「絶対、もったいないって!!」
電話の向こうで、長男の友達のお母さんが声をからして言ってくださる。
分かってる・・・
でも、反骨精神もむくむくと持ちあげられてくる。
いい大学が何ぼのもんじゃ!!
東大出たって、嫌なやつは山ほどいるわ!!
うちの娘は、どこに行こうと頑張れる娘なんじゃ!!
でも、分かってる・・・
「いい大学」のレッテルが、思いもかけずに人生を楽にしてくれるのを・・・
やりたいって言ってくれたら、この娘を手元における・・・そんな誘惑に私、傾いている。
娘が昨日、改めて高校の先生に挨拶をしに行った。
そこで、彼女が慕っていたS先生が、彼女がこれから行こうとしている大学出身ということがわかった。
その話を聞いて、私は自分のあさはかさを恥じた。
私、そのS先生に救われたことがある。
親との二者面談で(当然次女のためのものだったが)大学受験を目前に学校に行けなくなった長女の話を、私はした。
長女を受け持っていた担任は、長女が部屋から出て来られない状況に繰り返しこういった。
「病院に行くといいですよ」
出席日数のこともあったため、先生の好意から出た発言だったのだろうが、私はすごく傷ついた。
病気なんかじゃない! 学校で何があったの? 貴方は何をしていたの? と思った。
S先生に 「次女にも同じことが起こるのではないかと不安で、不安で仕方がありません」 と訴えた。
話を聞いて、S先生は何でもないことのように
「あ、受験のストレス乗り越えられなかったんですね!たまにいるんですよ」 とおっしゃった。
「大丈夫ですよ。注意して良く見ますから」
涙が出た。やっぱり長女は病気なんかじゃない。上手に不安を取り除いてやれなかった周りの大人が原因だったんだ。
それは先生だけではなく、よく見てやれなかった親が一番悪い。
長女があの時この先生にめぐりあっていたら、事態はもっと簡単に過ぎたのではないだろうか・・・と思った。
S先生に私は、しこっていた気持ちを楽にしてもらえた。
出身大学なんかじゃない。 人の気持ちを楽にできる言葉が言えるか言えないか・・・
そういう生き方であれば、うちの次女は間違いなく難関国立大学合格レベルだ!
それの方が、ずっといいじゃないか!!
分かってる・・・でも、あさはかな女親は、寂しさで心が押しつぶされそうだ。
愚痴愚痴と何度も何度もブログにアップして、心の整理をつけようとする情けない姿をさらしている。
分かっている・・・これではいけない。
手続きまであと少し、心の整理をしっかりつけて、娘の背中を押してやる!!