ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

樽の話の続き

2011年04月11日 04時27分26秒 | ワインの事

昨日は白ワインに関る樽のことを書きましたが、赤ワインについても触れなければ不公平かな、と思いますので少し・・・・

基本的に赤ワインの方が樽に入れることが多い、或いは入れる期間が長い、という事が言えます。

長い期間入れるということは樽がしっかりした物でないといけません。年輪の詰まった樽材を使い樽の湾曲を付ける為にきつめに焼くことも多くなります。

つまり樽のローストした香りが強くなったり、沢山の年輪の中にある糖質や樹脂が焼けたツヤのある香りがまとわりつきます。

しかし赤ワインの場合、これらの香りがストレートに出るよりワインの持つ赤いベリーや黒いフルーツの香りと相まって複雑さを生みます。

何より若いヤンチャなタンニンを樽熟成によって柔らかくする、というのが第一義でしょう。

ちなみに通常は樽といえば225リッター前後のサイズでの熟成の話をする事になりますが、実際には何千リッターも言わば巨大なタンクのようなもので「休ませる」こともありますし、500リッター、600リッターといったサイズのものもあります。

樽材もオークが主に語られますが、サイズによって様々な木が使われ耐用年数も様々なのです。

白も赤も長い熟成の後は樽がでしゃばる事なく柔らかく溶け込んできます。

ソムリエとしては、どのような熟成かを見極めて料理のどの部分にどのグラスで合わせるか、が楽しいところでもあります。