なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

非代償性アルコール性肝硬変

2022年10月18日 | Weblog

 先週の金曜日の午後に内科外来の看護師さんから、消化器科の外来に通院している肝硬変の女性を診てもらえないか、と連絡がきた。食べられない、動けないという症状で受診を希望しているそうだ。

 消化器科は?、と訊くと、今日は診られないといっています、という。次週は消化器科医は夏休みの予定だった。(6月から10月までの間に4日間とれる)入院になると、1週間は診られないということだろうと思った。

 「今年は四国に旅行に行く」と言って喜んでいたので、当方が入院で診ることにした。実際は夏休みの分の診療を前の週に入れていたので、金曜日の午後も外来をずっとやっていて追加で診るのも難しい状況だった。

 

 患者さんは73歳女性で、非代償性アルコール性肝硬変だった。食べられない、動けないとして夫が連れてきたのだった。今はアルコールは?、と訊くと、患者さんは答えない。夫は隠れて飲んでいるかもしれないという。

 初診は2005年で出血傾向で他院から紹介されて受診している(56歳時)。腹水・下腿浮腫もあった。消化器科で入院して、軽快退院していた。その後通院していたが、2019年から来なくなった。

 精神的な症状を訴えて、数か所の精神科を受診していたらしいが、まずは内科の問題(肝硬変)といわれたようだ。今年の6月からまた消化器科の外来に通院していた。

 肝機能から診ると、最近も飲んでいるようだ。血清アンモニアも上昇していて、小声で会話は可能だが、話し方はぼんやりした印象がある。CTで胸水・腹水の貯留はなかった。

 

 6月に受診した時の検査で腫瘍マーカー(CEA/CA19-9)が高かった。再検すると漸増(微増?)していた。糖尿病もあるが、DPP4阻害薬とメトホルミンでHbA1c6.5%と良好だった。低カリウム血症が続いていて、その日も2.2と低かった。

 単純CTだけなのでわからないが、膵頭部・鉤部があやしいか。点滴・電解質補正などをしてから、造影CTやMRで精査することにした。

 入院後は、3日目の日曜日から食事摂取できるようになってきた。肝機能も月曜日の検査では入院時より少し軽減している。(カリウムも3.3になった)

 

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