ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

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 樋口誠

「ほう言注意報」再び

2015年03月09日 03時17分57秒 | サービス
昨日あった話、と言う訳ではありませんが、久しぶりに「ほう言注意報」という言葉が脳をよぎりました。


この言葉は以前も、そして最近もサービス業の若者や新参者に対して言われていることです。




例えば・・・・・

「こちらの方は松阪牛を使いましたステーキです」

しかし、お客様の耳には「松阪牛のステーキ」だけが必要な言葉で、他は不要です。

更にいうと「ステーキ」という言葉も見ればわかる訳ですから不要ですね。

もし形容詞を付けるなら「〇年半かけて、ゆっくり育てた・・・」とか「旨味を逃さないようにじっくり焼き上げた」とかの方がマシです。

この例文の場合は最初の「こちらの方は」の「方=ほう」をとらえて「ほう言注意報」と呼ぶわけです。


また・・・

「使いました」も要りませんね。

だってチーズケーキのことを「チーズを使いましたケーキ」とは言いません。

この例はまだマシですが、「烏賊を使いましたマリネ」などと書くと「なにか他の素材を烏賊のペーストを入れた液体でマリネした」と思われても不思議ではありません。

「烏賊のマリネ」で充分判ります。


何故、それが大切か?というと
1:「無駄な言葉を省いて時間を節約する」=お客様にストレスを与えない。

2:その節約した時間で「もっと大切な情報を提供」することが出来る。

3:別の意味に聞き違えるかも知れない。

4:なにより不快な言葉を聞かせない。

なのです。


こういうことを「ほう言注意報」といって以前は(バブルの人件費豊富な頃)教育されていましたが、昨今ではそれもままなりません。(そむりえ亭もそうですが・・・)

若者には責任はありません。というか現実的には彼らにも今後の人生に大きな影響を与えますが、責任の根本はその業界の先輩にあるのです。


ちなみに2012年の10月の投稿に藤本義一さんの死去に伴う思い出を書いています。

そこには「ある命題」が記しています。

一度、ご覧いただければと思います。


って書いている私の文章が一番判りにくいですね(汗)


               樋口誠