なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

気管支喘息だけではない

2025年01月28日 | 呼吸器疾患

 1月26日(日)は日直だった。当院が当番医になっていた。ふだんの日曜日は基本的に、市内の当番医+当院の2医療機関体制になる。

 当番医からの紹介を受けたり救急対応をするので、本当は当院は当番医には入れないでほしいが(当院のみの診療になるので)、医師会の事情があるようだ。発熱外来は20名の受診があり、直接受診の患者さんや救急対応をしながらなので、結構大変だった。

 

 市内の内科クリニックに高血圧症と気管支喘息で通院しているという60歳代後半の男性が、呼吸苦を訴えて受診した。付き添いの妻の話では夜間に喘鳴がきこえるそうだ。聴診すると、呼気時にwheezeというよりいびきのような音が軽度に聴こえる。

 発熱はなく、酸素飽和度が95%(室内気)で完全な正常域ではないが、さほど問題はなさそうだ。日中は動いても息切れはない。

 夜間に横臥すると、息苦しくなって起き上がってしまうという。ただその後に歩き回ったり、外に出て行ったりするというのは、喘息で苦しいという以外に心因性の問題があるようだ。

 昨年新型コロナに罹患して、治癒後も落ち着かない状態が続いて、安定剤(ロフラゼブ酸エチル=メイラックス)がクリニックから処方された。それを朝夕ではなく、寝る前だけ内服してた時は症状が軽快していた。

 血液検査で炎症反応は陰性だった。50歳代までの喫煙歴があり、胸部CTでは軽度に気腫性変化(COPD)があるかもしれない。

 CTの検査中(ドームに入った時)に息苦しいといって、いったん休止となった。また点滴室で点滴を開始すると、その部屋は暑くて息苦しくなると、妻のいる廊下に出てきてしまった(実際は暑くない)。

 気管支喘息の処方はテリルジー吸入(ICS/LAMA/LABA)だけだが、吸入の仕方がまずかった。薬剤を吸って、息止めしないでそのまますぐに吐き出していた。

 息を吐いてから薬剤を吸って、息止めをしないと気管支内に薬剤が沈着しない(息止め後に吐く時も勢いよくではなく、そっと吐く)。何度かやり方を説明した。

 気管支喘息発作に準じて、ネオフィリン250mgとデキサメサゾン8mg(6.6㎎)の点滴をして、翌日からプレドニン30mg/日を内服とした。テオフィリンの内服とモンテルカストも追加した。

 夜間に喘息の症状があるだけではなく、心因性の要素もある。なによりご本人が安定剤の処方を強く希望したので、合わせて処方した。

 1月29日の外来で症状を確認する。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 尿管結石+肺炎 | トップ | 慢性閉塞性肺疾患+喘息 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

呼吸器疾患」カテゴリの最新記事