ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

黄色いワイン

2015年12月11日 02時46分43秒 | ワインの事
ワインには赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、発泡性ワインなどがあることは多くの方が知っています。


実は他にもあります。

黒ワインとか灰色ワイン、そして黄色ワイン。


とはいえ黒ワインと灰色ワインは正式な分類ではありませんが・・・・・

しかし、黄色ワインはフランスの分類というのか法制で認められているワインです。


ヴァンジョーヌ、と言います。


フランス東部のジュラ地方で造られる一風変わった造りのものです。

サヴァニャンという葡萄で造られたワインを樽の中で6年以上という有り得ない長期の熟成をします。

通常は樽の中で目減りする「空間」を同じワインで補填しますが、このワインはしません。

で、その間に液面に白いカビの膜が蓋の様に育ちます。

この時間とカビが独特の風味=黄色い味と呼びます=が育つんですね。

スペインのシェリーも同様に熟成をしますので風味が似ています。

ナッツのような、花のような豊かな香り。

そして円やかな中にもはっきりした酸。

素晴らしいワインです。


しかし安くないんですね。

しかも入っているボトルはクラブランという620㏄という小型の瓶ですから割高感は否めません。


で、そういう部分は産地の人にも判っているのか、最近では熟成を6年以内、だいたい3年位で切り上げ通常の750㏄のボトルに入れて出荷するものが見かけられるようになりました。


今月そむりえ亭ではジュラ地方の中でもレトワールという名産地の3年熟成のものを使っています。

シャンパンの代わりに食前酒にしても良し

香ばしい魚料理でも肉料理にも面白いワインです。


私、ついつい「最初はシュワシュワっていきますか?」とシャンパンを勧めてしまいますが、「黄色のワインの弟版はある?」って言って頂ければお出ししますね。

お試しください!!!!


                 樋口誠