なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ミルセラ注

2022年10月05日 | Weblog

 8月25日に77歳女性が酸素飽和度低下・呼吸苦?で夜間に救急搬入された。その日当直だった腎臓内科の若い先生が診てくれて、心不全の悪化として治療してくれた。

 脳梗塞後遺症で寝たきり状態・胃瘻による経管栄養という状態だった。熱心な家族が在宅介護をしている。その日は訪問看護師が飽和度低下に気づき、病院で診てもらうよう勧めたのだった。

 もともとは脳梗塞後遺症で神経内科外来に通院していた。2014年の脳梗塞再発で入院して、担当した当方が胃瘻造設を行って、外来でもそのまま診ていた。

 糖尿病でインスリン強化療法を行っていて、降圧薬も他剤投与で、コントロールしていたが、しだいに腎機能が低下してきていた。血清クレアチニンが1.6mg/dlなので、まだそれほどでもという気持ちがあった。腎臓内科の先生に、筋量低下があり、血清クレアチニンがあまり上がっていないが、実際はもっと悪化していると教えてもらった。

 

 入院後は、ラシックス注を2日間行って、その後はサムスカ内服(胃瘻からの注入)を行い、心不全は軽快した。さらに普段の治療も見直して、調整(修正)してくれていた。1か月弱の入院で退院した。

 経管栄養剤は薬品として処方できるラコールにしていたが、腎不全用のリーナレンに変更していた。そして腎性貧血の治療としてミルセラ注も開始された。もっと早くに腎臓内科と相談すればよかったということになる。(寝たきり状態・発語なしだと、外来で紹介しても、関心を持たれない?)

 

 今週は胃瘻(器具)交換で来院した。今回、胃瘻のキットが接続部が修正された新しいものになっていた。家族によると入院中にインスリンが減量になったが、退院後は200~300mg/dl以上で推移しているという。インスリン量を少しだけ増量することにした。

 腎臓内科の若い先生は、入院中家族に「腎機能が悪化しても、血液透析の適応はありません」とも伝えていた。この患者さんの息子さんが当院に血液透析で通院していて、腎臓内科としてはあの患者さんの母親という認識だった。

 

 エポチンベータペゴル(ミルセラ)は持続型ESA(赤血球造血刺激因子製剤erythropoiesis stimulating agent)で4週に1回の投与になる。

 

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