つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

邂逅

2012年03月28日 | 日記

昨年12月だったか、雪がひどいころに我が家の目の前にラーメン屋さんがオープンした。
小さな小さなラーメン屋さんだ。店を開くのにこれという決まりは無いだろうが、
「なんでこんな場所に?」というのが始めの感想だった。だって、なあんにもない所ですよ…この一角は!

どういう店なんだろうと様子を見ていると、昼時など車がいっぱいになる。土曜日曜はひっきりなしだ。
噂を聞いたら、どうやら札幌・美園にある人気店の“のれん分け”らしい。
これは話のタネに一度食べにいかねばと思っていたが、なかなか機会を作ることが出来なかった。

ふと思いついて子どもたちを誘った。 春休みで末っ子が「一度食べたい」と言いだしたのが大きい。
車があふれている昼時は外したのだが、それでも10席余りの店内は満席だった。
しばらく店の入り口付近にあった場所に座って待とうとしたら、長男がいきなり興奮した。
その場所に一枚、店の前で撮ったらしい写真と一緒に色紙が飾ってあった。 日付は3月25日。

息子は25日朝一番の飛行機で帰って来た。 家でひと眠りして、夕方前に「なんたら言うグループ」のライブに出かけたのだが、 
その色紙は、そのなんたらいうグループのものだった。

「ええっ?ええっ?俺、寝てただろう…その時…俺、目と鼻の先で寝てだろう…!!」

「彼らラーメン屋めぐりしているんだよね!! でも、でも、ここに来たなんて!!  
リハーサルの合間にきたんだよなあ…母、早く教えてくれたらよかったのに!!」

そんなこと言われたって、このラーメン屋との因果関係が私に分かるわけがない! 
ラーメンをすするお客さん達の視線を浴びながら、息子は写メを撮り、ツイッターにつぶやきだした。 

なんと、息子の大興奮にラーメンを写メってくるのを忘れてしまった(笑)
飛びぬけて1番うまい!というところまでは来ていないが、しっかりと仕事のされたラーメンだった。
精進を続けて、なにか一つ図抜けた魅力を手にすることができれば・・・と思わされるものだった。
若くてなかなかイケメンの店長さんの横顔を見ながら、心の中で「頑張れ!」とおばさんは声援を送った。

息子が帰りがけ、その店長さんに色紙の方を見ながら「来たんですね」と声をかけた。
店長さんは笑って息子の相手をして下さった。
夢に見ましょう・・・長男がここで、そのなんたらいうグループとこの店長さんと並んで写真を撮ってもらう日のことを・・・。 


 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

語る

2012年03月28日 | 子育て

何だかいうグループのライブコンサートのため、長男が日曜日から“里帰り”している。

彼が入ると、次女や末っ子の語りの様子が変わる。
きょうだいとか、同世代とか、親じゃないとか、興味の方向が一緒だとか、
感想が似ているとか、……
いくつもの“とか”が重なり、滑らかに話が盛り上がっていく。
黙って傍にいて話を聞いているだけで面白い。
有り難いことに、彼らはそういう時に私を邪魔にしない。

夜、末っ子が「おやすみなさい」と布団に向かうと、兄と妹の語らいが始まる。
中学生の弟とは盛り上がりようがない話しが、次から次と繋がっていく。
いつもなら私もとっとと布団に向かうのだが、面白くて眠い目をこすりながら起きている。

そして、親と子の関係ってこういうありようもあるのだとわが子から教わっている。
私と父、私の姉と父にはありえなかった“何か”だ。
ああ、こういう風にあの人と付き合えばよかったんだと思うこともしばしばだ。
なぜできなかったんだろうか・・・私がいつまでも幼かったということが第一番だろうが、
もうひとつ大きな理由は、私の父親は、娘に追いぬかれようとしなかった。
最後まで娘の上にいる“父親”であろうとした。
私も子どもたちに「あんたには負けない!」という気持ちを持ち続けようと思っている。
それはいつでもそうあるべきだと考えるが、でも、成熟し出した子どもに負けることも必要だと感じている。
子どもに上手に追い抜かれること――ここまで育ったわが子に、その上に親が考えるべきことは、これなのかなあ…と、
毎晩の一時にじんわり思っている。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする