相変わらず、荒ぶる気象現象に右往左往させられる現代人。
農作物、なかでも露地物野菜は(水飢饉が重ならない限り)日照り続きだと生育爆発し、逆に、大雨が入り混じる天候不順だといっきに不作となる。食品スーパーの青果コーナーは、値段(プライス)のアップダウンが痛烈な勢いだ。
食品スーパーの露地物に対する売りかたは、系列店網ごとに違う。
わたしの暮らす中京地区では、たとえば《アピタ/ピアゴ/ユニー/ドンキ》店は基本「1個、1本売り」だ。生育がイイ個体も、貧相な個体も、どれだろと共通単価。
梅雨が「いったん明けたと発表された」先月の好天続きの頃は、TOP画像のようなバカでかい💧ニンジンまでが、その半分の大きさしかない"通常サイズ"ニンジンに混ざって「どれでも68円」で売られてたw
こんな極端なバラ売りが許されるのは、きっと正社員な独身貴族とか年金族の、小世帯の個食向けに集客ターゲットを絞ってるせいだと思う。30代を中心とした子育て&共働き世代にターゲットすえた《カネスエ》などの「袋売り」方式に比べると、買値は倍ほどにも違ってくるが、その割高感でも「たくさんは食べない人たち」なら納得して買っていく。
また《カネスエ》の仕入れ(つか、シジシージャパンの仕入れ?)は青果に限らず「北海道シフト率」が高いように思う。北海道は年間を通し「気圧の谷や線状降水帯」の毒牙に襲われにくく、令和以降も「農作物の安定出荷」を期待できる生産地だ。
一方の「地産地消トレンド」とは逆行するが、そうは言っても結局は「お天気ひとつで値段が跳ねあがってしまう迷惑」とのギリギリの綱引き。後者を多分に避けときたいと判断すれば、東北以南の農協とだけ信頼関係を固めるのは経営リスク視されるんだろう。
ロシアやウクライナ産の小麦に大きく依存してた国が今、どんだけの食品価格高騰に見舞われてるか❕❔ を考えたとき、日本における震災や熱波災害の秘める食費沸騰リスクもまた、戦禍による食費沸騰ディザスターから学ばないワケにはいかない。
さて、地産地消の掛け声が危うい💧のは農作物だけに限らない。工業製品もだ。
半導体だけは「自国の自給率を上げろ」って話がさかんに出てるが、もっと細かい日用品産品というのは(どこの先進諸国でも)値段の安い海外製に販路を奪われ続けてる。単純な構造の木工品ともなりゃ、その流れは決定的。
つまようじ、割りばし……文具だと、鉛筆。
もう40年も前、大学受験を終えて「つかの間、自由になった」自分は(キャンパスでの勉学じゃなく💧)幼少期から大好きだった絵描きに熱中した。はるばる信州から東京の画材店に出張(でば)ったりして、絵具や絵筆、鉛筆といった「趣味ツール」にバイト代を注ぎ込む。そのなかの1本が、このデッサン用「6B」の英国製えんぴつ。
思い出したようにググってみると、この40年「この鉛筆」も時代の荒波に揉まれてた。
わたしが(日本で)この1本を買った当時に英国経済は、サッチャー改革のまっただなか。この鉛筆に刻印された「レクセル・カンバーランド・ダーウェントグラフィック」てのが、この時分の"国を挙げた"企業合併統合ブームを象徴してる。『レクセル』は当時、オフィス電算化"特需"で英国企業のなかでは急成長してた「シュレッダー製造」会社。多角化の一環として、ジリ貧の鉛筆ブランド『ダーウェントグラフィック』の製造販売事業を買収したのだ。
んじゃ『カンバーランド』たァ何か?というと、実は『ダーウェントグラフィック』という作画用鉛筆のブランドを売るために引っぱり出された「本社工場の本拠地」の地名なんだな。ちょうど日本の「日立」みたく、あえて看板ブランド名を社名とせず、『カンバーランド・ペンシル』という象徴的な(=名義的な)社名を 間にはさんだがために、刻印としても残ってた……のだった。
それが2020年代の今や、元・親会社の『レクセル』もすっかり勢いを失くし、同社ともども「米国のコクヨ」こと、オフィス用品の大手総合商社『アコ(ACCO)』に買い取られてた💧
この『アコ(ACCO)』グループは、まずは買収先ブランドの知名度を(削がずに)活かす経営統括方針を採ってるため、わたしの思い出の鉛筆は"直に" ブランド名『ダーウェントグラフィック』としてなおも存続中。トレードマークの「オレンジ色の輪ライン」も健在🎵だった。
その代わり、 ぶっちゃけ名義に過ぎなかった「カンバーランド」の刻印は割愛され、「Cumberland Pencil Company」の旧社名は地元の「鉛筆博物館」名や連絡先部署名として遺(のこ)るのみ。ブランドサイトの表面(おもてづら)からは表記が消えた。
きょうはニンジン、ダーウェントグラフィックと「オレンジ色」にまつわるネタ続きだが、もうひとつ、「オレンジな余談」を。
上述の『ACCO』傘下のブランド群には、オレンジをコーポレイトカラーとするドイツの『Nobo』もある。ここはホワイトボードを主力とするオフィス用品メーカーだったが、コロナ禍以降、オフィス向けアクリル板製のパーテイションの企画販売で大きく実績を伸ばした。
大きな傘の下に収まることは、いろんな情勢の変化に「逆風でも追い風を得られる幅を持てる」ことを意味する。世界は不確実なジェットコースター。北海道産のニンジンじゃないが、企業活動がより広い間口を志す理由の典型を、こんな(遠く海外での)シーンにもまた垣間見ることができる。
=了=
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