昨日記載した窒息しかけたの93歳女性の診療情報提供書に、「ショートステイ先でおやつのワッフルを誤嚥窒息し、near CPAの状態で救急要請されました」とあった。
「near CPA」は何となく雰囲気はわかるが、正確にはどういう状態なのか。
日本救急学会によると、
来院時心肺停止
医療機関へ来院時に、心機能、肺機能のいずれかまたは両方が停止した状態を来院時心肺停止(cardiopulmonary arrest on arrival: CPAOA)と定義する。病院搬入までの心肺蘇生法の有無は問わない。
心肺停止の診断は、①深昏睡、② 自発呼吸消失、③頸動脈(乳児は上腕動脈)拍動消失、④心電図モニター上、心静止(asystole)、心室細動(VF: ventricular fibrillation)、無脈性心室頻拍(pulseless VT: ventricular tachycardia)または無脈性電気活動(PEA: pulseless electrical activity)の4項目による。
古くは、DOA (dead on arrival)という用語が用いられていた。以下、関連する用語を整理する。
院外心肺停止(out-of-hospital cardiopulmonary arrest):医療機関外で心機能、肺機能のいずれか、または両方が停止した状態。
来院直後心肺停止(cardiopulmonary arrest immediately after arrival)(CPAAA):医療機関へ来院直後に心、肺機能のいずれかまたは両方が停止した状態。“near DOA”という用語は使用しない。
near CPAというのはない?(上記のCPAAA相当?)。
「心停止、呼吸停止のいずれか」、といっても、「呼吸停止して、心臓は動いている」ことはあるが、「心停止して、呼吸している」ことはない。心肺停止は心停止ということ。
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