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ブログでは過去に題材を採るものの実は、昔話に花を咲かせるのは(特に最近)生理的に好きではなくなった。誰かより前に生きてたことの何が自慢か❔と、語った端(はな)から自分自身にイラっ
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まあ、そんなワケで。
別に懐かしみたいのじゃなく、「きょうびバズってることも明日には忘れ去られてるぜ。いちいちクダらねえ」とばかり
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上にUPした画像
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上が野菜ピーラーで、下が缶切り(裏返すと栓抜き)。奇しくも、どちらも刃の部分以外はプラ成型になってる。平成人が見たら、まあ第一印象は「百均で買ってきた安物」なんじゃないかな。
違うよ違う。実際は大手スーパーの店頭で、850円くらいで購入した物だ。四半世紀前には、すでに貝印は金物業界のブランド大手だったからね。
今からみたら、「小っせえ樹脂もんに何で850円も払う気になるよ❕❔」つう話だが、まあバブル期に千円以下は「庶民感覚でも安い」値段だったのと、当時の樹脂製の…てか正確にゃ「樹脂部分をふんだんにフィーチュアしたメタルウェア」は〈ちゃちい、安っぽい〉ではなく、〈今っぽい、イケてる〉と感じられてた。
プラ製品全般への好感度は1970年頃に一度ピークを迎えたあと、80年代前半には徐々に下降線。バブリーな時代が擡(もた)げてくると、それこそ小市民たちの興味は化繊製品を離れ、貴金属、毛や革、ナチュラル生地素材に注がれてゆく。音媒体がレコードからCDに移る時代、(Windows前夜の)最初のパソコンブームが巻き起こってる頃は『家電 冬の時代』と呼ばれた。地方では家電量販店の陣取り合戦が巻き起こる。
そんな中、輸入製品にしては安価で、見慣れぬ装いのキッチン家電が(日本の量販店にも)並び始める。電気ケトルを筆頭にした仏Tefal社の製品群だ。
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Tefalっちゃ、その時分までの昭和人のアタマでは「高級フライパンや鍋釜を造る金物加工メーカー」でしかなかった。しかし実際には(日本庶民の多くが知らぬ間に)厨房機器メーカーのセブ社と合併、途上国に生産拠点を移管させつつ先進的な調理機器を安く量産するキッチンウェアの巨人
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まさか、そこに樹脂を使うの❔❔ってな「目の覚めるような」発想でメタルウェアと樹脂素材を融合。新たな「使い勝手」を創出してるのは傍目にも「かっけえ
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また、イラク戦争前の10年余は日本でも(唯一の危機ポイントであった湾岸戦争さえ早期に収拾されて)ずっと輸入原油価格が低値安定してた時期。全国の食品売り場に無料レジ袋がいっきに広まったのも(袋自体の)安さゆえであったし、方やメーカー経営者なら、製品の金属部分を樹脂に置き換えることによる製造原価抑制を図らない手はなかった。
こうした時代背景だったからこそ、「プラ成型部分を盛るだけ盛った "貝印の" 小物ツール」はキッチン用品売場に溢れた。
「ニッポンの金属加工屋の "ほぼブラ製"商品」❕❔なんて、もう二度と主流には戻らんかも。残るとすりゃ「おろし器セット」くらいか。その後「半ば樹脂細工のメタルウェアもイケてるよな🎵」的な“時代の感性”は、アップル社の初代iMac発売(1998年)あたりまで続いてゆくのである。
=了=
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