そむりえ亭では大体切らすことなくグヴルツトラミネールとう葡萄のワインを置いています。と言うより重要な葡萄ですので必ずグラスで開けています。
アルザスで名を挙げたその葡萄は今や各地で栽培されていますが、やはりアルザスが頭一つ抜けているでしょうか?
白ワイン用の葡萄ですが色合いは赤い葡萄です。甲州やデラウェアのようなものです。その果皮からは非常に強い香りが放たれ、ソムリエの世界では「すぐそれと判る」香りと言われています。
バラ、ライチ、マスカットの皮、など華やかさを印象付ける形容があたっています。酸は控えめでボリュームのある味わい、樽熟成の香りなどを移すと持ったいないほど豊かな印象です。
ゲヴルツ=スパイスという言葉が葡萄の名前の頭につくほど薫り高いのです。
フォワグラとのマリアージュと言う点では最初に浮かぶ葡萄です。香りが豊かであまやかなので、残糖は控えめでも「甘いッ」と思わせる不思議な葡萄。甘口好きと辛口好きの双方に勧められるワインです。
但し、その強い香りが逆に登場する機会を減らしているのが実情で意外なほど扱っている店が多くないのですねえ。勿体無いです。
フォワグラ以外のマリアージュでは魚系ではなく、冷たい肉料理、例えばハモンなど生ハム類や色の濃くないフルーツをソースのアクセントに添えた鴨などがいいですね。
発音しにくい葡萄ですから「ゲヴルツトラミネールある?」なんてワインショップで言うと「あの人、ワイン通?」などと言われるかもしれませんね。気をつけてください。
さて、今そむりえ亭であけているのは老舗トリンバック社のレゼルヴ=ワンランク上のより豊かな香りのものです。ヴィンテージは04年。いい感じで熟成していて「今が盛り」の状態です。
覚えておいて損の無いワイン。是非、フォワグラなどと合わせて下さい。