文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

私の課長時代 伊藤忠商事社長 岡藤正広氏 商社の鉄則、逆張りで勝負…日経新聞9月5日13面より

2011年09月05日 16時32分41秒 | 日記
トラサルディとの覚書、翌日の契約書は数字変わる  伊藤忠商事社長 岡藤 正広氏

 伊藤忠商事の岡藤正広社長(61)は課長就任直後。「トラサルディ」と格闘する日々が続いた。

トラサルディとライセンス契約したのは1986年。ジーンズから時計、バッグ、婦人物と伊藤忠のブランド事業は大きく伸びました。ただ相手のニコラ・トラサルディ、この人には本当に振り回されました。

もめるたびにイタリア・ミラノ郊外の事務所に駆けつけるんですが、朝着いて少し話すと、ほかの人と電話で話しちゃう。午後に戻ると、どこにいるか分からない。じらし作戦ですわ。

何とか説得し、覚書にサインしてくれと頼むと「分かった。明日10時に来い」とやけに物わかりがいい。翌日行くと、秘書に渡され
た契約書は数字が変わっとるんですな。今の人は海外相手に簡単にサインしちゃうけど、僕は契約書は今でも1枚ずつ確認しますよ。

 次のビジネスにつながる教訓も得た。

ブランドはライセンス契約だけでなく、商標を丸ごと買収せなあかんと思い至りました。次に手がけたのが「ゴンバーズ」です。これが大成功。93年に始めて、96年の売上高は180億円。一躍業界トップです。

ところが問題が起きた。地方の小さな量販店でも売っていたのを知った米本社が「イメージが悪くなる。ライセンスを承認しない」
と突然言ってきた。結局ペナルティーを払って解決しましたが「こんなんでは駄目や」と思いました。

伊藤忠は2001年、経営破綻したゴンパーズの株式5%と日本での独占販売権を取得する。ゴンパーズは最終的にナイキが買収したんですが、今度はナイキが日本の権利を何度も買いにきました。それはそうでしょう。コンバースの世界戦略で、日本だけがすっぽり抜けているわけやから。お客さんが困るから売りませんけどね。

その後も海外ブランドとの提携をまとめ続けた。99年、10億円以上の利益を稼ぐ部門を表彰する社内制度ができました。ウチの部門は9回中7回受賞しましたが、最初のスピーチが受けた。商社の商売にはよく言われる鉄則があります。「大企業と商売せえ」 「ビジネスは簡単にせえ」 「クレーム起こさすな」の3か条です。僕は真逆のことを言った。

商社はある程度ビジネスがうまくいくといらなくなったりする。だからまず商社を必要とする中小企業と商売せえ。そしてビジネスの仕組みはできるだけ複雑にせえ。さらに商社機能を評価されているのだから、問題が起きることは歓迎せよと。印象が強かったのか今でも話題になります。

04年に繊維部門トップに。6年で部門利益を倍増させ、社長に登用された。
振り返れば苦労と失敗の連続ですよ。いつ失脚するとも知れず、前しか向きませんでした。出世はたまたま。若い人には「出世が遅いとか気にするな、なんぼのもんや」と言いたいな。会社人生、業績がついてくれば全部解決する。

悪いこともあればいいこともある。人生そんなもんですよ。


レアアースしのぐ新材料 文科省開発へ 4ヵ所に研究所…日経新聞9月5日11面より

2011年09月05日 16時30分58秒 | 日記
文部科学省はハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)をしのぐ材料の開発に乗り出す。

2012年度に産学官の一線が集う研究所を全国4ヵ所に新設。10年先までの研究費を約束し、常識を覆す材料の実用化を目指す。世界のレアアース供給の約9割を握る中国の輸出制限に対して脱レアアースの研究が国内外で進むが、代替材料にとどまればいずれ価格競争に陥る恐れもある。

従来品の性能を大きく上回る新材料の開発で日本企業の競争力を高める。
文科省は原子まで遡ってレアメタル(希少金属)材料を見直す「新・元素戦略プロジェクト(仮称)」として12年度予算の概算要求に盛り込む方針。10年間にわたり総額で数十億円を助成する。

開発は①磁石材料②触媒・電池材料③構造材料④電子材料--の4つが対象。永久磁石からレアアースのジスプロシウムを全廃し、さらに磁力を大幅に強めた窒化磁石などが想定される。

国の研究支援は通常は2~3年にとどまる。10年間に及ぶ長期プロジェクトは極めて異例だ。夢物語とされる研究者の着想を試作品の製作にまでこぎ着ける。安定した研究環境を整え、優れた研究者を囲い込む狙いもある。

研究成果は10年を待たずに経済産業省へ順次受け渡し、実用研究を始める。

帝王ジョブ ズカリスマの流儀…Newsweek9月7日号

2011年09月05日 15時36分48秒 | 日記
スティーブ・ジョブズがついにアップルCEOを辞任
世界を変えた経営者の波乱の生い立ちと成功の秘密


政治家であれ、芸人であれ企業家であれ、人は誰しもその全盛期に惜しまれっつ舞台を去りたいと願っている。そして、そんな有終の美を飾ることの難しさも知っている。

しかしスティーブ・ジョブズは、見事に有終の美を飾ってみせた。病身ゆえ、トレードマークの黒いタートルネックで演壇に立つことはかなわなかったが、電子メールで全世界に「不幸にして(アップルCEOの座を辞す)その日が来た」と告げた。例によって絶妙のタイミングである。

自ら創業した会社を一度は追われながら、97年夏に返り咲いてからは順風満帆。以後の14年間で株価は57倍になり、その発行済み株
式の時価総額はマイクロソフトを抜いて世界第2位。直近ではエクソンモービルを抜き、世界一になったこともある。

急成長で積み上がった手元資金約760億ドルは節税のため、法人税もキャピタルゲイン税もないネバダ州のリノに設立した資産運用会社ブレバーンキャピタルに預けてあるらしい。

アップル創業の76年以来、ジョブズの先見性とマーケティングの才には誰もが一目置いていたが、経営手腕には疑問符が付いた。結果、役員会は85年に外部からの経営者招聘を決めた。

失意のうちにアップルを去ったジョブズだが、復帰するまでの約10年で多くの経験を積み、人間的にも大きく成長した。56歳で退任する今は、経営者としてもマイクロソフトのビル・ゲイツ級と目されている。

ひらめきと強引さ、そして直観を組み合わせて、ジョブズは非凡なアイデアを次々と製品化した。ただ消費者の欲望を満たすだけの製品ではない、業界地図を塗り替えるような製品である。パソコンはもちろん、音楽産業や出版産業の在り方も、ジョブズの存在ですっかり変わった。

その波瀾万丈の生い立ちを語らずして、彼の成功の秘密に迫ることはできまい。物語の世界の「ハリー・ポッター」同様、養父母に育てられた彼は周囲になじめずにいたが、ある日、自分に魔法の力があることを発見する。

それもそのはず、彼はウィスコンシン大学マディソン校に在籍する2人の「魔法使い」の婚外子として生を受けたのだから。実父アブダルファタ・ジャンダリはシリア移民で政治学の博士課程に在籍。実母ジョアンナ・シンプソンは修士課程で言語療法を学んでいた。

生まれるとすぐ、ジョブズはサンフランシスコに住むポールとクララのジョブズ夫妻の元へ養子に出された。ハリポタとは違い、愛情に満ちた養父母の元で育てられたが、そこは労働者階級の家庭。知識人や芸術家こそが自分の本来の姿と信じる10代のジョブズの理想とは隔たりがあった。

 10代で早くも大物の予感

彼を成功に導いた特性は4つある。並外れた説得力、常にリスクを取りに行く姿勢、交渉をまとめる稀有な才能、すさまじいまでの完璧主義。10代の頃の彼は既にそれを予感させる。特に大学時代の逸話からは、最初の3つの特性が早くも見て取れる。

今でこそ、ゲイツやフェースブックのマ-ク・サッカーパークと共に最も有名な「大学中退者」として知られているが、ジョブズの場合にはむしろ、大学入学の経緯にこそドラマがあった。

養父母に学費を払う資力がないのを承知で、彼はカウンターカルチャーや急進的で芸術家肌の知識人の拠点として知られるリード大学(オレゴン州)に入学した。そして未払いのまま学費支払いの期限が過ぎると、学長に掛け合って寮費と学費を免除してもらった。エリート校に在籍することで「自分はただ者ではない」ことを証明したいという彼の並々ならぬ執念、そして彼の説得力や交渉力、リスク許容力の高さがうかがわれる。

一方、完璧主義者の一面はリード大学での短い大学生活の中で発揮されることとなった。ここで彼は友人のエリザベスーホームズを心配させるほどひどい摂食障害を患う。菜食主義の一種「フルータリアン」として、果実だけしか摂取しなくなったのだ。摂取カロリーが極端に低かったために、彼はいつも腹をすかせていた。完璧を求めるあまり、食生活にも完璧を求めた結果だ。

20代前半で、ジョブズは早くも豊かさと名声を手に入れた。そして気付いた。これからの自分に必要なのは、自分の放つオーラに負けず、激しくぶつかってくるタイプの人材だと。当時のジョブズはまだ学歴や経験に引け目を感じており、自分の判断にも自信がなかった。そこで見つけたのが、部下に容赦なくダメ出しをする方法だ。

それでも引き下がらない強い信念の持ち主なら、それこそが彼の必要とする人材だった。ジョブズはまず、仲間の提案を「クソだ」と切り捨てる。それに相手が反論し、自説を曲げずに食い下がってくると、ジョブズは相手を信頼した。自分の技術的な知識や美的センスに自信がない場合は特にそうだった

(実際、早くからデザインの重要性に気付いていたジョブズだが、当初はアップルIを金色の木箱に入れようとしたほど趣味が悪かった)。

スタッフに対するジョブズの要求水準は高く、それに刺激されて、みんな仕事に没頭するようになった。こうしてジョブズは部下の心理を巧みに操り、アメとムチを使い分けるようになった。

革新的な新製品を開発するとき、ジョブズは最大限のリスクを取った。消費者グループの意見や市場調査などは無視し、自分自身の直感を頼りに判断を下した。

…以下続く。

円高に対抗するためのファンドを! 池田清彦…週刊朝日9月9日号より

2011年09月05日 14時53分36秒 | 日記
*芥川が、彼の週刊朝日の連載コラムは欠かさず読んでいるように、去年7月、忽然とネット上に姿を現した芥川賢治が、先般の池田教授の論説を、これぞ全国民必読と思い、知るだけでは足りない、認識してくれと、敢えて短い文節に切り分けて、数章に分けて、強調、大文字の限りを尽くして(笑)掲載させて頂いてから、池田教授は、折々に芥川の文章を読んでいるはずだと、芥川は勝手に思っているのである(笑)。

芥川が誰も為し得なかった、解答を出した事は、彼も、薄々気が付いているはずだと芥川が思うのは、今回の池田教授の論説は、芥川の解答を、推測しようとしたものではないかと感じるからだ(呵々大笑)。

勿論、芥川の解答は、「カラマーゾフの兄弟」における、人類の平和に対する、答えのようなものだから、流石の池田大教授の推論も全く当たらないのである。

池田教授の発想も、過去20年超続けられた、たった3万人の連中の発想よりは、遥かに良いのだが。


池田教授の机上の放論  池田清彦

円高に対抗するためのファンドを! 

アメリカが国債のデフォルト(債務不履行)に陥りそうになってドルが急落している。アメリカでは債務の上限が法律によって決まっており、上限を引き上げる法案に対して、共和党の一部が強硬に反対したため、話がややこしくなったのだ。

アメリカでは現在、上院ではかろうじて民主党の議席数が共和党を上回っているが、下院では逆で、日本と同じようにねじれているのだ。ティーパーティーと呼ばれる共和党支持の強硬派の人々は、小さな政府をかかげて財政赤字の削減を強く求めており、当然、債務の上限引き上げに対しては反対していた。

デフォルトに陥らないためには、オバマ大統領は共和党に譲歩せざるを得ず、債務上限を日本円にして一六二兆円引き上げるのと引きかえに、財政赤字を今後一〇年で一八五兆円削減することを盛り込んでやっとのことで法案を通した。

しかし、これに対しては、貧困者や弱者保護に反するという民主党議員の反発があり、下院では民主党議員の約半数にあたる九五人もが反対票を投じたという。オバマ政権も巨大な財政赤字に押しつぶされて、打つ手がない状況に追い込まれつつある。

英国のエコノミスト誌に「Yes,you KAN」と皮肉られたのは、アメリカもまた日本病に罹っているということなのだろう。ちなみにアメリカの借金は一一四〇兆円で日本は九〇〇兆円。ドル急落の煽りを食って、日本の輸出産業は青息吐息なのだから、同病相哀れむ、とばかりも言っていられない。

円高に対して日銀は円売りドル買いの介入をしたが、介入には限度があり市場の動向を変えるほどには至らないだろう。大震災でオタオタしている日本経済を市場はそれほど信用しているとはとても思われないから、円高は、この際一気に日本の輸出産業を潰してしまおうとの陰謀かもしれないと疑り深い私は思ってしまう。

まあ陰謀かどうかは別として、円高に対抗する最も合理的なやり方は、日本国民から資金を募って、それでも足りなければ日銀がお金をバンバン融資して巨大な買収ファンドを立ち上げることだ。

それでアメリカをはじめ世界の優良IT産業の株や不動産や資源を買い占める。円高になればなるほど相対的に安く買えるのだから、ファンドに投資した人や企業は円高をさほど苦にしなくなる。

もちろん真のねらいは、ファンドによる買収を恐れた外国が円高を阻止しようと動くことだ。それにもうひとつ。このファンドは万一日本がハイパーインフレになった時のリスクヘッジでもあるのだ。

いけだ・きよひこ 1947年、東京都生まれ。東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了。生物学者。現在、早稲田大学国際教養学部教授。主な著書に『環境問題のウソ』『ほんとうの環境問題』、近著に『ぼくらの昆虫採集』(共著)など。

まず銀行の資本増強を ユーロ危機 専門家に聞く…日経新聞9月5日7面より

2011年09月05日 14時28分49秒 | 日記
UBSシニア エコノミックアドバイザー ジョージ・マグナス氏

--ユーロ圈の危機がおさまりません。

「欧州の政治家や金融当局者の対応は後手に回り、イタリアやスペインにまで懸念が広かってしまった。欧州中央銀行(ECB)が、イタリアやスペインの国債購入に動いて市場は一時的に落ち着いたが、投資家はこれが最終的な解決手段だとは思っていない」

「ユーロ圏の問題は氷山のようなものだ。氷山の水面上に出ている部分は債券市場の危機。水面下にあるのはユーロの『存在に関する危機』だ。つまり17力国が機能する合意や組織を生み出せるかどうかという問題だ。この2つは密接に関連している。ユーロがもがきながら前進するのか、今の形では生き残れないのか、誰にも結末はわからないのではないか」

--何をすべきなのでしょうか。
「すぐに対処すべき問題は政府債務より金融システムの問題だ。今必要なのは銀行の資本を増強し、債券市場の危機をおさえることだ」

「例えば、スペインやイタリア向け融資が多いフランスの銀行に不良債権増の懸念が広がり、それが金融システムの不安につながっている。銀行の資本を増強し損失を吸収できるようにし、金融システムを強化すれば信頼回復につながる」

「ユーロ共同国債など大きな問題に取り組むのはその後だ。まず債券市場の危機を止めた後で、ユーロ圏の長期的な安定について議論すべきだ」

―-何行ぐらいの資本増強が必要ですか。
「何行かはわからない。スペインの貯蓄銀行やドイツの不動産銀行など中堅クラスだろう。ドイツ銀行や(スペインの)サンタンデール銀行など大手行は必要ないだろう」

--ユーロ圏は対策をどう進めるべきですか。
「7月のユーロ圏首脳会議で、欧州金融安定基金(EFSF)を銀行の資本増強にも使えるようにすることで合意した。だが、ユーロ加盟17力国の議会承認を得るのにまだ時間がかかる。また現行4400億ユーロ(約48兆円)というEFSFの規模も、イタリアやスペインの問題に対処するには小さすぎる。市場の信頼を得る防衛策には2兆~2・5兆ユーロの規模が必要という声が多い」 

-―欧州景気が二番底に陥る懸念もあります。
「今後半年以内に欧州が景気後退に陥るかどうかは五分五分とみている。欧米では、経済の長期停滞という『日本化』を懸念する声があるが、政策でも日本と同じ間違いをする恐れがある」

「日本が1997年に景気回復がはっきりしないうちに消費税率を上げたように、ドイツのように財政危機にひんしていない国まで財政緊縮に動いている。

『余裕のある国は景気刺激策をとる』といった20力国・地域(G20)レベルの合意が必要だ。財政緊縮だけでは政府債務危機を脱することはできない。雇用回復も重要だが、欧州も米国もそれに手を付けていない」 

(随時掲載)

ジョージ・マグナス氏
ロイズ、バンク・オブ・アメリカなどを経て1995年から2005年まで、スイス大手銀UBSの主任エコノミスト。米国のサブプライム危機が世界的な景気後退につながると早くから予測した。

企業の国内立地補助 拡充…日経新聞9月5日1面より

2011年09月05日 13時54分26秒 | 日記
政府検討 円高・空洞化に対応 

野田内閣は4日、円高対策を含む2011年度第3次補正予算案の検討に本格着手した。安住淳財務相ら経済4閣僚が初会合を開き、早急な円高対策の必要性で一致。企業の国内立地を促す補助金の拡充や、中堅・中小企業への長期資金の供給などが柱となる。

歴史的な円高が国内産業の空洞化を招き、日本経済の成長力に悪影響を及ぼさないように万全を期す構えだ。(産業の空洞化は3面「きょうのことば」参照)=関連記事3面に

中小には長期資金供給

今回の円高・空洞化対策は、東日本大震災で部品などのサプライチェー・ン(供給網)が寸断した経緯を踏まえ、事業分野を問わず、部品や素材で一定以上の市場占有率を持つ中核企業の設備投資を支援するのが特徴。

補助率の引き上げも視野に、国内投資を促す。経済産業省の3次補正での予算要求額は国内立地補助金の拡充だけで数千億円に上る見通し。10年度は、リチウムイオン電池や発光ダイオード(LED)など二酸化炭素(CO2)排出量削減につながる分野に限定して設備投資を支援した。

補助率は大企業で投資額の3分の1、中小では2分の1。補助金総額は約1100億円だったが、今回は大幅に上積みする。

円高で取引先の輸出企業などから一段のコスト削減を求められている中堅・中小企業の支援も拡充する。岩手、宮城、福島、茨城の被災4県で実施している複数の中小企業がグループで工場などを建設する場合の補助金を拡充する。

総事業費の4分の3(国が2分の1、自治体が4分の1)を補助する枠組みだが、11年度予算の予備費を使って前倒しで補助総額を積み増す方向で調整し、さらに3次補正で対象地域の拡大を検討する。

震災被害や円高で収益が悪化し、資本金が大幅に目減りするなど財務基盤が揺らいだ中堅・中小企業を支援するため、資本金に近い長期資金を供給する枠組みも設ける。

日本政策金融公庫の中小向け劣後ローンの拡充などを検討。製造業の場合、現在は資本金3億円以下、従業員数300人以下など対象に制限があるが、条件を緩和して中堅企業にも適川する方向で調整する。

10年程度、元本の返済を猶予し、利子分を支払えば済むようにする。鉢呂吉雄経産相は4日のNHK番組などで王場や研究開発施設を造るための補助を大胆に予算化して、国民に応えることが必要」などと述べ、円高・空洞化対策に意欲を示した。

円相場は一時1ドル=75 円台に突入して過去最高値を更新。その後も76円台で定着している。歴史的な円高が長期化する恐れが出ていることから、政府として対応が急務と判断した。。


アジア事業 量のマジック…日経新聞9月5日9面より

2011年09月05日 13時49分17秒 | 日記
金額を見据えた戦略必要  文中黒字化は芥川。

「様々な商品分野で中国、インドはじめアジア市場の膨張が続き、日本市場を上回るようになっている」と言われれば、誰しも納得してしまう時代になった。だが、その場合の市場規模は台数や個数など量なのか、金額なのかに注意する必要はないだろうか。

中国の自動車市場は2009年に米国を抜き、世界最大になった。昨年は1806万台と1158万台たった2位米国との差をさらに広げ、1国の年間販売台数としても00年の米国の1781万台を上回り、過去最高を記録した。台数では圧倒的な規模だ。

だが、金額でみるとどうか。中国の自動車市場の規模は主要17社の売上高2兆1000億元(25兆円)から推定すれば26兆円前後とみられる。米国は30兆円前後とみられ、台数では3分の2以下の米国市場の方が依然として中国を上回る。

当たり前だが、中国と米国で販売される自動車の単価が異なるからだ。中国では排気量1・6リットル以下の小型車が販売台数の7割を占め、1台40万円前後の地場メーカーの低価格車もある。ホンダの地域別自動車販売の金額、台数から計算すると、アジアの1台あたり単価は121万円だが、北米は223万円と1OO万円以上の差がある。

消費が急成長するベトナム。10年で3倍の規模に成長した即席めん(袋めん、カップめんの合計)市場で65%のシェアを握るのは、エースコックの現地法人で丸紅も出資するエースコックベトナム。「Hao Hao」など同社製品は圧倒的なブランドカを持ち、10年度の販売個数は31億2千万食。

エースコック本体の日本での販売個数は年間5億食前後で、個数ではベトナムが6倍を超える規模に達している。
だが、売上高でみると、逆に約500億円の日本が330億円のベトナムを大きく上回る。現地の購買力に合わせ、販売単価は1個十数円にとどまっているからだ。

アジアの消費市場の話になるとポルシェ、フェラーリなど高級車やシャネル、ブルガリなどのブランド品の売れ行きが話題にされやすい。確かに中国などの高級品市場は急膨張しているが、昨年の中国市場でのフェラーリの販売台数は300台にすぎない。それをもって中国の自動車市場を語れば判断を間違える。

アジアは依然として圧倒的に低価格品中心の市場だ。量の膨張にばかり目がいくと、売り上げ金額は肩すかし、ということになりかねない。まして低価格品ゾーンには現地企業も参入し、価格競争が激しいだけに利益は伸びにくい。多くの日本企業はアジア市場向けに低価格品を現地で開発、生産するようになってきているが、日本の感覚を引きずって、現地工場に高額の設備を導入すれば、償却に苦しむことになる。

ただ、量は別の意味も持つ。例えば、即席めん1個に使う小麦粉やパーム油など原料の量は日本と中国、東南アジアで大差はない。日本の10倍の個数が出れば、10倍の原料需要があり、10倍の物流量も伴う。

そこに金額ベースではみえない大きなビジネスチャンスも生まれる。アジアをめぐるふたつの「量のマジック」に注意すべきだ。

(編集委員 後藤康浩)


徹底研究 「松下政経塾の罪と罰」 …週刊朝日9月9日号より

2011年09月05日 11時31分21秒 | 日記
*先般は、週刊現代の松下政経塾についての記事を取り上げた訳だが、今回は、週刊朝日の徹底研究を取り上げたいと思う。芥川は何度も言うが、週刊朝日は100万部を超えるべきなのだ。

前原、野田、原口、樽床…表舞台に踊り出たものの

民主党代表選で久々に脚光を浴びたのが、松下政経塾だ。卒塾生初の総理大臣誕生へ期待が高まる一方、卒塾生議員たちには「軽い」「目立ちたがり」「エリート意識過剰」といった悪評もつきまとう。松下政経塾はどこへ行くのか。

松下政経塾出身の現職の衆院議員は31人。うち25人が民主党に属し、次世代のりーダーに名を連ねている。代表選に出馬した野田佳彦財務相はI期生、前原誠司前外相は8期生だ。ほかにも、樽床伸二元民主党国対委員長(3期生)や原口一博前総務相(4期生)、玄葉光一郎国家戦略相(8期生)などもOBである。

政経塾は、松下電器産業(現パナソニック)を創業した「商売の神様」松下幸之助氏が1979年。
「混迷の度を深めていく日本には、新しい国家経営をする指導者育成が必要だ」 との理念の下、70億円の私財を投じて神奈川県茅ヶ崎市に創設した。翌80年には、約900人の応募者から選ばれた野田氏ら23人のI期生が入った。

かつて幸之助氏の側近だった江口克彦・みんなの党最高顧問(元PHP総合研究所社長)はこう振り返る。
「当時、私か面接を担当したのですが、松下は『愛嬌と運のある人間を選んでくれ』とだけ言った。

最初は不思議に思いましたが、愛嬌のある人間にはみんなが寄ってくるから、情報が集まるし知恵も貸してもらえるという意味でした。確かに、晩年の松下はほとんど外出せずに養生していたのに、社内の誰よりも情報が集まっていました」

全寮制で、研修期間は初期は5年だったが、やがて3年になり、今春入塾の32期生から4年に変更された。
前半2年は「塾主(松下幸之助)研究」「古典講座」 「茶道」「剣道」や販売・製造現場での研修などを行う。後半は各自の関心分野の現場に出て、自主的に活動する。塾といいながら、毎月20万~25万円の研修資金と、年100万~150万円の活動資金が支給される。

早朝からラジオ体操と掃除、湘南海岸のランニングが日課。晴れた日だと走りながら富士山が見える。幸之助氏が茅ケ崎を選んだ理由の一つだ。研修の中でも過酷なのが、伝統の「100キロ行軍」だ。年に1度、数人のグループに分かれ三浦半島を24時間以内に一周する。

「グループ全員でゴールしなければならず、だいたい80キロ過ぎでケンカになる。『休みたい』って人と『このままゴールまで行こう』って人と。土壇場で物事をどうやって前に進めるかを学んだ気がする」(30歳代の卒塾生)

最初の10年間で誕生した国会議員は、祖父の代から政治家だった逢沢一郎氏だけ。89年に幸之助氏が94歳で亡くなると、志願者が激減し、存亡の危機が訪れた。

「ここで神風が吹いた。新党ブームです」『松下政経塾とは何か』(新潮新書)の著者、出井康博氏はそう指摘する。
 93年総選挙で細川護煕元首相の日本新党などから、野田、前原両氏や松沢成文・前神奈川県知事(3期生)ら15人の国会議員が一気に生まれた。政経塾を包む空気が変わった。

ところが、細川政権はわずか8ヵ月の短命に終わり、日本新党は崩壊。ここから幸之助氏なき政経塾は草創期とは違う、明後日の方向へ進んでいく。

「日本新党ブームで、政経塾の名前は一気にブランド化しました。政経塾は『地盤、看板、カバン』を持たない若者を選挙に出すのを理想にしていたのに、集まるのは『政経塾出身』の看板を身につけ、政経塾の先輩政治家から声をかけてもらおうともくろむ人ばかりになってしまった」(出井氏)

20期台のOBも経験を踏まえて言う。「入塾してすぐ『卒塾を待たずに選挙に出る。そのために入った』と言いきる人もいました。3期生までは幸之助氏自身が最終面接をしていた。当時だったら、そんな人は合格させなかったと思うんですけどね」

 開塾の理念薄れ 「選挙予備校」に

ブランド化したことで、塾生が選挙に出るまでの時間は短くなった。初期は「人を育てる」を根本精神にした幸之助氏の講義もあり、5年間かけてじっくりと人づくりをしていった。それが今や、2年以内に選挙へ出る例が続く。

…以下続く。


「7人に1人が貧困」の虚実…日経新聞9月5日21面より

2011年09月05日 10時59分23秒 | 日記
計算の方法で相違も 子どもの対策強化が焦点

・日本の相対的貧困率、解釈には注意が必要 
・高齢化の影響を考慮することが不可欠
・絶対数にとらわれず、歪みのない対策を


阪大教授 大竹文雄

…前略。文中黒字化は芥川。

子どもの貧困率の高さに関する研究を積極的に行ってきた研究者の一人、国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩氏が著した「子どもの貧困」(08年)によれば、2000年代に入り3歳未満の子どもの貧困率が上昇。

母子世帯の子どもの貧困率は66%に達し、日本では再分配後の所得でみた貧困率の方が再分配前の所得の貧困率より高いという。

貧困問題の中で子どもへの対処が重要なのは、学問的な研究からも明らかだ。ノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大学のベックマン教授の一連の研究でも、就学前の子どもの教育環境の良しあしが、その後長期的に大きな影響を与えることが知られている。

子どもの貧困率が上昇しているのは、その親の世代の年齢層での貧困率上昇が原因だと考えられる。


…後略。

政治家の甘えを許すな 従順な主権者、もっと主張を…日経新聞9月5日5面より

2011年09月05日 10時33分59秒 | 日記
G&Sグローバル・アドバイザーズ社長
橘フクシマ咲江氏

たちばな・ふくしま・さきえ 72年清泉女子大卒。米スタンフォード大大学院で経営学修士。米人財コンサルティング
のコーンーフェリー・インターナショナルに入り日本支社の社長、会長。10年から現職。11年から経済同友会副代表幹事。

…前略。 文中黒字化は芥川。

「電力危機を起こさない工夫は当然、必要です。だからこそ、それぞれの家庭や企業経営者は自主的に協力しました。でも、それを当然と考えているように見える官僚や政治家に少し憤りを感じました」 

ー-どういうことですか。
「大震災の発生後、被災者の忍耐強さや地域コミュニティーのまとまり、さらに新幹線の安全性もふくめ、海外で評価されたのは周知の通りです。その中で電力問題であらわになったのは、国民や企業の自己犠牲を払ってでも節電に協力する真面目さです。他の国にはみられないような生真面目な国民性に、官僚や政治家が甘えているのではないか。それに腹が立ったのです

「仮にアメリカが同じ事態に直面した場合、環境問題への意識が強い層や知識層は節電に協力するでしょうが、米国民の多くは自己犠牲を払わないでしょう。日本の消費者や経営者が節電に協力するのは電力供給が滞れば困るからですが、国の節電要請にここまで『はい』と、素直に応じる日本の消費者と経営者には敬服します」

「被災者も同様です。7月に被災地へ行ったとき、地元の首長が『これまで数十人の国会議員に窮状を訴えた。みな、よしわかったと言って東京に戻るが、その後ほとんどがなしのつぶてだ』と嘆いていました。

震災発生から1、2ヵ月間の政府の判断と行動が被災地経済の今後を左右するのに、行動がともなわない。これも甘えです。為政者は、被災者は暴動を起こさないと高をくくっているのでは
」 

--甘えは民主党政権だからですか。
「そうは思いません。戦後、私たちは経済成長で豊かな暮らしを築いてきた。最近は格差が広がったといいますが、世界を見渡せば、超富裕層とゴミの山に住むしかない人がいる国もあります。それが本物の格差社会では。

日本人にはまだ豊かさを享受する余裕があります。一方でハングリー精神が弱くなり、無気力にもつながっている。国民の間で政治に関わる意志が希薄になり、甘えを許す隙が生まれています」

…後略。


国を憂う気持ちが人一倍、強いのが日本の経営者の特徴です。

*フクシマさんが最後に言った言葉には、芥川は全く同感しているのだ。

夫は力をしぼって薄情な自分を拒否したのだ…週刊朝日9月9日号より

2011年09月05日 09時27分04秒 | 日記
お代は見てのお帰りに  小倉 千加子

おぐら・ちかこ 1952年、大阪府生まれ。心理学者。芸能にも造詣が深い。最新刊は「結婚の才能」(朝日新聞出版)

*何度も言うように、小倉千加子さんは、当代きっての、本当の、一流の知性である。

文中黒字化は芥川。

吉村昭が自死を選んだことは、『紅梅』の紹介文などで既に仄めかされてはいた。しかし実際に『紅梅』を読んでみると、その最期は思っていたものとはかなり印象が違った。

吉村氏が次兄の見舞いに行ったことを書いた私小説の中に、幕末の蘭方医佐藤泰然の死に言及するくだりがある。自ら死期が近いことを知った佐藤泰然は高額な医薬品の服用を拒み、食物をも断って死を迎えた。

「その死を理想と思いはするが、医学の門外漢である私は、死が近づいているか否か判断のしようがなく、それは不可能である。泰然の死は、医学者故に許される一種の自殺と言えるが、賢明な自然死であることに変りはない」

吉村氏は医学の門外漢であるにもかかわらず、自らの死期を図らずも知ることになったのである。脳裏をよぎったのは、佐藤泰然の「賢明な自然死」であったろう。

だが、自ら食を断つことは容易ではない。舌癌に罹った氏は既に口から物を食べられなくなっていた。『紅梅』では、「夫」は死の当日、妻(育子)にコーヒーを所望する。

育子がコーヒーを吸い呑みで飲ませると、「ああ、うまい」と言った。すぐに今度はビールを所望し、それも吸い呑みから喉を鳴らして飲んだ。この日、妻は珍しく夫のベッドの傍に出した卓袱台で仕事をしていた。「夫」の気に入りの花柄のワンピースを着て。

「夫」が可哀想という気持ちがあったからである。妻はその前の金曜・土曜と娘に付き添いの仕事を代わってもらっていた。
それまで、妻は「夫」のベッドの傍に蒲団を敷いて並んで寝ており、1時間半か2時間置きに尿意を訴える「夫」が自分を呼ぶと、その都度起きている。そういう日が何日か続いたある日、夜中に自分の名前を呼び続ける「夫」に妻は言う。

「ごめんなさい、もう少し眠らせて」そして、ひきずり込まれるように眠ってしまう。娘が代わってくれたのは、その翌日である。「夫」は家庭を持っている娘に世話になることにとても気を遣っていた。「夫」は気遣いの人なのである。

「東京の下町は隣近所が接近していて、始終気を遣って暮しているんだよ。他人さまに迷惑をかけないように、と親から言われ続けてきたんだ」妻は娘に世話をかけることを「ごめんなさいね」と、「夫」に詫びる。

「私はだらしがなくて。こんな時に眠いなんて。普段は不眠症なのに」「おまえは仕事があるんだから」
妻が花柄のワンピースを着て、ベッドの傍で仕事をした理由である。

「夫」の闘病や妻の看護をノンフィクションとして記したなら、こういう事情を書くことはできなかったろう。ただし、「小説」である以上、何か真実であるのかは誰にも分からない。

自死はその日の夜、妻がベッドの傍に蒲団を敷き始めた時に行われる。「夫」はいきなり点滴の管のつなぎ目をはずしたのだ。
「もう、死ぬ」「夫」は看護ステーションから駆けつけた看護師にも激しく抵抗した。自ら選んで泰然と死に向かうことなどできないのである。

「もういいです」妻は管をはずした「夫」の背中をさすってやる。さすられている間に「夫」は躯を半回転させてしまう。
残る力をしぼって躯を回転させたのは「情の薄い妻に絶望して死んだのである」と妻は書いている。

なぜかその理由は本当のような気がするのである。


この国の高学歴って…週刊朝日9月9日号より

2011年09月05日 09時14分55秒 | 日記
しがみつく女 室井佑月

…前略。  文中黒字化は芥川。

そうそう、デモについてもどの程度の規模に膨らんだのか知りたい人は多いだろう。

福島の人々の声だって、もっと取り上げてもいい。原発事故は福島だけのことじゃない。どこの地域で、どの程度の除染活動を行っているのか、毎日載せたっていいんじゃない? 国民みんなで考えなきゃいけないことでしょうよ。

先週、新聞の定期購読を1紙やめた。3年前にも2紙やめたから、今は1紙しかとっていない。
「定期購読をやめます」と販売店に連絡したら、そこの従業員の方に、コ応、どうしてなのか聞かせてもら ってもよろしいでしょう か」と馬鹿丁寧に訊ねられ た。たぶん、そうするよう、上(新聞社)から命令されているのかもしれない。

どうしてって、そりゃあ面白くないからだ。新聞をとっていてここ数年で、(この情報を知って良かったわ!)そう思ったのは、家の近所のスーパーのチラシ広告ぐらいかも。

今の若い子たちは、ネットでニュースを観ているという人が圧倒的に多い。これから先、新聞という媒体は、世の中に存続しつづけられるんだろうか。

というかさ、あたしの知ってる新聞社の人間は、すっげえ高学歴ばかりなんだけど。彼らは今、賢い頭でなにを考えているのかしら。高学歴といえば、この国の高級官僚といわれる人々もそうだ。知り合いは皆無だが、彼らが今なにを思って、この国の今後をどう考えているのかが知りたい。

原発事故ではっきりしたが、この国を動かしてるのは政治家じゃない。下手な通訳はイラネ。政治家が官僚の駒だとわかった今、直接、国民の前に出てきて話をしたほうが手っ取り早いんじゃないのかな。そう思いません?

アンアンのセックスは女をきれいにした?…週刊朝日9月9日号より

2011年09月05日 09時10分41秒 | 日記
北原みのり 

…前略。

40年分を読んだ。ほぼ2年間、国会図書館で昔のアンアンと出会いながら、気がついたこと、一つ。アンアンほどセックスを語り続けている女はいない。

それがたとえつまんないセックスを語るようになったとしても、語る口を閉ざさないことが大切なのだと思えるほど、アンアンはセックスを語り続けてきた。アンアンがつまんないセックスしか語れないのだとしたら、それは今を生きる女自身の問題なのだ。

でも、どうして? なぜ、今の女は自由じゃないの?
それは本書を書いた後も私の心に残る疑問。ぜひ読んでいただいて一緒に考えてほしい。そして自分に聞いてみて。アンアンのセックスできれいになれた?