関心空域 ━━ す⊃ぽんはむの日記

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北米のヲタク男女にゃ広く知られてる「架空の日本人娘」─── 野口真千子さん(マチコ・ノグチ)って、いったい何者❔❔

2020年02月16日 | 日記

またの名を「シー・プレデター(SHE-PREDATOR)」。北米アメコミ市場では、女流プレデターを代表する人気キャラなのが、マチコ・ノグチ嬢。ノベル&コミック版『エイリアン VS. プレデター』ユニバースでは絶対年代の記述が出てこず、漠然とした未来の中で物語が進むので、彼女の生年も(したがって年齢も)定かではない。

女流プレデターというと、元来はヤウチャ(=伝統派なプレデターの属する"正統"種族名)の女性を意味してた。近日発売のゲーム『プレデター ハンティング グラウンズ』にも、緑色の肉肌をした女性ヤウチャが凛々しくご登場。今後、いろんなルートでプレデターの両性共演の機会が増してくると思われる。


で、それらプレデター男女に混じり、すでにアメコミ界では30年近く前から登場し親しまれてきた"ハンター・キャラ"がマチコ。何と、地球人にして日本人。それも女性❕ なのだな。当然、プレデター社会に順応し、彼らと狩猟を共にし、肌も露わな"シー・プレデター・ファッション"で身を固めている。


このマチコ・ノグチ(和表記: 野口真千子)嬢。いったい、どんなプロフィールを背負った人物で、なぜまたプレデターとなったのか。

長らく彼女の素性は、視覚的に詳しくは描写されてこなかった。単にセリフの端々や解説文のなかに、テキスト情報として見え隠れしてただけ。それが2007年になって、きっちりとしたコミックに2次元化され、プレデター稼業に身を投じるまでの前半生が(初めて)具体的に語られることとなった。

それによれば……もともと野口真千子は、宇宙開拓時代の未来における日系大企業チグサ・コーポレーション創業家の娘。不慮の死を遂げた父の遺志を継ぎ(生え抜きのビジネス戦士として)この同族経営の巨大企業で出世を重ねてきた、いわば「超エリートお嬢さま🎵」であった。
個人的には現代日本の、ちょうど某O家具の女社長みたいなイメージで、良くも悪くも「あれに近い憎まれキャラだった」のだろう、と理解してるww

しかも彼女、単なるインテリな小娘の概念にゃ収まらなかった。

とことん現場第一主義。特に最果ての地球型惑星リユシ、そこの畜産食肉プラントのための地球外コロニー長官の任に就いてからは ──。ひとたび問題が起これば、部下に尋ねるより先に自分自身の眼で確かめに出かけた。危険な肉体労働の先頭に立ち、自らも重機や運送モビルを操りつつ、屈強な男ども相手にハッパをかけて回った。

一方その頃、遊牧地の片隅にエイリアンシップが軟着陸。さっそくクイーンエイリアンが産卵を始め、フェイスハガーが人や獣を襲い始める……ほどなく、コロニー全体が成長したエイリアンの急襲に見舞われ、次々と壊滅状況に。マチコ自身もエイリアンに襲われかけるが、一人のプレデターが窮地を救う。"彼"はたまたま、海賊的な狩猟行為を暴走させる"パイレーツ・プレデター"の郎党を追って惑星に降りていたヤウチャの英雄、ダシャンデであった。

エイリアンとの格闘中に気絶したダシャンデをラボの診察台に拘束し、調査分析を命じるマチコ。退避指示にいったん診療棟を出た彼女だったが、入れ替わりに"パイレーツ"一味が、ダシャンデの命を狙いラボ侵入を図る。間一髪、彼が襲われる直前に先回りできたマチコの聴覚は、ダシャンデの発したテレパシー言語に愕然とするのだった。それでヤウチャの間で起きてる真実と彼の任務を理解したマチコは、事態を打開すべくダシャンデと共闘する。

ふたりが逃げ込む脱出ポットに、なおも鉤爪を延ばし、食い下がってくる女王エイリアン……緊急脱出の強行でクイーンの命こそ仕留めるも、ダシャンデの胸は深く裂かれていた。マチコの額に、自らの流す血とエイリアンの強酸が染みた指牙で「勇者の紋章」をマーキングした彼は「礼を言うぞ(i remember you …)」とだけ言い遺し、そのまま息を引き取った。

災害を受けて会社は撤退、生き残った住人もリユシを去っていった。惑星は またたく間に荒野と化した。

だがマチコだけは愛犬とリユシに残り、日々、エイリアンの残党を追い続ける。そこへダシャンデ配下の若いプレデターらが、リーダーのあとを追って遊牧地跡に降下。彼らは累々たるエイリアンの死骸を見、勇者の紋章を額に刻んだマチコとも運命的な邂逅を果たすのだった。  = つづく (的な)=

↓ 赴任当初はコワモテの惑星コロニー長官だったマチコ。
英雄ヤウチャと共闘して敵クイーンエイリアンを撃破。彼の
戦死を看取り、勇者の刻印(マーキング)を授けられることで
プレデターの猟友としての"お墨付き"を得るのだった──。


なお、90年代のアメコミ版を読んできてない人は「プレデターから一人前の闘士である称号(マーキング)を授かった地球人」と聞くと、2004年のFOX映画第1弾『エイリアン VS. プレデター』に出てきた冒険家女子のレックス(アレックス・ウッズ)こそが人類で最初だろに、 って引っかかるだろう。

たしかに(現時点の結果で言えば)レックスは21世紀初頭の地球人なので、何世紀か先の未来に生まれてくる真千子よりは「早くにマーキングを授かった」栄誉に浴せる人物だ。しかし前述したごとく、AVPワールドに一番最初の"地球人のオンナでプレデター公式資格ゲッター"というキャラを宛がわれ創出されたのは、真千子の方が(映画化の過程で作られた新キャラ=)レックスより、10年以上も"前のこと"💧なんである。

文中【ダシャンデ】と表記した名称は、ネット上のカタカナ表記では広く「ダチャンデ」で通っている。しかしこれは英原語:Dachandeのローマ字読み、もしくは機械翻訳時に出てくる和製発語文字であり、英語話者による正しい発音は[だぇ-しゃん‐でぇ]となる。したがって本記事では、あくまで英語発音に近い方を採った。


ファンメイド版 マチコ・ノグチ 2次元アート


どこか白人ぽかったり、見た目ほぼミクロネシアンだったり、自称マチコ・ファンらの夢想する野口真千子のイメージは「想いの数だけ」多様性に満ちている。これが『アイアンマン』のトニー・スターク社長みたく、映画やドラマで大人気シリーズ化したってと以降、特定の俳優のイメージに固定されちゃうんだけどね。

一方、20世紀FOXの公式ライセンシー各社から発売されてきたフィギュア商品は、どんな感じか❔ というと…


サイドショウ版 マチコ・ノグチ フィギュア




NECA版 マチコ・ノグチ フィギュア




ホット・トイズ版 マチコ・ノグチ フィギュア


あまり「わたしたちから見て日本人ぽくない^^;蒙古人ウォリアー?」的な造形で出されがちなマチコ・ノグチ像。

その中でも最後の香港企画バージョンが一番ヘンで、マチコは黄色人の両親を持つ公式設定にもかかわらず肌は浅黒く、容姿はアンジェリーナ・ジョリーさながらだ。さらには、①名誉のマーキングが額でなく頬に入れられてる ②左腕にエイリアンヘッドの盾をまとう…等々、範としたのは映画版に出てた2004年のレックス・ウッズそのもの。本来、オリジナルのイメージを忠実かつ精密に再現することで定評ある中華系フィギュア師集団なのに、このマチコだけは悪意も露わな改ざんの印象を禁じ得ず、とても残念っ。
=了=


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