ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

シラー

2015年01月28日 02時49分07秒 | ワインの事
シラーというと南仏はローヌ北部が本家で、オーストラリアではシラーズと呼ばれる、という事は知られていますね。

しかし、現実には世界のあちこちで成功していてイタリアでもスペインでもアメリカ、ニュージーランド、チリEtc・・・


そのシラーはいくつかの見方があります。(樋口比)

1:涼しい産地か、温暖な産地か?

2:小樽熟成か、大樽熟成か?

3:主役か、援護射撃か?



1:は意外と知られていませんが本拠地の北ローヌは涼しがありクールクライメットな産地と言えます。
  対するオーストラリアのバロッサなどは暑い。
  その差は歴然としています。
  良い悪いではなく、です。
  中でもチリは標高の高いエリアで北ローヌに近い栽培で涼しげな顔をみせますね。
  アメリカのワイントンなどは中間から少し本拠地寄りなイメージかな・・・・
  
2:は香りの「シラーらしさ」をどこに置くか?を決めるようです。
  小樽の場合、コーラやセメダイン、リキュール的な印象。特にアメリカンオークも時は顕著です。
  大樽などの酸化のしにくい容器ではスミレの花や胡椒が=シラーの本拠地でも香りです。

3:はフランスローヌ南部やカリフォルニアのパソロブレスではグルナッシュ、ムールヴェードルの補助とされる事も。
  少量でも個性を発揮します。色は薄め、な事が多いですね。
  オーストラリアでも同様の事がありますが、カベルネの補助として使われますが小樽のマスク効果を受けます。
  この場合は色合いは黒に近い感じです。

どれが良いとは言えない訳ですが、私の場合は使い方に影響があります。

涼しい産地で大樽で主役起用の場合、胡椒の効いた赤身肉やサバなどの血合いの強い料理
温暖な産地の小樽の場合、或いは援護射撃的な起用の時は甘味のあるソースが浮かびます。


世界中が温暖化!!!と言われるようになって来ましたが、シラーに関しては冷涼な産地が選ばれる方向にあるという感じも否めません。
来月用に仕入れたチリのシラーは冷涼な産地であることをラベル上でもアピールしていてスマートで色合いも酸化の影響を感じさせません。
まさにクールクライメットな産地のスタイルです。
ワシントンも緯度的にはローヌより北ですが小樽の印象が若い内に支配します。しかし数年で「やっぱり涼しげやった」と理解させます。



冬の間はジビエや青魚が増えますのでシラー、やシラーブレンドのラインアップが多いそむりえ亭です。
産地も色々です。
同じ料理でもお出しするタイミングや前後のワインで色々出し方が変ります。
今月から来月にかけてフランス、カリフォルニア、チリと多種が出ていますが、出番が多い故のラインアップ。
バリエーションを感じて頂ければ幸いです。

                樋口誠