ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

シェアされる「曖昧」

2015年03月15日 02時30分27秒 | ちょっと休憩
以前に「子供の味覚が鈍くなった」という研究成果を新聞かニュースで取りあげていたことについて「何か違うんじゃないのかな」的なことをを書いたことがあります。

「ある条件で子供に甘い酸っぱい辛いなどの味覚を調べた」というのですが、今の大人の子供の頃の数値がありませんし、「舌の真ん中にスポイドで液体を落とす」方法では大人も判りません。
それはj自分がソムリエ業を営みブラインドテイスティングで「味覚のあやふやさ」を身を以て知っているからです。


それだけでなく「何々を食べてはいけない〇つの理由」とか「何々をすべき△つの訳」的なものには辟易とします。

先述の様に反証が無いのです。

また「アメリカでは・・・・」とか「寿命が縮む」とか「出世する」とか、しないとか・・・・・


「アレを食べ続けている80歳の人を含む長命の日本人が沢山いる」という事を無視した「アレを食べてはいけない」は説得力がありませんし、アメリカで成功している訳でもありません。

世間で「ダメ」と言われていることをしていて「偉人」と言われる人は沢山いますし、大体そういう記事を書いている人が「偉人で無い」ことも多いですしね。


また記事をシェアされる方の多くが元になる記事が2年も3年も前のもので既に間違っていると言われているものを「ついつい」シェアされている事もシバシバあります。
或いは、その記事のコメント欄に最初から間違いが指摘されているにも関わらず「良く見ないで」シェアしていることも多いですね。



私はダメと言われるものを沢山食した両親の子供です。
彼らは今年93歳、91歳で元気にしていますし、その世代から私達の年代までは「添加物世代」だろうと思いますが、世界でも例を見ない高寿命です。
しかも元気です。


かくいう私は何の見識もありません。

が、少なくても「母は元気である」「先輩は不摂生だったが元気である」とか「あの人は不良だったけど素晴らしい大人になった」「挨拶も出来なかったけど人の感情の機微が判る」とか・・・・・そういう経験は山ほどあるのです。




ともかく「シェア」が簡単に出来過ぎるのですね。

イベント情報、人探し、天災や大事故の情報のシェアは大切です。

が、そうでない事に関しては「一息飲んで一歩下がって」考えてからシェアしても遅くありません。


などと考える今日この頃です。



                     樋口誠