9月28日に鼻汁・咽頭痛・咳で発症した87歳女性は、翌日発熱もあって通院している内科医院を受診した。検査でCOVID-19 と診断された。食欲不振もあり、保健所の指示で同日当院の感染病棟に入院した。
入院時は38℃台の発熱があり、酸素吸入2L/分を要した。胸部CTで淡いすりガラス陰影を軽度に認めた。レムデシビル点滴静注・抗菌薬・点滴を開始した。
5日目には解熱傾向となり、酸素吸入も中止できた。隔離期間を過ぎて退院にできるだろうと思われた。
ところが、37℃台の発熱が断続的に続いて、退院にできなかった。炎症反応はいったん軽快したが、また上がってまた下がってと上下に変動していた。
食事摂取は良好で、酸素飽和度の低下もなかった。他の感染症を併発したようでもない。隔離病棟で生活が続き、うつ状態になってしきりに退院を希望した。
胸部CTを再検すると(感染病棟からいったん外に出して、放射線科に入れる)、肺野に索状影を認めた。COVID-19 としては治まった時の陰影だった。炎症が遷延しているのだろう、と思われた。
3週間過ぎて、もう精神的に入院継続は困難だろうと判断した。家族に事情(発熱の継続)を説明して、退院して外来通院とした。呼吸器科外来に来てもらっている大学感染症科の先生に相談して診てもらうことにした。
コロナはこういう経過になることがあります、といわれた。抗炎症としてステロイド(プレドニン20mg/日)が開始された。外来で経過をみて、漸減~中止になる予定だ。