ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

複雑です。

2016年11月19日 02時44分41秒 | ちょっと休憩
仕事が終わって帰宅。

テレビをつけると藤岡弘さんが丹後半島を巡る旅番組。

この手の番組は良くありますね。

で、漁業や伝統工芸、料理などを訪ねています。

これもよく見かけるアイテムです。


中で「炭職人」が登場していました。


飲食業をしていると「炭」は関心ない訳ではありませんし、多少は気になるところです。



さて先日のこと、母が「昔取った杵柄」で「お茶を点てたい」というので「じゃあ、茶道具を買おう」と・・・・


母にしてみれば昔のように茶釜で湯を沸かして・・・という思いがあって「では火鉢も・・」となる訳です。

ま、当然の思いですよね。


しかし、現代の密閉度の高いマンションに認知を患う母が窓の開け閉めや換気扇の使い方を誤ると間違いなく「事故」が起こります。

昔の微妙な「隙間」のある部屋は巧くできていたのですね。

子供のころのように火鉢で餅を焼いたり、海苔やスルメを炙ったり、などは難しいのです。


伝統的な職人さんの芸や作品を使うにも難しい環境もまた「人の知恵」の産物です。


立派な鯉のぼりの職人さんも出ていましたが、大半がマンションに住む都会では掲げようもない環境です。


ひょっとしたら、いや、ひょっとしなくても職人さんの数も減っていますから

「バランスはとれている」ということかもしれませんが、やはり心に引っかかります。


伝統を守ることと今を生きることは相反します。


が、それが延々と葛藤を続けるんでしょうね。


さてサービス業もいずれそうなっていくのでしょうが、私は私の仕事を「伝統芸」にして守っていかねば、と心に誓う今日この頃です(笑)


        樋口誠