現在高血圧症で当院に通院している90歳男性はC型肝炎・肝細胞癌があった。2009年に肝細胞癌が発見されて(当時は78歳)、当院入院で経カテーテル肝動脈塞栓療法(TAE)を行った。
当時は放射線科医がまだ常勤医で、現在も読影で来てもらっているがんセンターの放射線科医といっしょに治療してくれた。ただ肝動脈の分岐の問題で完全には治療できなかった。
その後、大学病院の消化器内科に紹介して、治療をしてもらった。しばらく通院していたが、地域の基幹病院に肝臓専門医が来たことで、大学からそちらに回された。現在は3か月に1回の通院になっていた。
先週の月曜日に当院を外来受診した際に、今月初めから心窩部に使える感じがすると訴えた。症状は食後に起こり、嘔気を伴って嘔吐したこともあるという。
30歳代に十二指腸潰瘍で胃切除術を受けていて、ビルロートⅠ法の再建術になっている。その時の輸血がもとでC型肝炎になったと推定される。
食後の受診でもあり、腹部単純CTで確認すると、残胃が拡張して食物がたまっている。肝左葉の濃度が右葉とは違い、腫瘍が腹壁型と胃切除術後の吻合部に浸潤しているように見える。胆嚢の壁が厚いようも見える。
翌日に消化器科で上部消化管内視鏡検査を行ったが、スコープは十二指腸側まで問題なく通過する。吻合部の一部が粗造で念のため生検されていた。通過障害は胃外からの問題で生じているようだ。
造影CTで確認するのも考えたが、基幹病院の消化器内科に精査依頼することにした。受診後の一報では、胆嚢癌と判断されたらしい。家族も呼んで今後のことを相談するそうだ(たぶん治療は難しい)。
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