昨年12月だったか、雪がひどいころに我が家の目の前にラーメン屋さんがオープンした。
小さな小さなラーメン屋さんだ。店を開くのにこれという決まりは無いだろうが、
「なんでこんな場所に?」というのが始めの感想だった。だって、なあんにもない所ですよ…この一角は!
どういう店なんだろうと様子を見ていると、昼時など車がいっぱいになる。土曜日曜はひっきりなしだ。
噂を聞いたら、どうやら札幌・美園にある人気店の“のれん分け”らしい。
これは話のタネに一度食べにいかねばと思っていたが、なかなか機会を作ることが出来なかった。
ふと思いついて子どもたちを誘った。 春休みで末っ子が「一度食べたい」と言いだしたのが大きい。
車があふれている昼時は外したのだが、それでも10席余りの店内は満席だった。
しばらく店の入り口付近にあった場所に座って待とうとしたら、長男がいきなり興奮した。
その場所に一枚、店の前で撮ったらしい写真と一緒に色紙が飾ってあった。 日付は3月25日。
息子は25日朝一番の飛行機で帰って来た。 家でひと眠りして、夕方前に「なんたら言うグループ」のライブに出かけたのだが、
その色紙は、そのなんたらいうグループのものだった。
「ええっ?ええっ?俺、寝てただろう…その時…俺、目と鼻の先で寝てだろう…!!」
「彼らラーメン屋めぐりしているんだよね!! でも、でも、ここに来たなんて!!
リハーサルの合間にきたんだよなあ…母、早く教えてくれたらよかったのに!!」
そんなこと言われたって、このラーメン屋との因果関係が私に分かるわけがない!
ラーメンをすするお客さん達の視線を浴びながら、息子は写メを撮り、ツイッターにつぶやきだした。
なんと、息子の大興奮にラーメンを写メってくるのを忘れてしまった(笑)
飛びぬけて1番うまい!というところまでは来ていないが、しっかりと仕事のされたラーメンだった。
精進を続けて、なにか一つ図抜けた魅力を手にすることができれば・・・と思わされるものだった。
若くてなかなかイケメンの店長さんの横顔を見ながら、心の中で「頑張れ!」とおばさんは声援を送った。
息子が帰りがけ、その店長さんに色紙の方を見ながら「来たんですね」と声をかけた。
店長さんは笑って息子の相手をして下さった。
夢に見ましょう・・・長男がここで、そのなんたらいうグループとこの店長さんと並んで写真を撮ってもらう日のことを・・・。