酒酒楽楽

酒店のオバちゃんが、商工会活動や家族のことなどをマイペースで綴っていきます。

昭和55年のクリスマス豪雪(4)

2007-12-23 21:14:47 | クリスマス豪雪

(4)
一週間電気が点かないということは、
市内全域、一週間のキャンドルナイトみたいなものです。

いえ、キャンドルナイトなら明るい見通しがありますが、
この時は見通しが全くなく、長く暗い生活の始まりでした。

電気が点かない、井戸から動力ポンプで汲み上げている水が出ない。
電気釜でご飯が炊けない。お風呂に入れない。
コタツもファンヒーターも使えない。のないない尽くしです。
暖を取るには、唯一練炭の掘りごたつがありました。

店の棚からは売り切れが続出です。
先ずろうそくが消えました。
懐中電灯や乾電池が消えました。
即席ラーメンが消えました。
菓子パンは、なくならないうちに取っておきました。

夕方、知らない男性が来ました。
「四ツ倉まで帰りたいのだが、車が進まないので泊めてもらえないか」

“○○屋”なら富山の薬屋さんも泊めていることだし、ま、聞いてみな、
と何処かで我が家をすすめられたらしいです。

四ツ倉に行くには国道49号線を真っ直ぐ走り、途中三坂峠を超えなければなりません。この峠越えが結構厳しいのです。そして、いわき市平(たいら)まで一時間ほど、そこから6号線を北上しなければならないのです。

そんな厳しい条件を考えれば、
というか、立ち往生しているのですから泊めないわけには行きません。
しかし、未だ新婚当時のうら若い私には知らないオジサンを泊めるなんて・・・
何が起こるかわからないし、とても不安でした。

家族会議の結果、
二階の座敷ではなく、階下の茶の間で寝てもらうことにして了解しました。
食事はパンとラーメンでした。

この男性、四ツ倉の自動車整備工場の方で、福島まで車検に行った帰りでした。
翌日、雪かきを手伝い、道路が正常に近い状態に戻ってから帰って行きました。

さて、心配事はもう一つ。愛車のコロナ2000GTです。
国道は除雪車が走っているので、少しずつながらも前へ進めますが、
困ったのは横道で、横道に入りたくても入れない車が国道に溢れています。
すぐそこに自宅が見えても入れなくて国道に置き去りにしなければなりません。

誰かが、「コロナが国道に停めてあったよ」と教えてくれました。
なんと我が家の愛車が2キロメートルも先の国道に置き去りにされたのです。
夫は、雪の降る中、一目散に家を飛び出して行きました。

* 次回(5)は最終章の予定です


<おまけ> 在りし日のトヨペットコロナ2000GT




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