火曜日にクリニックから80歳女性が紹介されてきた。そのクリニックで担当している施設に入所していた。
前日から反応が鈍く、左上肢の不全麻痺があるかもしれない、ということだった。クリニックから救急搬送されてきた。
開眼していて、質問には短く答えることができるが、ぼんやりしている。麻痺はあるのかないのか、はっきりしない(明らかな左右差はたぶんない?)。
早朝にクモ膜下出血の患者さんを脳外科に搬送した日で、救急隊は頭部CTで頭蓋内出血がないことがわかるまで帰らなかった。頭部CTは脳委縮・脳室拡大だけで頭蓋内出血はなかった。
点滴と血液検査などを提出して、脳梗塞確認の頭部MRI待ちとした。血液検査は軽度に炎症反応上昇があった。肺炎はなかった。尿混濁があるが、無症候性細菌尿・膿尿かどうか判断しかねる(高齢女性の尿路感染症は除外診断)。
頭部MRIで脳梗塞はなかった。感染症の影響も否定できないが、もともとのADLからみて、それほど悪化していないのかもしれない。
入院して、点滴と尿路感染症に対する抗菌薬で経過をみることにした。入院後の様子をみると、見守りでゆっくりと食事摂取はできるようだ。
紹介の診療情報提供書の病名記載の最後に、「混合性結合組織病」とあった。処方をみると、それに対する薬はない。若い時にどこか専門科で付けた診断なのかもしれない。
一見したところ症状もなさそうで、無駄かもしれなかったが、血液検査で膠原病の検査を追加しておいた。結果は、抗核抗体160倍(speckled)で、抗体RNP抗体も423U/ml(<10.0)と上昇していた。
その目でみても症状はないと思うが、診る人が診ればあるのだろうか。
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