なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

アルコールの人

2023年12月03日 | 精神科疾患

 11月29日(水)当直の時に、アルコール多飲の55歳男性が自宅で動けなくなっていると救急隊から搬入依頼が来た。

 酸素10L/分の肺炎を入院させていた。その日整形外科で脊椎の手術をした患者さんでちょっと問題があり、病棟に戻るのが時間外になっていた。病棟が嫌がるだろうとは思ったが、引き受けた。

 

 若い時からアルコール多飲があり、焼酎をかなり飲むそうだ(はっきり量は言わなかった)。1か月前に仕事を辞めていて、一人暮らしをしている。

 後で訊いたところでは、妻とは随分前に離婚していた。息子2人のうち、市内に住んでいる長男が手つづきに来てくれていた。両親と住んでいたが、亡くなってからは一人暮らしだった。

 飲酒量は同じだが、数日前から食事はとれなくなっていた。腹痛はなく、嘔気は若干あるのかもしれないが、食欲がわかなかったそうだ。

 

 血液検査では炎症反応は陰性だった。血清カリウムが2.8と低下していたので、脱力に関係したかもしれない。肝機能は普通のアルコール性肝障害だった。

 CTで見ると、肝臓は脂肪肝になっている。表面の凹凸ははっきりしないが、アルコールの量と期間からみれば肝硬変でもおかしくない。

 ビタミンB1欠乏というのでもないようだが、点滴・電解質補正・ビタミン投与で経過をみることにした。就寝前にはジアゼパム内服を数日続ける。

 

 5年くらい前に吐血で地域の基幹病院に入院していた。嘔吐しているうちに吐血ということだと、マロリーワイスだったか。その後(昨年?)アルコール性と思われる低血糖で意識障害を呈してまた入院した。

 精神科医が嫌酒薬(おそらく)を処方して少し続けてやめてしまったそうだ。精神科外来はないはずなので(院内のリエゾン精神科)、よく診てくれたと思う。

 離婚は正確の不一致、仕事を辞めたのは気に入らなかったからということだが、事実はアルコールがらみ?。息子さんに訊かれたので、県内のアルコール依存の専門病院を教えると、スマホで確認していた。

 

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