なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

甲状腺癌

2024年03月28日 | 耳鼻咽喉科疾患

 非常勤で来ている外科の先生から、88歳女性の緩和ケアを頼むといわれた。といってもすぐの入院ではなく、悪化した時に入院で診るというものだった。

 2月8日に抜歯のために歯科医院を受診した。喘鳴(吸気性のStridor)が聞こえたので、治療前に呼吸器科で診てもらうようにと指示された。 

 その日すぐに当院の呼吸器外来を受診した(週1回なのでたまたま曜日が合った)。喘鳴は昨年12月からあったそうだ。右頸部腫瘤を指摘されて、CTで確認した。甲状腺癌だった。

 耳鼻咽喉科に紹介されて、喉頭ファイバーで右声帯麻痺を認めた。さらに外科に紹介された。大学病院や地域の基幹病院では甲状腺癌は外科の扱いになっている。大学病院に紹介された。「何か治療ができるでしょうか」だった。

 大学病院では気管浸潤・総頚動脈浸潤があることから、緩和ケアのみとなった。窒息に備えての気管切開も難しい。

 

 4月半ばに家族だけ受診するので、その時に話をしてほしいといわれた。現状ではできるだけ施設で過ごして、施設でみられなくなったら入院となる。

 ただ呼吸困難になっても酸素吸入しかない。痰が詰まると急変する可能性がある。急変して救急隊が呼ばれると、身体を痛めるだけの心臓マッサージや、さらにはそれ用の機械を付けられて拷問状態になる。(建設機械が地面に杭を打ち込むような状態)

 それは避けませんかという話になるが、納得するかどうかはわからない。

 

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