月曜日に内科救急を診ていた先生(大学病院総合診療科からバイト)から、発熱の19歳男性を入院させてたい、と連絡がきた。
咳があるが、胸部X線・CTでは陰影を認めない。気管支肺炎だと思うということだった。肝機能障害があり、解熱薬としてロキソプロフェンを飲んだ影響ではないかという。
患者さんは9月初めに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患していた。咽頭痛は軽快したが、咳が続いて10月7日に当院の呼吸器科外来を受診していた。
小児喘息の既往はあるが、寛解していた。今回喘鳴は聴取されなかった。自覚もしていないようだ。短期間(といってもデキサメサゾン4mg/日を1週間)と吸入ステロイド(ICS/LABA)で治療が開始されていた。
呼吸器科としては、初診で1回診ただけで、次回の予約は1か月後になっている。アレルギー検査が提出されていて、IgEと総量とダニ(ハウスダスト)とネコ(のフケ)の反応が高かった(クラス6)。
2日前の土曜日から高熱が出ていて、受診したのは3日目になる。咳は出るが、COVID-19後の遷延している咳と同じ程度だという。喘鳴はない。胸部CTで陰影はないので、今回の発熱が気道感染かどうか確定できない。
白血球12100、CRP5.0と炎症反応の上昇がある。異形リンパ球はなかったが、単球は8.9%と軽度に上昇しているか。肝機能障害があり、CTで脾腫もある。咽頭痛はなく、咽頭の発赤・腫脹はなかった。リンパ節腫脹もない。
彼女さんと同棲しているそうだが、お付き合いが長いそうだ。EBウイルス感染症を疑う年齢だが、ぴたっと合うような所見ではない。
肺炎球菌、マイコプラズマ(レジオネラも提出されていた)の迅速検査は陰性だった。気道感染症の線と、肝機能障害を来すウイルス性疾患の線で、診ていくしかないようだ。