時節も「梅雨入り宣言」後ともなれば、梅雨明けを待たずとも「半分以上、季節は真夏」と心得たモノである。夏と言えば怪談、ホラー。
…というワケで、今宵は『マーターズ』『トールマン』など新感覚フレンチ・ホラーの鬼才、パスカル・ロジェ監督の最新話題作『ゴーストランド』(2018年カナダ・フランス合作)について ──。
世のなかには、たとえば『ランダム 存在の確率』(2013年) のように(英米はもちろん)東欧を含むヨーロッパ各国やアジア各国で劇場公開、話題を呼んでいるのに、限りなく日本でだけ、上陸が著しく遅れる……という事例が結構な割合、見受けられる。『ランダム 存在の確率』の場合は、世界一般より(公開が)丸2年近く遅れた。ディズニーやワーナーブラザーズなど、大手配給のメジャー作品は順当に本邦公開となるのだけど、中手小手の佳作映画は(いっきに)劇場公開やDVDリリースが遅滞し、最終的に(日本では)公開されず終わる作品も相当数に及ぶ。こーゆう実態を見るにつけ、ニッポンなんて(Cool Japanとか偉そうに言ってるが)まだまだ「文化小国」だよなあ、と痛感するのだ。
かく言う、この『ゴーストランド』も然り。以下に掲げるごとく、多くの"文化国家"では とうに劇場公開(乃至はストリーミング配信の開始)を迎えているが、日本では全く!どの興行ルートからも「本邦公開予定のアナウンス」がなされていない。寂しい話だ。
日本でも知られて久しいフレンチPOPの歌姫ミレーヌ・ファルメールさまが(実生活では未婚を貫いてるが)、本格的な長編映画に主要キャスト(それも主役姉妹の母親役で!?)熱演カマしてるとか、ホラーの中身も「少女趣味の猟奇魔に捕らえられると、別の時空で"人形"と化してしまい、抗えないまま飾られ、なすすべなく愛で虐げられる」など、サイコでSFチックなイリュージョン仕立ての恐怖になってるらしい。
まあ、仮に日本で公開されると、ある意味「フィギュア・オタク=小児性愛の変質者、誘拐予備犯」的な本作のプロットは地雷で、あらぬ方向へ物議を醸してしまうのかな、という気がしないでもないが。 どんな理由で公開が延び延びなのかは分からないが、ならばせめて以下公開各国の本作ポスターのバリエーションでも「愛でて」みるとするか…。
▲ カナダ(英語)バージョン ▲
▲ アメリカ・バージョン ▲
▲ フランス・バージョン ▲
▲ スペイン・バージョン ▲
▲ ギリシャ・バージョン ▲
▲ クロアチア・バージョン ▲
▲ リトアニア・バージョン ▲
▲ ハンガリー・バージョン ▲
▲ ポーランド・バージョン ▲
▲ ロシア・バージョン ▲
▲ タイ・バージョン ▲
▲ 香港バージョン ▲
▲ 台湾バージョン ▲
▲ フィリピン・バージョン ▲
<キャスト>
クリスタル・リード、アナスタシア・フィリップス、エミリア・ジョーンズ、テイラー・ヒックソン、ミレーヌ・ファルメール /他