健所からCOVID-19患者外来アセスメントの依頼が2件あり、93歳男性と95歳男性だった。前者はアセスメント後に療養施設入所予定だった。肺気腫はあるが、肺炎像はなく、酸素飽和度の低下もなかった。年齢の割に動きもよく、軽症相当として、そのまま施設療養可能とした。
後者は日曜日に受診した患者さんで、保健所では外来アセスメント後の指示がなかった。もともと、右腎癌があり、経過観察となっていた。保健所としては、超高齢で担癌患者で食欲低下しているので、入院相当と考えているようだ。
発熱はなく、酸素飽和度低下の有意な低下はなかったが、胸部CTで両側肺下肺野背側に陰影があるかもしれない。軽度の胸水貯留は以前からある。右腎癌は2月の検査より若干増大していた。
細菌性肺炎併発による悪化の可能性もあり、感染病棟が1床空いていたので入院とした。
忽那先生のYahoo newsによれば、濃厚接触者の待機期間が5日に短縮されたが、17%は6日目以降に発症する。医学的な根拠はなく、労働者確保のための恣意的な決定なのだろう。
濃厚接触者の待機期間が7日から5日に短縮
オミクロンでも約17%は6日目以降に発症