なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

慢性硬膜下水腫

2022年05月19日 | Weblog

 月曜日に救急外来を診ていた先生(大学病院からバイト)、77歳男性を入院させたいと連絡がきた。

 一人暮らしで、もともと大酒家だった。市内に住んでいる息子さんが、食料やアルコール類を購入して置いて来るという。食べられない、動けななくなったとして救急要請していた。

 肺炎などの感染症はなかった。担当した先生が、認知症の鑑別として甲状腺ホルモンやビタミンB類も提出していた。

 頭部CTで一見脳委縮様だが、むしろ圧排されているように見える。両側の慢性硬膜下血種だった可能性があり、神経内科医に相談した。

 両側慢性硬膜下血種から水腫になったところを見ているのだろう、と言われた。息子さんによれば、1か月前に転倒して頭部打撲したことがあるそうだ。複数回の打撲歴があるのかもしれない。

 脳外科の扱いにはなるが、地域の基幹病院に紹介しても経過観察になるだろう、とも言われた。経過をみて、再検して新鮮な出血を認めた時に紹介とした。内服できれば五苓散を飲んでもらう。

 

 病棟の看護師さんから、あの息子さんは見たことがあると言われた。当方としても何だか前に見ているような気はしていた。患者さんに、亡くなった妻の名前を訊いて検索した。

 3年前に胆管癌で看取った患者さんだった。閉塞性黄疸で受診して、当時いた外科医が地域の基幹病院消化器内科に搬送していた。

 胆管ステントが挿入された。癌化学療法は希望しなかったので、緩和ケア目的で当院に転院していて、当方が担当した。3か月入院して亡くなっていた。家族との面談では夫ではなく、息子さんが対応していたので顔を(ぼんやりと)覚えていたのだった。

 

 患者さんは会話はできるが、認知力低下があり、一人暮らしは無理だろう。水腫の経過にもよるだろうが、あまり期待しない方がいいようだ。MSW介入で、介護保険申請から始めてもらう。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 間質性肺炎+細菌性肺炎 | トップ | 非常勤泌尿器科の対応 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事