文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

スイス、無制限介入…9月7日、日経1面から。

2011年09月07日 17時26分36秒 | 日記
総領の甚六

老舗と出入り業者

ナゾナゾ

エアコン全開で湿度70%! 芥川は危うく…。その事に気付いたのは40日が経過してからだった。


日本の家は屋根が低い その屋根の上に 人参 牛蒡が乗っかり

そうして わたしの青春が過ぎて行った と 石垣りん は 歌った。

過ぎた35年超の、たった3万人と日本の関係も、殆どこれに等しい。



スイス、無制限介入

ギリシャ支援に暗雲 
欧州不安 再び市場混乱


「おためごかし」な3万人や痴呆テレビなんかで成り立っていない国は、やる時は、やるのである。

©芥川賢治
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シリコンバレー 日本人、相次ぎ起業…日経新聞9月7日12面より

2011年09月07日 16時53分41秒 | 日記
スマホ・クラウド普及追い風 アプリ紹介や電子楽器開発
世界展開しやすく


【シリコンバレー=奥平和行】
米カリフォルニア州のシリコンバレーで日本人によるIT(情報技術)関連企業の創業が相次いでいる。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)や、ソフトをネットワーク経由で使うクラウドコンピューティングの普及で起業コストが低下。

世界展開のしやすさや、事業が軌道に乗った後に他企業へ売却するといった「出口戦略」の立てやすさも進出に拍車をかけている。

東京大学の助教や楽天の執行役員を務めた柴田尚樹氏(30)らは6月、利用者の好みに合ったスマホのアプリを紹介するサービス提供会社、アップグルーブスを設立した。利用者がスマホに登録しているアプリを解析し、選好を探し出す仕組み。8月のサービス開始から10日間で9万人程度が利用を始めた。

柴田氏は2009年にスタンフォード大学の客員研究員として渡米。シリコンバレーの空気に触れて起業した。「日本市場は成長が見込みにくい。大きい市場で勝負すべきだ」と判断。設立から間もない企業を中心に少額出資するファンド、500スタートアップスの支援を受けた。

シリコンバレーでネットワーク関連ソフトの開発会社を設立し、05年に売却した吉川欣也氏(44)は、米グーグルの基本ソフト(OS) 「アンドロイド」を利用した電子楽器の開発会社、ミセルを設立した。

インターネットに対応し、友人と楽曲の共有ができる楽器の開発を進めており、12年冬の発売を目指す。
吉川氏はITの中心地で大きくなれば世界で注目される」と考え、シリコンバレーでの再起業を決断した。このほど産業革新機構から600万ドル(約4億6000万円)の出資を受け、開発体制を強化する。

久保渓氏(26)はアプリ開発者向けにホスティング(サーバー貸し出し)サービスを提供するフラックスフレックスを設立した。同サービスは利用者の手続きを軽減し、利用容量を自在に増減できるのが特徴。

久保氏は「世界で勝てないサービスは日本でも生き残れない」とシリコンバレーで起業する道を選んだ。さらに「シリコンバレーでは大企業がベンチャー企業を買収する事例も多く、出口戦略が立てやすい」と話している。

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眠れる「新型原油」が台頭 超重質油やオイルサンド 価格体系揺るがす…日経新聞9月7日24面より

2011年09月07日 16時35分34秒 | 日記
国際商品の高騰が長期化している。トウモロコシ、金、銅は今年になって最高値を更新し、原油も5~6年前と比べ価格水準が切り上がったままだ。

高騰を受けて供給や需要に変化のうねりが起き、将来の国際商品市場の姿が大きく変わる可能性が見え始めた。
カナダ西部・アルバータ州の広大な露天掘りの採掘現場。黒い表土を削りとった大型ショベルカーが巨大なダンプカーに荷を移す。

掘っているのはオイルサンドと呼ばれる原油を含んだ砂。従来 とは違う手法で採り出す 「非在来型」と呼ばれる新しいタイプの原油だ。中東で見かけるやぐらもパイプもなく、鉄鉱石の採掘現場のようだ。

輸出先は米国

カナダは日量330万バレルを生産する世界6位の産油国一。ほぼ半分を占めるオイルサンドが原動力となり、10年間で生産量は1・2倍になった。生産量の半分が輸出されるが、ほとんどを受け入れているのが米国だ。

「米国はメキシコなど政治・経済で結びつきの強い国から輸入を増やし、戦略的に中東依存度を下げてきた。カナダからの輸入拡大もその一環だ」 (日本エネルギー経済研究所の森田裕二研究理事)。

米国のエネルギー戦略は米国産WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油が世界の指標という30年近く続いた常識も覆した。WTIは現在は1バレル85ドル前後だが、欧州の指標の北海ブレントはWTIに連動せず110ドル前後の高値で推移する。

欧州は北海ブレントを生産する北海油田の枯渇に有効な対策を打たなかった。「欧州各国は貿易と相互依存の長い歴史がある。エネルギーの欧州域内の生産にはこだわらない」(英BPのグループチーフエコノミストのクリストフ・ルール氏)。北海油田の生産は過去10年でほぽ半減。品薄になったところを投機マネーに狙われ、大きく値上がりした面がある。

オイルサンドの開発が可能になったのは原油価格の高騰で採算が合うようになったためだ。中東・北アフリカの原油採掘コストは1バレル10~25ドルだが、オイルサンドは最近の開発例で80ドル程度。価格高騰が続けば、眠っていた原油の開発が加速するのは確実だ。

ベネズエラ首位 

原油高の波紋はさらに広がる。石油輸出国機構(OPEC)が7月に発表した年次報告では長年原油の埋蔵量が世界トップだったサウジアラビアが2位に転落した。代わりに首位に躍り出たのが南米のベネズエラだ。

ベネズエラには採算ラインが40~80ドルという非在来型の超重質油「オリノコタール」が豊富にある。OPECは原油高で採算が合うと判断し、ベネズエラの確認埋蔵量を一挙に引き上げた。

膨大な埋蔵量 

米国中心に分布する岩の間にため込まれた原油 「オイルシェール」も潜在的な供給力は巨大だ。まだ試験段階だが、世界の埋蔵量は在来型の原油の可採埋蔵量の4倍近い4兆7千億バレルといわれる。うまく活用できれば 「米国は輸入をほとんどなくすことも可能だろう」(東京国際大学の武石礼司教授)。

国際エネルギー機関 (IEA)は昨年の年次報告で在来型の石油生産が2006年をピークに減少に転じたと発表した。しかし、非在来型原油などの生産拡大で供給量は35年には現在の日量8千万バレルから1億バレル近くに拡大する。

『原油の枯渇を論じるピークオイル論は完全に下火になった」(国際石油開発帝石の板野和彦・経営企画本部副本部長)産油国の間では出荷価格の指標をWTIから北海ブレントに切り替える動きが続いている。

サウジアラビアのように指標原油をWTIからメキシコ湾岸産原油に切り替えたケースもある。ただ、北海ブレントも「産出量の減少が続く中、このまま人気が続くかどうかは分からない」 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員)という。新しい価格秩序の模索は当面続きそうだ。
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新型天然ガス 採掘方法に国際基準…日経新聞9月7日7面より

2011年09月07日 16時07分36秒 | 日記
国連、汚染懸念に配慮

国連は新型天然ガスの「シェールガス」の普及を後押しするため、地下水の汚染などの環境問題を起こさない採掘方法の国際標準をつくる。フランスが生産を禁止するなど採掘時の環境汚染への懸念が開発の妨げとなっているためだ。

欧米各国の政府のほか、資源開発会社や非政府組織(NGO)を加え、11月に欧州本部で開く会合で具体的な基準について議論を開始する。シェールガスは地中の頁岩(けつがん)に含まれ、化学物質や砂を含んだ水を高圧で注入して岩盤に亀裂をつくり、採取する。

しかし、採掘によって地下水が汚れたり、ガスが地表に漏れ出したりする危険性が指摘され、北米以外では商業生産は本格化していない。国連は注入水が含有する化学物質や採掘方法を一つ一つ点検し、最も安全性の高いやり方を特定し、それを国際標準にして各国に示す。

今のところ、地下水に悪影響を与える化学物質の使用は禁じ、注入水は最終的に抜き出すよう求める方針。セメントで地下水と隔離することも有効と見ている。飲用水の水脈近くでの採掘を避けるため、水脈を確認する地質調査の実施も盛り込む見通し。

北米以外での採掘が本格化すれば開発会社にとってもメリットが大きいため、欧米の主要企業が議論に参加する意向を示しているという。

環境関連のNGOも議論に参加させ、慎重派の意見も国際標準に反映させる。国際エネルギー機関 (IEA)の予測では、2035年時点の天然ガス需要は08年に比べて63%増え、世界のエネルギー需要の4分の1を賄う。開発が順調に進めば、35年に天然ガス全体の11%をシェールガスが占める見通しだ。

(ジュネーブ=藤田剛)

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有機EL開発へ覚悟 サムスン独走 許すな…日経新聞9月7日10面より

2011年09月07日 15時38分02秒 | 日記
液晶パネル 大統合

「堂々とは配れないのですが」。今年8月、シャープ幹部が液晶製造装置メーカーの社長に手渡した名刺には意外な部署名が記されていた。「有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)開発推進本部」

ひっそりと準備

有機ELは自発光の有機材料を使うパネル技術。液晶で必要なバックライトやカラーフィルターが不要で、液晶よりも薄型・高精細化か可能と言われる。ただ、量産技術の確立が難しく本格普及が遅れている。

だからこそ、シャープは 「液晶の次は液晶」と公言し続けてきた。その姿勢に変化が表れたのは4月。液晶パネルの組織を、テレビ用の大型と、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などに使う中小型に分けた。その際、中小型を扱う組織名は「ディスプレイデバイス開発本部」と「同事業本部」となった。「液晶」の言葉を外したのだ。

シャープが有機ELを開発していることは、かねて噂されていた。今春、ひっそりと専門部署を立ち上げた事実は、事業化準備へと
ステージを一段引き上げたことを意味する。

「液晶の次」をにらんで動くのはシャープだけではない。ある有機EL製造装置大手の幹部は「ここ2~3ヵ月で国内外のパネルメーカーからの引き合いが急増した」と明かす。東芝、日立製作所、ソニーの3社が2012年春に設立する中小型液晶の新会社も有機ELの量産をにらむ。

有機ELの量産機運が急速に高まってきた背景には、韓国サムスン電子の成功がある。「画面がきれいで動作が速い」。
都内の家電量販店で、サムスンの「ギャラクシーSⅡ」を購入した女性は理由をこう話す。有機ELを搭載したSⅡの世界販売台数は、4月末の発売からわずか85日間で500万台を突破。

4~6月期のスマホの世界販売台数では米アップルの「iPhone」(2023万台)に次ぐ2位に浮上した。9月2日にベルリンで開幕した独家電見本市「IFA」でもサムスンは有機ELを採用したタブレット端末など新製品を発表。

同社のブースは多くの来場者でにぎわった。今や世界の有機ELパネル市場の8割を握り、「有機ELといえばサムスン」のイメージを作り上げつつある。バックライトにLED (発光ダイオード)を採用した液晶テレビを「LEDテレビ」と命名し、世界的にヒットさせた手法をほうふつさせる。

技術の補完カギ 

出遅れた日本勢は挽回できるのか。そのカギを握るのはやはり3社連合による新会社だ。高精細で消費電力の少ないパネルをつくるための要素技術を3社がそれぞれ蓄積しており、相互に補完性があるからだ。

東芝の強みは「低温ポリシリコン」と呼ぶ電極材料を効率良く生産する技術。ガラス基板上に配列する電極を小さくできるため、光の透過率を高め美しい映像を表示できる。日立はキヤノンと有機EL技術を共同で開発してきた。キヤノンの100%子会社のトッキは有機ELパネルの装置開発で最先端を行く。

ソニーは07年に世界初となる11型の有機ELテレビを発売した。テレビの国内販売は終了したが、放送局などで使う25型と17型の有機ELモニターを生産しており、コスト削減のメドさえ立てばいつでも事業化できる技術はある。

東芝の佐々木則夫社長は 「サムスンより低消費電力技術で優れている。相当の覚悟で臨む」と話す。かつてシャープは液晶の用途をパソコンやテレビだけでなく、ゲームや携帯電話などに広げて普及をけん引した。将来は紙のように薄くしたり、折り曲げたりできる有機ELも、液晶の単純な置き換えにとどまらせない発想が求められる。

(第7部おわり)
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東芝、米WH株追加取得へ 「次の提携相手」焦点…日経新聞9月7日9面より

2011年09月07日 15時27分06秒 | 日記
WHの原子炉 新興国で人気高まる

東芝は6日、米エンジニアリング大手のショー・グループから、米原子力大手ウエスチングハウス(WH)の株式20%を取得すると発表した。取得金額は約1250億円の見通し。取得時期は未定としている。これにより東芝のWHへの出資比率は87%に高まる。

東芝は2006年に総額54億ドル(約4200億円)でWHを買収。ショーは20%を出資し、東芝、WHと原子力事業で協力関係にあった。ショーのWH株売却後も協業関係を継続していくという。

新たな変化の前兆か。東芝による追加取得の情報が伝わると、業界関係者はざわめいた。

東芝は今回、米ショーから米WHの20%の株式を買い取った後、新たな提携相手を探すとみられる。米WHは新興国などが好む型の原子炉を手掛けており、将来の再々編の伏線となる可能性がある。

原子炉は加圧水型軽水炉(PWR)と沸騰水型軽水炉(BWR)の2つに大きく分かれる。新興国で高いシェアを持つのはPWR。米WHはPWRの大手だ。福島第1原発はBWRであるため、ますますPWRの人気が高まりそうだ。新規原発の受注先を日本に内定したトルコ政府もPWRでの建設検討を求めている。

原発の成長市場である中国やロシアの新規案件の大部分もPWRであり、この型を得意とする米WHと組みたい企業は少なくないとみられる。ショーからWH株を買い取った後、東芝はどこと組むのか。関係者は注視している。
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最先端レーザー施設 創薬効率化に活用…日経新聞9月7日9面より

2011年09月07日 15時17分56秒 | 日記
理研 スパコン「京」と接続

理化学研究所は最先端のレーザー施設とスーパーコンピューター「京(けい)」をつなぎ、創薬を効率化する産学連携計画を開始する。

参加する大学や製薬企業を10月から募集、来春、まずレーザー施設で実験を始め、秋以降にスパコンと結ぶ。病気組織のたんぱく質に
レーザーを当てて構造や変化を詳細に分析。得られたデータをもとに京で計算し、薬として使える化合物を設計する。

レーザー施設は「SACLA」と呼ばれる。レーザー光のようにピンポイントで照準を合わせられる性質と、エックス線以上の強度を併せ持つ「エックス線自由電子レーザー光」を出す。がん組織のたんぱく質などの立体構造を、原子レベルで詳しくとらえられる。

SACLAは兵庫県佐用町にあり、分析データは専用回線経由で即座に神戸市の京に転送できるようにする。免疫反応を応用し、病気組織のたんぱく質に薬剤をくっつけて治療する抗体医薬などの開発に生かす。

たんぱく質の正確な立体構造がわかれば、くっつきやすい薬剤の設計に役立つ。設計に必要な膨大な計算を京で高速に進める。
製薬業界では、たんぱく質の構造解析と計算を組み合わせた創薬手法が広がりつつある。今回の計画は、より正確で容易な解析手段の確保と、計算速度向上を同時に実現するのが狙い。

文部科学省の研究計画の一環で、同省は約5億円を2012年度概算要求に盛り込む。日本企業の新薬開発力の底上げにつなげる。
従来はたんぱく質に特殊な処理をして結晶を作らないと構造を調べられず、分析に3年程度かかっていた。

SACLAを使えば結晶化は不要なため時間を半減でき、自然な状態で観察が可能。同様の装置は米国にもあるが強度が弱く、SACLAの方が構造解析の精度が高いという。
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親ビジネスで空洞化防げ…日経新聞9月7日1面より

2011年09月07日 14時31分12秒 | 日記
編集委員 西條都夫

東南アジア各地で工業団地が飛ぶように売れている。かつての通貨危機の後遺症で、同地域の工場用地は長らく売れ残りが目立ったが、昨年から需要に火が付いた。

例えばインドネシアのジャカルタ近郊に広がるGIICという工業団地。1年前には空き地が多数あったが、今は完売。開発主体の双日の担当者は「ここ1年で地価は一平方び50米ドルから100米ドルに跳ね上がった。それでも買い手が後を絶たず、新たな造成を検討中」と打ち明ける。

先端品も海外に 

土地取得に走るのは、ほかでもない円高や電力不足に苦しむ日本企業だ。自動車から食品まで業種は広範。企業の規模も様々だが、共通するのは国内生産を絞り、アジア生産を増やす「脱日本」の動きである。

新政権の待ったなしの課題は、こうした空洞化に歯止めをかけ、国内の産業基盤を守ることだ。手をこまぬけば、アジアの活況の裏で、日本各地から産業の集積や働く場が徐々に姿を消すだろう。空洞化懸念は過去にも何度か浮上したが、今回は二つの点でより深刻であることを、関係者は銘記してほしい。

一つは、汎用品は海外、先端品は国内生産という役割分担が崩れ、「日本ならでは」の品目まで海外流出が進んでいることだ。三菱化学はリチウムイオン電池の主要材料の量産工場を中国に新設する。森精機製作所は1台で様々な加工をこなすマシニングセンターの中国生産を検討中。いずれも国内でしかつくってこなかった「門外不出」の製品や技術が海を渡る。

もう一つは製造業の4番打者ともいえる自動車産業の窮状だ。最大手のトヨタ自動車さえ円高で輸出車の採算が著しく悪化し、2011年3月期の単独決算は4000億円超の営業赤字を計上。

日本の自動車産業は過去30年間、年産1000万台前後を維持し、ほぼ半分を輸出してきたが、「5年で輸出がゼロになるかもしれない」と自動車大手の首脳はショッキングな予想を口にする。

仮に自動車生産が半減すれば、みずほコーポレート銀行産業調査部の試算では国内総生産が3%程度落ち込み、100万を超える雇用が失われる。鉄鋼などの関連産業は弱体化し、貿易収支の悪化も避けられない。

スローガン先行 

過去2代の民主党内閣は空洞化を阻止するどころか、企業の背中を外に押してきたのが実態ではないか。労働規制の強化や温暖化ガスの大幅削減を打ち出した。産業の基盤である電力についても「脱原発」「自然エネルギー」といったスローガン先行で、地に足の着いた供給計画は示されていない。

それに呼応して、企業側にも「政府は頼りにならない」というしらけた空気が広がった。経団連の米倉弘昌会長が政府の新成長戦略実現会議を欠席したのは、政経の「冷戦」を象徴するものだ。

だが、厳しい状況を前にして、互いにいがみ合うヒマはない。野田佳彦新首相は就任あいさつで経団連を訪れ、変化をアピールしたが、この機をとらえて、意外感のある 「ブロービジネス(親企業)」的政策をいくつか打ち出してみてはどうか。

円高是正や貿易自由化、法人税低減などテーマには事欠かない。あえていえば、その政策にどれほど効果があるかより、政権の本気度が伝わることが重要かもしれない。「ビジネスに無関心」「企業に冷淡」。そう見られていた民主党が変身した、というメッセージが広がれば、経済界や投資家の間で日本再評価の機運が高まるだろう。

むろん企業も再編統合などを進めて競争力を高める努力が欠かせない。「失われた20年」を経て日本の経営者は総じて萎縮し、世界のライバルに比べて大胆さに欠けた。米国などに比べ、産業の新陳代謝も不活発。IT(情報技術)や環境分野で、21世紀型の産業の主役を育てる必要がある。

震災から半年。現場の驚異的な踏ん張りで、供給網は予想以上の早さで復旧した。今度は政治と経済のリーダーが自らの責任を果たす番だ。
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