「遅くなってもいいんでしょう? 母、川床行きたがっていたじゃない?
川床で夕飯食べてから帰ってよ」
彼女と二人でアパートの同じ階のかたへあいさつ回りして、長男が言った
一日休んで図書館業務が入っていたから夕方の新幹線で帰ろうと考えていたが、
川床に飛びついた「うん!!」
実は昼食をとる前に先斗町を歩いてきた


まったく人通りがなく静かで、そうかここが川床の入り口かあと思ったんです
一度行ってみたいと思っていたんです
お座敷形式になっているところはそれなりのお値段するが、
レストランのようになっている店もあり、それでもいつもの夏なら予約も取れないのだけれど、
コロナのおかげでぶらりと行ってもあいているみたいだからと、
陽がかげってきた街は行燈に灯が入り、ワクワク感があった

ほんとだ!空きありますって書いてある!!


なんと奇遇なんでしょう……南座がすぐそこに見えます


やっぱりお漬物がたいそう美味しい
私の父は秋田出身で漬物が盛んな土地柄なのだが、
私はどうも東北のしっかり漬かった味の濃いのは好きになれない
北海道の鰊漬けも生臭くて食べられない
普段は沢庵も口にしないが、京都で出てくるお漬物はどこでも美味しくいただける


ビールに、梅酒をご馳走になって、
そろそろ駅に向かおうかと言い出したころ、陽はいい加減に落ちて、
川床のムードを味あわせてもらった


「次はお座敷用意するから」
嬉しいなあ…始まったばかりの二人の生活
力になれたな……それもうれしかった
夏休み前半の京都の旅はこれで終了です