なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

インフルエンザだけではなかった

2025年02月26日 | インフルエンザ

 2月22日(土)は当直だった。午前3時ごろに発熱の高齢女性が発熱・体動困難で救急搬入されて、迅速検査で新型コロナ陽性だった。入院する個室はなかった。病棟で日勤帯になってからベット移動して、個室を確保する手配をしてもらうことにした。

 これで終わりかと思ったが、救急隊から午前8時過ぎに30歳代後半の女性の発熱・呼吸苦の搬入依頼がきた。搬入された時は、23日(日)の日勤帯に入っていた。その日の日直は常勤の内科医なので、外来治療であれば申し送れる。

 救急車が到着してすぐに、インフルエンザと新型コロナの迅速検査を行うと、インフルエンザA型陽性だった。酸素飽和度は過呼吸になっていて100%(室内気)だった。

 高熱で頻呼吸になっていることによる呼吸苦(の訴え)ならば、が外来治療で対応できる。(病棟は入院できる個室がもう確保できなかった)

 患者さん臥位だと呼吸が苦しいので、座位になっていた。会話すると嗄声が目立つ。開口してもらうと咽頭発赤はあるが、扁桃の腫脹はない。

 聴診すると、頻呼吸で最初分かりにくかったが、吸気時に上気道で喘鳴(stridor)が聴取される。肺野には呼気時の喘鳴(wheeze)はなかった。上気道狭窄があると判断される。

 肺炎確認の胸部X線と、上気道狭窄の確認で頸部X線を行った(つかまれば立位はできる)。肺炎はなく、喉頭蓋炎の所見はなかったが、喉頭の腫脹があるように見える。CTで確認したい。

 患者さんに臥位になれるか訊くと、短時間ならできそうだという。夜間睡眠時は横臥できていて、呼吸苦は朝方から始まっていた。上気道狭窄があると臥位が禁忌になることもある。

 慎重に臥位になってもらい、苦しい時はすぐに座位に戻すことにして、頸胸部のCT撮影を行った。やはり肺炎はなく喉頭蓋炎もなかったが、喉頭(声門周囲)の腫脹が疑われる。耳鼻咽喉科で評価がほしい。

 地域の基幹病院に以前訊いたところでは、耳鼻咽喉科は救急対応(オンコール体制)になっていないということだった。ダメもとで確認のため、先方の病院の内科系担当医に連絡すると、その日の外科系担当がたまたま耳鼻咽喉科医だという。

 診てもらえますよ、といわれた。搬送したいと伝えると、搬入を受けてくれた。直接耳鼻咽喉科医に連絡しなくてもいいのかと思ったが、ありがたく搬送させてもらった。

 

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