火曜日にCOVID-19の89歳女性が入院した。10人家族でほとんどがコロナに罹患しているそうだ。発端は孫の感染らしい。
軽度だが、ある程度コロナらしい陰影で、CTを撮影していた放射線技師さんたちから、おおーっと声が上がった。胸膜直下の限局性の丸っこい陰影が並んでいる。刷毛で書いたようなすりガラス陰影もあった。酸素飽和度が低下するほどの病変ではない。
前日の月曜日に発熱があり、近医でコロナの検査をして陽性と判明した(COVID-19罹患の家族が自宅静養していて濃厚接触者なので)。
年齢の点と食欲低下があり、保健所から院依頼がきたので引き受けた。前日の発熱なので発症2日目となるが、数日前から発症している可能性もある。
レムデシビル点滴静注と抗菌薬併用(と点滴500ml2本)で治療を開始した。
その日、保健所からPCR検査(行政検査)を1件だけ頼まれたが、1件だけというのは珍しかった。検査数が少ないので、地域の基幹病院でまとめてPCR検査をすることになっていた。
PCR検査を受けるのは、入院する患者さんの夫(93歳男性)だった。無症状だというが、後で聞くと咽頭痛・全身倦怠感があったそうだ。
この患者さんは自宅静養している同居の孫が車に乗せて来ていた。基幹病院は、COVID-19罹患者が病院に来るのはダメということで断ったそうだ。
PCR検査は病院の外の駐車場でドレイブスルー方式で行うので、車内に罹患者がいても問題はない(こちらはフルPPEなので)。要はCOVID-19罹患者を病院の敷地内に入れたくないということらしい。そこまで気にしなくとも、と思った。
翌水曜日にPCR陽性と判明して発熱もあることから、夫も入院となった。胸部CTで横山由依両側肺野に気腫像があり下肺野には間質性変化(以前からのもの)もあった。肺炎が若干あるかもしれない。炎症反応がコロナにしてはかなり高く、妻と同様の治療を開始した。