なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

若いCOVID-19患者の救急搬入

2022年08月18日 | Weblog

 月曜日の午後にCOVID-19と診断された24歳男性が救急搬入された。

 別の病院のリハビリスタッフだった。その日発熱があり、病院でCOVID-19 と診断されていた(おそらく抗原定性試験)。担当した患者さんが罹患していた、と言っていたが詳細は不明。

 帰宅したが、40℃の発熱があり、過呼吸となって両手指のしびれ・こわばりがあった。診断されているので、救急隊から保健所に連絡がいったようだ。

 保健所の返事は、「救急搬送しなくてもよい、家族の車で病院を受診させてくれ」だった。それだと、時間外の受診になる時間帯になるだけで、何の変りもない。そのまま救急隊に搬入してもらうことにした。

 発熱患者さん用の部屋があるが、その隣に外来扱いのCOVID-19患者用の部屋(もともとは院内の理髪店)を作っていて、簡易的な陰圧装置(テント)がついている。

 会話は可能で過呼吸は治まって来ていたが、両手指はまだしびれるという。点滴とアセリオ注1000mg(発熱では500mgだが、1000mgにした)を行った。

 COVID-19の外来アセスメントに準じて検査を行った。呼吸困難感はあるが、酸素飽和度は正常域で胸部CTで肺炎像なかった(放射線科はすぐ隣にある)。血液検査では軽度の炎症反応上昇くらいで、問題はなかった。

 1本目の点滴が終わるころには帰れそうだった。駐車場にいた母親に、症状は軽減して帰宅とするが、もう1本点滴をするので、2時間後に迎えに来てほしいと伝えた。

 

 火曜日も発熱(38℃)と呼吸困難感を訴える30歳男性が救急搬入された。発熱外来担当の内科の別の先生が診て、抗原定性試験陽性でCOVID-19と診断された。

 酸素飽和度は正常域で、やはり外来アセスメントに準じて検査をして、肺炎はなく、炎症反応の軽度上昇のみだった。外来での点滴で帰宅として、保健所の指示待ちとされた。午後5時過ぎの搬入だったので、担当した先生は時間外まで診療していた。

 

 若いCOVID-19の患者さんが時々救急搬入されてくるが、発熱に加えて、呼吸困難感を訴えたり(酸素飽和度は正常域)、過呼吸になっての救急要請だった。

 保健所は数の限られた感染病棟を高齢者で使用したいので、若いCOVID-19の患者さんには関心がない(ようにみえる)。若い人は解熱剤で経過をみればいいじゃないか、と思っているようだ。

 

 上記の2名は地域の基幹病院の近くの方たちだが、そちらでは発熱の救急を受けたがらないようだ。重症疾患対応の病院なので、COVID-19 の患者さんが集中しても困るが(周囲の病院から搬送できなくなる)。

 感染管理の相互評価でお邪魔した時は、正面の入り口に「発熱外来は行っておりません」という看板があった。当院も公に発熱外来を行っているとはアナウンスしていない。それでも患者さんの口コミで、本来の診療圏以外でも、当院は発熱患者を診ているいうことになっているらしい。

 

コメント
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