なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ACO=喘息+COPD

2025年01月06日 | 呼吸器疾患

 1月6日(月)にCOPDの59歳男性が受診した。3日前に発熱があり、翌日には解熱したが、咳と労作時の息切れが続いていた。

 市内の内科クリニックに慢性閉塞性肺疾患(COPD)と高血圧症・高脂血症で通院していた。2021年から2023年まで当院の呼吸器外来にCOPDで通院していたが、その外来が閉鎖になり、内科医院に紹介となっていた。(担当の先生は呼吸器センターのある千問病院から来ていた。外来閉鎖は当院の都合だが、ちょうどその先生が開業されるところだった。)

 以前の胸部CTをみると気腫性変化はほとんど目立たない。どちらかというと慢性気管支炎の方か。吸入薬はビベスピ(LAMA/LABA)が使用されていた。

 2024年11月に内科医院から当院の呼吸器外来(現在週1回だけ。大学病院からの応援医師)に紹介されていた。労作時の息切れが改善しないということだった。

 外来でネオフィリン・デキサメサゾンの点滴とネブライザーが行われて、デキサメサゾンの内服(6日間)が処方された。吸入薬ビレーズトリ(ICS/LAMA/LABA)に変更された。

 2回目の受診時に症状軽快していたので、内科医院に戻していた。その際、吸入薬はビベスピに戻してもいいとなっていて、実際に戻されている。

 受診時の聴診で明らかに喘鳴が聴取される。普通に診れば喘息発作だった。喘息とCOPDを合併しているACO(asthma and COPD overlap)のようだ。吸入ステロイド(ICS)がないと悪化する、ということだった。

 昨年受診時と同様にネオフィリン・デキサメサゾン(6.6mg)の点滴を行って、ネブライザーも行った。(ネブライザーは吸入刺激で悪化しないよう、点滴が入ってから行った)

 その後は単味の点滴につないで、外来で経過をみた。喘鳴が軽快して、トイレ歩行で息切れが軽快していたそうだ。

 入院治療は希望しなかったので、喘息発作に準じて、翌日からプレドニン30mg/日を4日間内服とした。吸入薬はビレーズトリ(ICS/LAMA/LABA)に戻して、テオフィリンとモンテルカスト内服もしばらく併用とした。

 多分これで良くなるはずなので、通院している内科医院に病名変更(ACO)と処方変更をお伝えして、後はそちらに通院してもらうことにした。

 それにしてもCOPD・喘息の吸入薬は数が多すぎて、覚えきれない。

 

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