文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

思想家・鶴見俊輔の肉声 日本人は何を捨てて来たのか 筑摩書房 2,200円について。

2011年09月14日 17時54分25秒 | 日記
この関川夏央が鶴見俊輔たいじんにインタビューした本は、実に、凄い本なのである。

先日、弊社専務がプレゼントしてくれたのだが、直ぐには読まずに…パラパラと読んで、積んで置いた。

昨日の東京行に、一番、相応しいのは、これという直感が有って持参した。行きの新幹線の中で、一気に読んだ。

今日は、今日で、病院での待ち時間の間に残りを一気に読んでいた時のことだった。

「残像を保ち続ける」

関川 もうひとつおもしろいのは、無着成恭がいた山形師範の一年下に藤沢周平がいたんです ね。二人は同い歳なんだけども。
鶴見 そうそう。ほとんど言葉を交わしていない。でも、状況は同じでしょう。
関川 『君たちはどう生きるか』とかけ離れた環境なんだけど、どこか考え方には呼応するところがある。卒業した藤沢さんは、無着さんと違って海に近い庄内地方の新制中学に赴任したんだけれども、二年くらい勤めたところで肺結核と診断され、やがて東京の清瀬の療養所に入る。だから『山びこ学校』的実践はしていないけれども、気持ちは同じだったんだと思いますね。

P184から抜粋。

鶴見

…前文略  

弟子の名前は兵六というんだけど、兵六は、確かに粗忽者なんだけど、ちゃんと聞くんだ。
妻が最後の四分の一を伝える。兵六が刀を持ち庭に降りるのを見届けて、妻は家に帰るんだ。
兵六と二度と会うことはないという決意を秘めてね。それで終わり。なんともいえず、すごい作品でしょう。

関川 藤沢作品にはときどき恐るべき女性があらわれます。

P187から抜粋。

芥川は、ここで、突然、涙が溢れた…芥川は自慢じゃないが、藤沢作品は一度も読んだ事がないのだが、芥川の故郷の後輩にあたる人で、芥川が、とても敬愛しているだけではなく、芥川の、ビジネス人生に於いても、これ以上ない、出会いと機会を与えてくれた人が居るのである。

彼は、藤沢周平や、その他の、所謂、大衆時代小説家の、極めて優れた読み手なのである。

その彼の存在と、藤沢周平が、芥川の故郷の直ぐ隣、山形出身であったと言う、初めて知った事実、そういうものの全てが重なって、一瞬にして理解したのだろう。

芥川の、「文明のターンテーブル」、は、本当に、どえらい本なのだが、鶴見たいじんのこの本は、何であれ、知識人としての人生を送って来た人の本としては、空前絶後、と言って良い位の…そういう世界で人生を過ごした人の中で、ピカ一の本だと、芥川は思う。

そうでない世界で人を過ごした人の中で、芥川の、「文明のターンテーブル」、は、鶴見たいじんを…芥川の解答に依って凌駕すると言っても過言ではない、ピカ一の本なのである(呵々大笑)
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夏嫌いに成らざるを得ない体調の中で。

2011年09月14日 17時02分31秒 | 日記
編集のHさんと、営業企画のKさんとの打ち合わせで、以前から、招待されていたのですが、今が、その時と、芥川の大病を押して(主治医からのYESが出たので)昨日、早朝に、東京に入った。

家から駅に向かう途中、早くに行って早くに帰るに越した事はないな、と、短い距離だったが、タクシーに。

乗った途端に、異様な程のクーラーの効き具合。運ちゃん、早朝7時台だと言うのに、くしゃみをニ発も、してくれた。

幸い、芥川は、久し振りのスーツ(下半身にはタイツ)に、完全マスク姿だったから、良かったのだが。


大阪のタクシー業界と言うのは、本当に、日本の悪しき縮図の様な所が在る…芥川は、大阪有数のタクシー利用者だから事実が言えるのだ。

660円のタクシー程、ガタガタの車体…一体、何百万km走ったんだと言う様な、椅子は、ガタガタ、乗り心地は最低。

一方、500円のMKタクシーは、何からかにまで、最高。MKタクシーが、出現する前の、大阪のチャンピオン、540円の、さくらタクシーも最高なのだ。

これらが、安全面で問題が有ると陸運局は判断して、基本的に、660円にするのだと、以前に、運転手さんから聞いて、「何のこっちゃ」と思った。

又、或る時には、超ベテランの個人タクシー運転手から、業界の実態を聞いて、さもありなんと思った。

料金が高くて車体の悪い会社の、本当の経営者には、反社会的な人物のダミーがいたり、取り締まる筋の人が経営者をしている人が多いのだと、彼は、問わず語りに、話し続けた。

芥川は「へぇー、なるほどなぁ」と思いながら、目的地まで、聞かされ続けたのだった。
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三井物産 ロシアで車向け鋼材加工…日経新聞9月14日13面より

2011年09月14日 15時53分31秒 | 日記
ロシアで車向け鋼材加工 ■三井物産
 
13日、ロシアの鉄鋼大手と合弁で、同国に自動車用の鋼材加工センターを新設すると発表した。日系企業がロシアで鋼材加工事業に参画するのは初めて。

ロシアの自動車販売台数は2016年には年300万台を超え、世界7位の市場に成長する見通し。主に日米の自動車大手にサービスを売り込む。

ホンダ7カ月ぶりプラス ■中国新車販売台数 …日経新聞9月14日13面より

中国に進出する日系自動車大手6社の8月の新中販売台数が13日出そろった。

ホンダは前年同月比2・5%増の4万9596台となり、東日本大震災の影響を脱して7ヵ月ぶりにプラスとなった。

中国生産の正常化で先行した日産自動車の26・1%増、トヨタ自動車の14・9%増と比べると伸びは小さく、巻き返しを急ぐ。(広州支局)
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日産 中国内陸開拓急ぐ イベントで技術力発信…日経新聞9月14日13面より

2011年09月14日 15時49分10秒 | 日記
日産自動車は中国内陸の地方都市で、屋外型の技術発信イベントを今秋から本格展開する。

内陸部の消費者を主要顧客に想定している中国独自のブランド車「ヴェヌーシア(中国名・啓辰)」を2012年初め大型トラックを改造し、内部に日産の最新技術を紹介する体験コーナーやラウンジを設ける。

トラック周囲に車も展示し、消費者が技術から車まで総合的に体験できるようにする。内陸の都市を巡回し、週2~3回の頻度で開く。ブランドイメージ向上につなげる。

ヴェヌーシアは日産の中国合弁会社、東風汽車(湖北省武漢市)が主導して現地で開発・生産する。専用の販売網も整備していく。年内に試験的に出店を始め、15年までに250店体制にし、5車種以上を扱う予定。15年に30万台の販売を目指す。


インドネシア新工場建設発表 トヨタ、アジア輸出視野 …日経新聞9月14日13面より

【ジャカルタ=山田健一】
トヨタ自動車は13日、インドネシアに新工場を建設すると正式発表した。約263億円を投じ、ジャカルタ郊外にある既存のカラワン工場の隣に第2工場を建設する。年間生産能力は7万台で2013年の稼働を目指す。

インドで昨年発売した小型車「エティオス」をベースに開発中の低価格戦略車を生産し、アジア諸国への輸出も視野に入れる。

トヨタの豊田章男社長は同日、ジャカルタ市内のホテルで記者会見し。
「インドネシアは新興国の中でアジアのけん引役になる。生産したクルマを海外に届け、この国のパートナーと一緒に成長していく」と述べた。

第2工場の建屋面積は7万6千平方メートル。第1工場の11万台とあわせて、年産能力は現在より約6割多い18万台になる。

販売シェアが4割近い重要市場での工場建設を機に「攻めるのは新興国」(豊田社長)とする成長戦略を明確に打ち出す。
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「スズキと今後も協力」 フィアットCEO 提携強化前向き…日経新聞9月14日13面より

2011年09月14日 15時40分46秒 | 日記
【フランクフルト=下田英一郎】

欧州自動車大手、伊フィアットのセルジオ・マルキオーネ最高経営責任者(CEO)は13日、独フォルクスワーゲン(VW)に提携解消を申し入れたスズキについて「今後も協力しあえるだろう」と述べ、提携強化に前向きな姿勢を示した。フランクフルト国際自動車ショーで日本経済新聞の取材に答えた。

マルキオーネCEOは 「提携については常にオープンだ」と強調。その上で「スズキの鈴木修会長兼社長とは親密な関係を築いている」とし、「もし我々がさらに前進を目指すなら助け合うことができる。互いにとって良いことだろう」と述べた。

フィアットは6月、スズキヘのディーゼルエンジン供給で合意。VWはスズキが提携内容に違反したと主張している。
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VW、提携継続厳しく 「スズキ抜き」の成長探る…日経新聞9月14日13面より

2011年09月14日 14時54分10秒 | 日記
インド開拓や低コスト技術 「トヨタ超え」へ勝算

【フランクフルト=下田英一郎】
独フォルクスワーゲン(VW)とスズキの提携が2年足らずで解消へ動き始めた。VWにとってはトヨタ自動車を抜き、世界のどの自動車メーカーもなし得ていない年1千万台の新車販売を実現するための重要な提携だったはずだ。
インド市場や低コスト技術に強いスズキというカードなしに、VWは成長を続けられるのか。

◆会長の逆鱗に触れる 

フランクフルト国際自動車ショー開幕前夜の12日、VWのマルティン・ヴィンターコーン社長は19・9%のスズキ株を「持ち続ける」と話した。だが出資が続いても、事業パートナーとしての関係は消滅したに等しい。

実力者のフェルディナント・ピエヒ会長は「提携が終わってしまうのは恥ずべき結果。しかし持ちつ持たれつの関係が築けなければ提携は機能しない」と事業面での提携継続を事実上断念する考えを表明した。

同会長の逆鱗(げきりん)に触れたのが、VWの最大のライバルである伊フィアットからスズキがディーゼルエンジン調達を決めたこと。VWはフィアットから販売担当幹部を引き抜き、同会長がフィアット傘下のアルファロメオ買収をほのめかすなどフィアット経営陣を揺さぶっていた。

そんな中でのスズキとフィアットの握手。スズキの鈴木修会長兼社長は12日の記者会見でVWとの提携が「足かせになる」と指摘したが、VWにとってもスズキが「足かせ」となったわけだ。

提携当初、VWは出遅れたインド市場の開拓や軽自動車生産で培った低コスト技術の獲得を期待していた。VWが韓国勢対抗の切り札と位置づける小型車「アップ」。価格は9850ユーロ(約103万円)に押さえた。今後投入する派生車種のコスト削減にスズキの力を活用する予定だった。その意味で提携解消は痛手となる。だがスズキ抜きでの成長に目算が立ちつつあるのも事実だ。

インドでは小型車「ポロ」の現地生産モデルを昨年売り出し、今年1~7月の累計販売は前年同期のほぼ3倍に。米国でも現地生産の中型セダン 「パサート」を発売し、18年までにグループ販売を約3倍の年IOO万台規模に増やす。

今期のグループ新車販売は800万台を突破し、トヨタ超えが確実視される。

◆戦略再構築に動く

得意の部品モジュール(複合)化も深掘りする。車両を大きく6つの部位に分けて設計し、部品の車体への取り付け方などを共通化。多くの車種の混流生産が容易になり。

「新手法で20%のコスト削減が見込める」とヴィンターコーン社長は自信を深める。「スズキに頼らなくても」との思いが強まったはずだ。

M&A(合併・買収)の意欲も衰えない。独ダイムラー追撃へ7月に独商用車MANの子会社化を決定。乗用車事業では今夏、独メディアが「VWがGM傘下の独オペルの買収を検討」と報じた。両社とも「臆測だ」と否定したが、VWがスズキとの提携解消後をにらんだ戦略再構築に動き始めたとの見方もある。

ポルシェとの経営統合の遅れなど難題に直面するVW経営陣。スズキと溝が深まる中でも経営陣が修復に直接乗り出す場面はほとんどなかったようだ。「スズキ問題の優先順位は低かった」とVW関係者は証言する。
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精米欧州最大手と提携 丸紅、米欧・アフリカに販路…日経新聞9月14日11面より

2011年09月14日 14時50分07秒 | 日記
丸紅は精米販売で欧州最大手であるスペインのエブロ・フーズと提携する。丸紅がカンボジアなどアジアで調達したコメを、エブロが持つ欧州や米国、アフリカの販路で拡販する。

将来的には日本のコメを輸出する方針。人口増加に伴い、コメの世界需要は伸びている。丸紅はコメの販売で手薄だった海外販路の確保により事業拡大を目指す。

エブロ・フーズは精米工場を欧州に14力所、米国やエジプト、タイなどにも拠点を持つ。販路は欧州や北米、アフリカやアジアなど23力国に広がる。年間のコメ取扱量は約150万トンで、売上高は17億ユーロ(約1785億円)となる。

コメの栽培や輸出などで丸紅の包括提携先であるカンボジアの卸最大手アンコール・カセカム・ルーングルウング(AKR)を通じて調達したコメをエブロの販路で販売する。カンボジア以外のアジア米も取り扱う。大手商社によるコメの3国間取引は初めて。

エブロを通じ、2012年に3万トンの精米取り扱いを目指す。
エブロは丸紅との提携で、アジア米の流通量を増やし需要を取り込むほか、調達先の多様化を図る。

将来的には日本米も取り扱う。丸紅は11年1月に、全国農業協同組合連合会(全農)と提携し、丸紅が出資するダイエーなどの販路を通じ日本国内で精米の取扱量を増やしてきた。今後全農を通じて調達した日本米の拡販にも生かす。
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風力発電 欧州・中国勢競争激しく 提携戦略もカギ…日経新聞9月14日11面より

2011年09月14日 14時44分24秒 | 日記
2010年末までに世界に設置された風力発電設備の4~5割(発電能力ベース)は欧州に集中する。ドイツやスペインなどでは1990年代以降、世界に先駆けて、風力発電が生み出した電気の全量を電力会社などに割高な価格で買い取らせる制度が導入され、風車建設が加速した。

洋上タイプをはじめ、高付加価値で先端的な風力発電ビジネスの主戦場も欧州だ。
現在世界の風力発電ビジネスにおける日本勢の影は薄い。風力発電機で国内最大手の三菱重工業でも世界シェアの上位10位に入らず、風車用軸受けなど一部を除き部品産業の海外展開も出遅れている。

一方で近年、中国やインドなどの新興国でも風力発電の導入量が急増し、価格競争に優れる中国メーカーが自国市場の成長の追い風を受けて急速に台頭している。

日本勢にとっては発電効率や耐久性など強みとする品質面で対抗することがこれまで以上に重要になる。洋上タイプやスマートグリッド(次世代送電網)向けなど、品質が重視される先端風力発電プロジェクトが多数計画される欧州は押さえておきたい市場だ。

ただ、欧州は風力発電機世界最大手のデンマークーヴェスタスや独シーメンスなど地元有力企業もひしめく。洋上風力建設などの実績でも先行する。日本勢が巻き返すには技術革新や現地生産に加え、先行するこれらの欧州企業との合弁など、提携戦略も練る必要がありそうだ。
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日本勢、品質で拡大市場狙う 風力発電欧州の陣…日経新聞9月14日11面より

2011年09月14日 14時37分09秒 | 日記
三菱重工 現地で機器生産 
ナブテスコ 中核部品を供給


三菱重工業など日系企業が欧州で風力発電事業を拡大する。三菱重工は2015年をめどに洋上風車向け機器を現地生産する方針を決めた。

ナブテスコは大型風車に適した中核部品の供給を欧州向けに始める。欧州の総電力需要に占める風力比率は10年の5%から20年には15%に上昇し、風車の大型化なども進む見通し。日本勢は得意の高付加価値品が受け入れられるとみて市場開拓を狙う。

三菱重工は英国政府が策定した20年までに同国沖に7000基以上の風車を設置する洋上風力発電計画に、現地電力会社と参画する準備を進めている。

このほど従来の歯車式の洋上風車に比べ出力が約2倍の1万キロワット級の油圧駆動式の発電機の実用化にメドをつけた。

風力発電機は現在、日本と米国で生産しているが、英国で大量受注が見込めるため欧州で生産する方針。英国を中心に工場の候補地を探る。

洋上風車は沖合に設置するため送電網コストが陸上に比べ2倍以上かかる。故障時には船での作業が必要で保守費も膨らむため、同社は自社の造船技術を使い洋上風車の設置や保守に特化した専用船も開発する。

制御装置大手のナブテスコは12年初めにも欧州の風力発電メーカー大手に中核機器を納入する。風向きに合わせて風車の羽根部分の向きを左右に回転させる装置で、海外の競合他社に比べ重量を約3割軽くできるため大型風車に適している。

ナブテスコが欧州で風力発電事業を本格的に手がけるのは初めて。事業が軌道に乗れば、現地での販売・保守拠点の新設も検討する。

NTNはフランスの生産子会社で風力設備などに使われる直径60センチメートル超の大型軸受け(ベアリング)の生産能力を現在の6倍に増強する。丸紅が洋上風力発電事業の世界最大手、デンマークのドン・エナジー社と提携し、英国で同事業に参入するなど日本企業の欧州進出が相次ぐ。

欧州風力エネルギー協会によると、EUの風力発電累積導入量は20年に10年比で約3倍となり、総発電量に占める風力比率も約15%と10ポイント上昇する。

特に英国政府が計画する洋上風車事業の発電量は3200万キロワットと、原子力発電所約30基分に相当する発電量となり、英国の全消費電力の3分の1を賄う計画だ。
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国連議長の補佐役に日本人…日経新聞9月14日9面より

2011年09月14日 14時21分54秒 | 日記
13日開幕の第66回国連総会の議長室政策調整官に、国連日本政府代表部の岡井朝子公使参事官(45、写真)が就任した。議長を補佐する約20人の政策顧問を束ね、政策調整の中核を担う。

国連の議会に相当する総会の議長室高官に日本人が就くのは初めて。同日から1年間議長を務めるナセル新議長(カタール出身)を支える。
(ニューヨーク=弟子丸幸子)
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米から天然ガス調達 原発代替、安定的に…日経新聞9月14日5面より

2011年09月14日 14時18分29秒 | 日記
政府、米に要請へ年200万~300万トン

米国からの液化天然ガス(LNG)輸入が2015年にも始まる見通しとなった。日本政府が14日、米政府に対して日本向け輸出の許可を要請し、米側も前向きに検討する。

米で生産が増えている新型ガス「シェールガス」を液化して運ぶ計画で、日本の電力、ガス会社が当初年200万~300万トン輸入する公算。日本は原子力発電所の再稼働にメドが立たず、代替燃料として天然ガスの需要が急拡大する。同盟国の米からの輸入で安定調達と価格上昇の抑制を狙う。

牧野聖修経済産業副大臣がサンフランシスコで13日(日本時間14日)に米エネルギー省のスティーブン・チュー長官と会談。民間企業が申請する日本への輸出事業を許可するよう求める。米では日本のように自由貿易協定を結んでいない国へのLNGや原油の輸出の際、同省の許可が要る。

日本は10年にマレーシアなどから7000万トンのLNGを輸入した。アラスカからも50万トンを購入したが、ガス田が枯渇し、足元での米からの輸入実績はほぼゼロとなっていた。

シェールガスはメキシコ湾岸のテキサス州やルイジアナ州で液化し、パナマ運河を経由して日本に運ぶ。経産省は将来、米国産が輸入の約1割を占める可能性かおり、購入相手の分散による安定調達につながるとみている。

政府は日本企業によるシェールガスの権益確保も支援する。企業が権益を買う場合、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が民間と同額を出資する。経産省は今年度第3次補正予算案で、JOGMECの出資枠拡大に200億円強を要求した。

LNGの調達価格が下がる可能性もある。日本向けLNGのスポット(随時調達)価格は100万BTU(英国熱量単位)当たり16ドル台と高水準にある一方で、米国の天然ガスは同4ドル弱と4倍もの価格差があるからだ。

従来の日本向けLNGは高止まりする原油価格に連動し、天然ガス値下がりの恩恵を受けにくかった。

米国のガス価格は原油と関係なく需給で決まるため、日本がアジアや中東からの調達価格を見直す好機にもなる。

米はLNG輸入国だが、シェールガスの生産拡大で状況が一変、輸出国に転じる見通し。米国内の需給は緩み、ガス価格低トに悩む開発業者も出始めている。

メキシコ湾岸に建設した中東からのLNG輸入のための基地が無駄になる恐れがあり、日本向け輸出基地に転用する利点もある。
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鹿島で設備大幅削減 旭硝子など3社撤退…日経新聞9月14日1面より

2011年09月14日 13時26分56秒 | 日記
塩ビ樹脂原料 競争力低下

三菱化学など化学5社は東日本最大の石油化学基地、鹿島コンビナート (茨城県神栖市)で水道管などに使う塩化ビニール樹脂の原料生産を大幅に縮小する。共同出資会社から2012年3月をめどに旭硝子など3社が撤退。残る三菱化学と信越化学工業は生産能力を3~5割減らす。

石化製品の国内需要が低迷している上、3月の東日本大震災で被害を受けており、現状規模で生産を続けるのは難しいと判断した。
水道管のほか農業フィルム、電線被膜などに使う代表的な樹脂の塩ビは、同コンビナートの主力製品のひとつ。

ただ、電力コストの高さなどから国際競争力が低下しており、原料設備の稼働率は5~7割程度にとどまる。このため震災で止まった設備をすべて復旧せず、能力を削減して稼働率を高める。

原料の塩素の生産能力は年35万トン中間原料の塩ビモノマーは同60万トン。5社はそれぞれ共同出資会社を設けて生産している。旭硝子のほか、カネカ、ADEKAが株式を信越化学などに売却して撤退する。ただ3社は設備縮小などには協力し、70億~100億円の費用を負担する。

塩ビモノマーの3~5割という能力削減幅は、国内総生産能力の約1割に相当する。生産縮小に伴い、共同で運営する火力発電設備の能力も削減する。

樹脂など石化製品の内需はここ数年、減少傾向が続く。また、低コスト・大量生産が武器の中東勢などの台頭で、国内コンビナートの輸出競争力は低下している。

震災の被害を受けた企業では、日本製紙も宮城県などの工場を完全に復旧せず、一部設備を停止する。原子力発電所の事故などを受けて国内では今後、電力コストなどが高止まりする見通し。震災を機にコストなどを再点検し、生産体制を見直す動きが広がりそうだ。
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商品先物、買い増し制限 大口規制 取引状況の開示強化…日経新聞9月14日1面より

2011年09月14日 13時15分54秒 | 日記
原油・農産物高騰防ぐ

原油や農産物の急激な価格変動を抑えるため、日米欧など主要国が導入する商品デリバティブ(金融派生商品)市場の国際規制の新たな指針が13日、わかった。

投資家に先物などの取引状況の定期開示を求めるほか、大口取引に上限額を設けて買い増しを制限する。2012年に取引情報を蓄える専門機関も設ける。08年のりーマンーショック以降、投資マネーの流入で商品価格が実需からかけ離れて乱高下した状況を踏まえ、市場を透明化し、投機を抑制する。

世界の証券当局で構成する証券監督者国際機構(IOSCO)が近く新たな監督・規制指針案をまとめる。早ければ、10月に仏パリで開く20力国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に報告して了承を得る。

新興国経済の成長を背景に、資源などの商品市場には高い運用利回りを狙ったマネーが流れ込んでいる。世界の商品市場は過去10年間で急速に拡大し、出来高は7倍になった。

一方で、情報開示や不正行為の監視体制が未整備で、株式市場などに比べて売買の透明性は低い。08年には石油や食品など1次産品の価格が短期間で高騰。企業経営や市民生活が大きな打撃を受けるなど、世界経済の不安要因になっていた。G20からは価格の乱高下の一因である商品デリバティブ市場への規制強化を求める声が出ていた。

IOSCOの指針に沿って、各国は具体策を作成する。市場の参加者は、世界的なヘッジファンドや主要国の年金基金、石油・鉱山や穀物などの多国籍企業が中心。規制対象をどこまで広げるかも各国の当局が判断する。日本でも金融庁や経済産業省が詳細を詰める。

住友商事による銅の不正取引事件を受けて商品先物取引の国際的な指針を取りまとめて以来の抜本的な規制見直しとなる。

柱の一つは情報開示の強化で、商品取引業者が各国の監督当局に取引状況を毎週報告するような制度の整備を求める。商品デリバティブ市場だけでなく、現物市場での取引情報も報告させる。

投資ファンドの出資者についても、必要に応じて当局が把握できるようにする。商品市場への投資マネーの流れをつかみ、相場操縦などの不正行為を未然に防止できるようにする。

大口投資家への規制も強める。商品市場は株式市場に比べると規模が小さいため、特定の投資家の売買で価格が大きく変動しがち。過剰な商品取引の持ち高を抱える投資家に対して一定の上限を設け、それ以上買い増さないよう当局が事前に介入できる制度などの導入も求める。

取引停止や値幅制限も視野に入れる。IOSCOは取引参加者の多い石油などの店頭デリバティブ市場については、国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)などと共同で取引情報を蓄積する専門機関を12年に設立。マネーの流れを監視しやすくする。
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電田と通信に共通する孫正義商法 WEDGE編集部③…wedge9月号から。

2011年09月14日 12時47分45秒 | 日記
…前章からの続き。

エネルギーへの期待感を高め、世論を形成する手法は「光の道」と似ている。

「電田」に潜む孫氏の戦略

太陽光発電は「20年間40円固定」で買い取れと強く求める孫氏に対し、堀氏はこう問うた。「なぜ固定なのか。競争させないのか」。

確かに、太陽光に将来性があるなら競争すべきだ。孫氏の回答は「世界の常識」。

「欧米は内部収益率8%が投資基準なのに、経済産業省は6%を下回る設定だ」と憤慨した。太陽光だけ「20年間40円固定」は「優遇」だとするある業界関係者は、孫氏の狙いをこう解説する。

「孫氏の要諦はリスクの極小化だ。20年間40円固定の訴えもその一つだが、それだけに目を奪われてはいけない。上手いのは、自然エネ協議会と称して自治体をうまく巻き込んだこと。農地の利用規制緩和や、自治体による農地集約を前提としているのは見事だ。

コスト高の再生可能エネルギーは立地が最重要。日照時間や風況もあるが、既存の送電線に近いかどうかがカギ。一番面倒な立地選定を自治体にやらせるのは名案。そのイヤらしさを、農地問題を掲げてうまく緩和している」

実際、「電田プロジェクト」と言う割には、実験プラントが設置されるのは帯広競馬場(北海道帯広市)と、空き地だらけの工業団地「苫東」(同苫小牧市)だ。「電田はブラフでは?」そんな声もある。ソフトバンクは「電田プロジェクトにはもともと農地以外も含まれている」(広報部)と言う。

前出の町田徹氏は、もっと深読みだ。

「政策支援を前提とする太陽光より風力が狙いではないか。ソフトバンクは、電力事業を定款に加えた6月の株主総会より前に、資金難に陥っていた風力発電会社グリーンパワーインベストメント(GPI)への出資をこっそり決めていた。

GPIは来年4月に立ち上げられる3つの国内風力プロジェクトを持っていたが、既存の大株主は、全量買取法案に対する産業界の反発を見て態度を決めかねていた。

周囲が二の足を踏むなか、早すぎもなく遅すぎもない絶妙のタイミングで攻勢に出るのがソフトバンク。01年のADSL参入時に、経営不振の東京めたりっく通信を買収したのと同じ」

電力業界は発送電分離問題を控えている。ソフトバンクは、ADSLにおけるNTT局舎開放、光ファイバーの8分岐問題など、チャレンジャーの立場から巨人NTTを追い詰めるノウハウを蓄積してきた。

発送電分離となれば、自然エネルギー事業者という「弱い」立場は大いに活かせるだろう。
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